担当編集者は知っている。


『チェコA to Z』
著者:鈴木海花/中山珊瑚
価格:1,680円(税込)
発行:ブルース・インターアクションズ
ISBN-13:978-4860202019
【Amazon.co.jpはこちら】

母:鈴木海花さん(ライター・編集者)、
娘:中山珊瑚さん(ライター・編集者)、
父:中山泰さん(デザイナー)、
チェコ好きのご一家がいちがんとなって、
作り上げた1冊です!
古本屋、カフェ、キノコ狩り、伝説、映画
‥‥チェコの小さな旅のテーマを
AtoZの26のキーワードに分けてご紹介。
著者であり、このご本を企画制作された、
中山珊瑚さんにお話をうかがいました。
(「ほぼ日」渡辺)

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担当編集者/
フリー編集者・ライター 中山珊瑚

ビザール(一風変わった)な空気に惹かれて。

チェコに興味を持ったのは、中学生の頃、
ヤン・シュヴァンクマイエル監督の
映画『ファウスト』を観たのがきっかけでした。
そのグロテスクなユーモアに惹きつけられるとともに、
舞台となったチェコの町の、ビザールな空気感が
強く心に残ったのを覚えています。
そんなわけで、その後、大学の授業で、
「ひとつの国を選んで、40分程英語でスピーチをする」
という課題が出たとき、迷わずチェコを選びました。
チェコについて調べるうち、ゴーレム伝説や人形劇、
「ロボット」という言葉が初めて使われた
チャペックの小説などの存在を知り、
魔術的なにおいのするチェコアニメの
ルーツを見たような気がして、
チェコへの興味はますます募っていったのです。


▲本書内の「F(Film)映画」のページ。


いざ、プラハへ。

2006年夏にチェコに観光に行くことを計画していた私。
しかし、日本で年内にシュヴァンクマイエルの新作公開、
チェコセンター開設など、
チェコ関連のイベントがいろいろと行われることを知り、
共著者の母・鈴木海花(ライター・編集者)と話し合い
「今年チェコの本を出そう!」ということに。
急遽、取材として母娘でチェコに行くことにしました。
プランを練り、ブルース・インターアクションズの編集者
朝枝さんに企画書を送ることができたのは、
出発の前日でした‥‥。

出版が決まらないままの見切り発車でしたが、
「なんとかなるさ、とにかく行こう!」という勢いで、
女ふたり、親子でチェコを訪れたのは、2006年の8月。
半そででは少し寒い、曇りがちな空模様のプラハでした。
日本のチェコセンターの所長さんペトル・ホリーさんも
ちょうどプラハにいらっしゃる時期だったので、
現地でタイアップの交渉などを手伝っていただきました。


▲本書内の「N(Nocovani)泊まる」のページ。


旅の喜びを写真にこめて。

ふたりでカメラをぶらさげて、
ひたすら石畳の街を歩きまわった旅でした。
チェコの夏は21時頃まで明るいので、
取材できる時間が長かったことが助かりました。
地下鉄の中では、コンパクトカメラを使ってパシャ、
レストランやカフェでは食べ始める前にまずは撮影‥‥
自分たちの目や心に響いたものを撮りまくりました。


▲撮るまで食べるのはおあずけ。


▲キュビズム建築見つけた!


▲おいしくて何度も通ったカフェ・ルーブル。

どこを撮っても美しい街であるだけに、
自分たちなりの視点を、
写真を通して伝えられるか心配でしたが、
本が出来上がったとき「他の本にはないプラハが見えた」
という感想をいただき、とてもうれしかったです。
取材に奔走するだけでなく、時にはゆったりと過ごし、
旅を味わう時間や空気を本で伝えられたのは、
あうんの呼吸でわかりあえる家族だからできたことかも。

チェコ人のお宅訪問をさせていただいたり、
長距離バスで念願の骸骨教会を訪れたり、
「甘いもの切れだー!」と叫びつつ、
カフェでおいしいパフェにかぶりついたり‥‥。
自分たちの好奇心を存分に満たした旅でした。
五感をフルに使った旅の発見の喜びを
たっぷりと写真にこめたつもりです。


▲いちばん好きだった窓。


▲憧れの骸骨教会で。

帰国してすぐ、撮ってきた膨大な写真をまとめて、
朝枝さんに会いに行きました。
「年内に本になるかならないかの正念場!」
と鼻息荒く臨んだ私達。
そんな私達に、ミナ・ペルフォネンのサマードレスが
よく似合うステキな朝枝さんは、ニコニコと優しく、
「もうこちらはお願いする気持ちでおりますので、
 よろしくおねがいします」とおっしゃったのでした。
出版決定! 私にとっては最初の、
そして、すでに著作書がある母にとっても、
これははじめての旅がテーマの単行本。
「やったー!」と歓喜の声をあげたものの、
年内出版に果たして間に合うのか‥‥?


家内工業体制?

後から聞いたのですが、
朝枝さんは「間に合わないだろう」と思っていたとか。
なんとかできたのは我が家の家内工業体制のおかげかも。
我が家は私と母がライター&編集者で、父はデザイナー。
で、この本のデザインも父に担当してもらうことに。
家では連夜お互いのイメージを伝え合う作業が続きました。
表紙は? 文字量は? 写真の入り方は? などなど。
家族だと家でいつでも打ち合わせできるのが便利ですが、
もめるとなんとなく家の雰囲気が重くなるので大変です
(めったにそんなことはないんですが)。
また、チェコ語のAからZまでのアルファベットに、
取材テーマを当てはめるお手伝いをしてくださったのは、
チェコセンター所長のホリーさん。
多大なご協力をいただきました。

私は本業との二足のわらじで、体はきつかったのですが、
この本を作れることがうれしくてうれしくて。
本文は母と担当割りを決めて書き、
写真を切り貼りして旅日記を作り、地図も描きました。
締め切りがせまり、パニックに陥りそうになった私に、
限られた時間の中でも、
決して手を抜かない本作りを教えてくれたのは、
ベテランの父でした。


▲本書内の「プラハ7日間旅日記」のページ。

そんな楽しい悪戦苦闘の末、この本は出来上がりました。

出版後、ホリーさんからうれしい話を聞きました。
ホリーさんがチェコに里帰りしたとき、
本で紹介しているプラハのカフェに、
日本人の女の子がこの本を持って来ていた、と。
そしてこの本を見たチェコの人たちが、
「ふだん気がつかなかったけど、
 チェコって、けっこうかわいいじゃない!」
と喜んでくれたということも。

本を作りながら、またまた行きたい場所、
興味あることが増えてしまった私たち。
今年もまたふたりでチェコを訪れる予定です。

チェコA to Z ブログもご覧ください。


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『チェコA to Z』
著者:鈴木海花/中山珊瑚
価格:1,680円(税込)
発行:ブルース・インターアクションズ
ISBN-13:978-4860202019
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担当編集者さんへの激励や感想などは、
メールの題名に本のタイトルを入れて、
postman@1101.comに送ってください。

2007-03-20-TUE

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