![]() |
| 担当編集者は知っている。 |
茶の湯や美術の本を出版する京都の老舗出版社、 淡交社から新雑誌が創刊されました。 この『京都に住まえば…』(季刊)は、 単なる観光ガイドでは物足りないと思っているかたや、 いつか京都に住みたいと思っているかた向けの雑誌です。 地元に愛される場所や店などの紹介はもちろん、 実際に住んでみないとわからない京都の慣習や、 京都人の感覚、町屋の住宅案内まで、 幅広く、深く、楽しく紹介されています。 創刊号には「ほぼ日」ハラマキのプロデュースを してくださった通崎睦美さんも登場。 この雑誌を企画制作されている140Bの 大迫さんにお話をうかがいました。 (「ほぼ日」渡辺) ******************************** 担当編集者/140B 大迫 力 ●京都の老舗出版社が出す京都本です この『京都に住まえば…』 (通称いや愛称・キョースマ) 制作のお話をいただいたのは、 昨年の初夏くらいのことでした。 140B(いちよんまるびー)という ヘンな名前の会社ができたのが4月ですから、 会社ができてから ほぼずっと携わってきたことになります。 版元は淡交社といって、京都でも有数の歴史を誇る、 茶道や美術関連の書籍を扱ってきた出版社です。 昨今言われる「京都ブーム」と、 それに付随して量産されるガイドブックなどの 「京都本」の多さに鑑みて、 見る・食べる・遊ぶだけではない京都の雑誌を、 という老舗の出版社らしい意識が、 この本が生まれるきっかけとなりました。 ●「消費」だけではない京都との付き合い方 見る・食べる・遊ぶというのは、畢竟するに 京都という町を消費する、ということです。 けれど、何回も足を運ぶリピータの方がいたり、 ついには(糸井重里さんのように?) 移り住んでしまう方さえいる この町のほんとうのところは、 やはり「消費する」といったスタンスだけでは 分かり得ないだろうと考えました。 京都という町でなんでもない普通の一日を過ごすこと、 季節はお祭りとともにやってくるという身体感覚、 京都に住んでいるからこそ気になるあれやこれや、 そんな視点から誌面を具体化させていきました。 タイトルは「京都に住むのってこんなふうなのか」と 想像(いや妄想かな)してもらえる広がりを、 ということで「住まえば…」となりました。 ![]() ![]() ▲「キョースマProfiling」では 京都暮らしてらっしゃる4組の方々に登場していただき、 住むまでのいきさつや暮らしてからの 感想をお聞きしています。 住まいだけではなく、 ご近所のお店も紹介してもらっているのですが、 今宮神社のあぶり餅屋さんがカフェ代わりになったり、 老舗料亭でお弁当を買って、 家でお茶会をやったりという話が 当たり前に出てくるあたりが、 何とも京都らしいところでした。 ●「地元では‥‥」を大事にしました ですから、第1特集の 「キョースマさんいらっしゃ〜い!」では、 京都に住んでみたい人を京都人にご案内してもらい、 「住んでみたらどうか」という視点で 歩き回ってもらいました。 「春のおめあてカレンダー」では、 いろいろな行事をカレンダーにまとめました。 季節はお祭りと共にやってくるという 京都人の感覚を知ってもらうと同時に、 紹介コメントもインターネット検索では 引っかからないような、 地元の人にとってどういう存在なのかを大事にしました。 ![]() ▲「キョースマさんいらっしゃ〜い!」 京都好きの永江朗さんに京都の町を歩いてもらいました。 案内して下さったのは下京区に住む マリンバ奏者の通崎睦美さんです。 職人さんの手仕事や普段の町の様子を 御覧になった永江さん、 「知らない人が見たら、地元の人だと思うかな」と とてもうきうきしながら歩いていました。 観光客には一人も会いませんでした。 ![]() ▲「春のおめあてカレンダー」 3月から5月上旬までの行事をまとめ、 「今日は京都では何が行われているのか?」が 一目で分かります。 たとえば宝鏡寺の雛祭りには 「京都で雛祭りと言えばやっぱりここというイメージ」。 豊臣秀吉由来の醍醐寺の花見行列なら 「太閤さん、イマイチ京都では影が薄い‥‥」。 何の根拠もなく言ってしまってええんか!? という感じですが、 地元の人から見たらこんな感じですよ、 というのを知るには良いと思われます。 季節はお祭りとともにやってくるという身体感覚を 追体験してもらいたいという想いもあります。 ●“キョースマ的”言い回し あるいは、「大丸さんと高島屋さん」。 京都人にとってはこの2つの百貨店はやはり特別 という意識があるとのことで、 ならばいっそそのままページタイトルにしちゃえば、 ということで生まれました。 さらに、「しぶちん」や「いけず」をキーワードに ナマの京都を綴るエッセイ漫画家・グレゴリ青山さんの コラム「ヨソさんといっしょ」では、 グレゴリさんがヨソさん=京都以外から 移り住んできた人について回り、 京都の新たな一面を知るというものです。 ここにも「ヨソさんの方が京都のことをよう知ってはる」 という京都人の感覚が貫かれています。 ![]() ▲「大丸さんと高島屋さん」の第1回では、 “春限定”を紹介しています。 この言葉には京都人も弱いようです。 また、下段ではさすが百貨店と唸らせてくれる プロフェッショナルなスタッフさんも紹介しています。 ![]() ▲グレゴリ青山さんの連載「ヨソさんといっしょ」です。 初回は、スパイスショップを営む スリランカ人女性のお買いものに同行。 フツーに過ごす彼女の様子を見て、 グレゴリさんが感じたのは‥‥? ●実際に住みたい人もどうぞ また、中とじの部分では、 実際に「住みたい!」と考えている人に向けた 不動産情報もフォローしています。 町家に住むのに向いている・向いていないを考える 座談会&見学会をはじめ、 前半で紹介したエリアについての さらに詳細な町の話と売りに出されている物件情報も。 ほかが京都住まいのイメージを膨らませる部分なら、 この中とじはそれを実現するための部分 ということになるでしょうか。 ●従来の京都本にはない「違和感」こそウリ 京都に住めばこその楽しさや、京都人にとっての感覚は、 ある意味では京都批評としての 機能もあるかもしれません。 その反面、ガイドブックを片手に碁盤の目の中を歩いて 「町家を改装したカフェでお茶でも」とか 「帆布と包丁と風呂敷とぽち袋を買って帰ろう」的な 京都との付き合い方をしてこられた人には、 ちょっと“違う”と感じられることでしょう。 でも、その違和感は、キョースマがお贈りする 「もう少し長い時間をかけて 京都と付き合ってみませんか?」という提案です。 京都に住んでいる人には「そうそう」という納得を、 住んではいないけれど京都が好きな人には 「なるほど」という共感を、 京都に住む予定はないけれど 町を歩くのは好きな人なら「へえ〜」という発見を 感じてもらえるはずです。 ●次号は「とびきりの日常風景」を特集 さて、6月15日発売の夏号では、 「住んでるわたしの京都百景」と題し、 京都に暮らす人にとって、当たり前なんだけど、 でもそれがあることを幸せと感じる風景や行事、 店などを紹介します。 京都人がどんなふうにして町を見つめているのか? きっとまた京都へ行きたくなります。 できれば少し長めの滞在で、 普段の京都で過ごすことの幸せを感じてみてください。 ********************************
|
担当編集者さんへの激励や感想などは、
メールの題名に本のタイトルを入れて、
postman@1101.comに送ってください。
2007-04-06-FRI
![]() 戻る |