担当編集者は知っている。


『心地よい暮らしのシンプルキッチン』
著者:石黒智子
価格:1,575円(税込)
発行:ソフトバンククリエイティブ
ISBN-13:9784797335514
【Amazon.co.jpはこちら】

主婦の視点から、
家族が楽しく気持ちよく暮らせるキッチンのあり方や、
使いやすい道具についてのコラムを
新聞・雑誌に連載されている石黒智子さん。
家事は楽しく簡単に、ちょっとした工夫で、
毎日楽しく気持ちよく暮らす‥‥
このご本には、石黒さんならではの
シンプルで気持ちよい暮らしのコツや、
道具選びの吟味のしかた、
アイディアあふれる家事のやり方が
たっぷり紹介されています。
ご担当されたソフトバンククリエイティブの
八木さんにお話をうかがいました。
(「ほぼ日」渡辺)

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担当編集者/
ソフトバンク クリエイティブ
第二書籍編集部 八木麻里

はじめて石黒智子さんのことを知ったのは、
石黒さんの1冊目のエッセイ
『大人のための素敵な良品生活のすすめ
 最小限のもので、贅沢する技術』
(PHP研究所 2000年10月刊)が
書店に並んで間もなくのことでした。
当時、わたしはIT系雑誌の編集者をしており、
「素敵な生活」とは
かけ離れた暮らしをしていたのですが、
何気なく手に取ったこの本を
パラパラとめくるうちにどんどんひきこまれて、
持ち帰らずにはおれなくなっていました。
自分にとっての「いいもの」を見極める目の鋭さ、
そして、おだやかな文章の奥に見える芯の強さに、
ガツンと頭をはたかれたような気がしました。
筆者は、そのときすでに、カリスマ主婦として
雑誌などでご活躍されていた石黒智子さんでした。
この本は、家で線を引きながら読んでいたら、
線だらけ、付箋紙だらけになりました。

それからというもの、
石黒さんがわたしの頭の中から離れなくなり、
数年の時がたち、このたび念願かなって、
2冊目のエッセイの編集を
担当することとなりました。


▲道具を選ぶ基準は、第一に使いやすいこと。
 次がデザイン。両方を満たさないと
 石黒家の一員にはなれません。


「どうしたら石黒さんのような“目”を
 持つことができるのだろう」
それを解き明かすような本にしたいと考えていました。
石黒さんとはじめてお会いして話をしているうちに、
「この本はすごいものになるぞ」という思いは、
確信に近いものとなっていきました。

石黒さんのご自宅で、
キャンドルウォーマーで温められた
紅茶を飲みながらお話をするのですが、
道具の話になると、
石黒さんはすぐに台所に立って、
なぜこのフライパンを使っているのか、
なぜシンクの中に水切りかごが置いてあるのか、
なぜ同じ形のガラスのふたがたくさんあるのか、
なぜスプーンはこの形のものがいいのか、
なぜ23年間このトースターを使っているのか、
といったことを手で示しながら説明してくれます。
すべてのものに選んだ理由があり、
使う理由があり、そこに置くべき理由があり、
25年かけて現在の台所ができあがっているのです。
なくてもいいものはひとつもありません。
本当に必要とされているものだけが集まった台所は、
とても居心地のいい
おだやかな空気が流れていました。


▲25年前に設計したという台所。
 訪れる人すべてを受け入れてくれる、
 とてもオープンな気持ちのよい空間です。


神奈川県にある石黒さんのお宅に伺うと、
まず驚くのが、いわゆる玄関がないということです。
ガラスの扉をあけると、
いきなり目の前に登場するのが、
キッチンと、
キャスター付きの大きなダイニングテーブル。
家のいちばんいい位置、目立つ場所に
キッチンがあります。

ダイニングテーブルの位置は、
いつもお宅に伺うたびに違います。
季節と時間帯に応じて、
いちばん気持ちのよい場所に、
テーブルと椅子を動かしているのです。
冬は日当たりのいい暖かい場所に、
夏は風通しのいい窓際に。
エアコンはなく、明かりはなるべく自然の光で。
そしてこのダイニングテーブルは、
料理の作業台になったり、アイロン台になったり、
食事スペースになったり‥‥
あらゆる場面で活躍します。

台所の引き出しのひとつが救急箱になっていたり、
カップボードに手作りの浅い棚板が足してあったり、
包丁やキッチンばさみが
まとめてマグネットの板にはりつけてあったり、
「なるほど!」と
膝をたたきたくなるようなアイデアが、
いたるところにちりばめられています。


▲道具は、使いたいときすぐに手の届く場所に。


▲スプーンやフォークは、
 必要な本数しか持たないこと、
 目当ての種類をすぐに取り出せることが大事。



▲たまご焼き器は、トースターに入るように
 ハンドルを金鋸で切り離し、着脱式に加工。


石黒さんは、ご自分のことを研究家や評論家ではなく、
あくまで「主婦です」と言います。
主婦として「家族が居心地のいい家とは?」
「みんなが集まる台所とは?」ということを考え続け、
実践してきた経験が、
ものを選ぶ目と暮らしの哲学を形作っています。

本書は、そんな石黒さんが、
どんなふうに考えて台所をつくってきたか、
道具を選んで使ってきたかを綴った1冊です。
自分の中にしっかりした軸を持つということ。
そして、その軸は変化や新しいことを
どんどん吸収するとても柔軟な軸であること。
いただいた原稿を読みながら、
そんなことを強く思いました。
「自分もこうありたい」と、
一行一行に深くうなずきながら編集をしました。

収録している写真とイラストはすべて、
石黒さんの手によるものです。
写真は、作り込みの一切ない日常の目線で、
ありのままの暮らしを撮影していただきました。
1000枚を超える中から、
100点ほどに絞り込んで掲載しています。

石黒さんが選び抜いてきた道具の数々と、
たくさんの知恵と工夫が詰まったこの本を、
みなさんに読んでいただけたら、
とてもうれしいです。

※ ほぼ毎日更新される石黒さんの
 ホームページ内の「White Board」では、
 暮らしの中での発見や道具の紹介を
 見ることができます。
 過去ログは一切なく、
 その日の記事が見られるのはその日限りなので
 (そこがまた石黒さんらしいのですが)、
 どうぞお見逃しなく!


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『心地よい暮らしのシンプルキッチン』
著者:石黒智子
価格:1,575円(税込)
発行:ソフトバンククリエイティブ
ISBN-13:9784797335514
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メールの題名に本のタイトルを入れて、
postman@1101.comに送ってください。

2007-04-03-TUE

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