担当編集者は知っている。


『着物女のソコヂカラ』
企画:吉田久美子
価格:2,415円(税込)
発行:ブルース・インターアクションズ
ISBN-13: 978-4860202132
【Amazon.co.jpはこちら】

「ほぼ日」でも以前、
「チェブラーシカを連れて。」
ご登場いただいた、
よしくみさんこと吉田久美子さんが、
「かっこいい着物姿」をテーマに
ご本と映画の特集を企画をされました。
粋な着物の着こなし方や立ちふるまいのお手本は、
日常に着物があった時代の銀幕のヒロインたちにあり!
本書『着物女のソコヂカラ』は
着物が好きな方はもちろん、
映画に興味がある方にもオススメです。
(「ほぼ日」渡辺)

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企画担当者
/チェブカフェ 吉田久美子

■着物で見ると、映画が変わる

ある日のことでした。
着物にハマっていた私は、
「着物を着て、古い日本映画を観に行く」
という憧れのシチュエーションを実現するために、
着物姿で六本木の映画館に向かいました。
映画は、もうすでに何回も観ている、
成瀬巳喜男監督の『流れる』という作品。
今から、50年も前に製作されたものです。


『流れる』
監督・成瀬巳喜男
主演・田中絹代、山田五十鈴
東宝 1956年


ところが観終えた後、思わず叫びました。
「Oh! No! 今までこの映画の何を観ていたんだろう?」
着物を自分で着られるようになってから観た『流れる』は
今まで観ていた『流れる』とは
まったく違っていたのです。
着物という視点から見た、
映画の中の女たちの、なんと粋なこと!
お茶を飲むときの手つき、帯を少し直す仕草、
襟を抜いたうなじの後れ毛をかきあげる後ろ姿、
女優たちの魅力が100倍になっただけでなく、
台詞のひとつひとつが、まったく違って聞こえ、
スクリーンの中の1シーン1シーンすべてから
目が離せなくなったのです。


『刺青』 
監督・増村保造 
主演・若尾文子 
角川ヘラルド映画 1966年



■とある大きな決意

成瀬監督の映画は深い、
いや、この時代の映画は深い、
というか、着物って深い‥‥。
ふらふらと六本木を後にした私は
ある決意を固めました。
日本映画の秀作を、着物のお手本として提案しよう、と。
日本の財産である、成瀬巳喜男や増村保造。
それらの監督作品を、
今の女子たちは意外に観ていません。
でもヨーロッパのアート系映画が好きなら、
ぜったいに、こういう映画の良さもわかるはず。
そこで映画の企画をすることにしました!
空前の着物ブームの今だからこそできる、
着物くくりの日本映画特集!
タイトルは『日本女子のソコヂカラ』。
渋谷の映画館ユーロスペースの支配人の北條さんは、
口をあけて私の説明を聞いていましたが、
横にいた、おしゃれ女子の岡崎さんは、
「イケそう‥‥」とつぶやいていました。




■半泣き状態で、先生の元に

映画の企画が通り、一緒に本も出すことになりました。
ただ、出版は私の専門外。
自費出版で『チェブラーシカ配給日記』を
出したことがあるだけのド素人です。
そこで、ご縁のあったブルース・インターアクションズの
朝枝さんに相談してみました。
とはいえ、そこからすぐに本が出せるほど、
世の中は甘くありません。
出版社を口説き、資料を集め、マーケティングを行い、
若尾文子さんの事務所に通いつめ
取材の可能性を探り‥‥。

冬が過ぎ、春が来て、夏になり、涼しくなってきた頃、
最終的に出された条件は、
「着物スタイリストの石田節子さんと豆千代さんが
 協力してくれるならやりましょう」というものでした。
返事がNoなら、これまでの努力がすべて無駄に?
気が遠くなりながら、今まで本でしか見たことがなかった
憧れの先生方のもとに、半泣き状態でうかがいました。
豆千代さんは当時を振りかえり、こうおっしゃいました。
「ただならぬ湯気のようなものが、
 吉田さんの全身から出ていて、
 気がついたら了解していました(笑)」




■今までにない、斬新な本を

こうして危機一髪のところで企画が通ったのは、
そろそろコートがいる季節でした。
この本の目標は、着物のお手本となるだけでなく、
着物への想像力をかき立てること。
だから、スタイリングもデザインも、
「わー、こんなの見たことないけど素敵!」
というような、
今までにない、斬新なものにしたいと思っていました。
それを実現してくれるアートディレクターとして
Bang! Designの坂哲二さんが、
モデルには、ダメもとでお願いしたKIKIさんが
引き受けて下さることになりました。
また、着物好きの映画ライター細谷美香さんをはじめ
夢のようなスタッフ陣が参加してくれることに。
思わずふんどしをしめ直したのは言うまでもありません。
予算が恐ろしく厳しい上に、ほとんどの方が初顔合わせ。
荒波の中での出航でした。
だから撮影初日、スタジオでKIKIさんがお竜さんの姿で
現れたときは、感動して涙が出てしまいました。


本書「きもの今鏡『緋牡丹博徒』」の章より。
仇討ちの旅に出るお竜さん。
その心意気と女っぷりに惚れ込み、
頼まれもしないのに台詞を暗誦する女子スタッフ続出。
styling by Mamechiyo



■着物と、女の生き方の手本です

この本を作るために、何度も映画を観て、
ああ、これは着物のお手本だけじゃないな、
と思いました。
着物が日常にあった時代の、銀幕の中の女たち。
そこには女の情、意気、粋、そして美しさがあります。
その心を、お手本にしてほしい。
おしゃれも仕事も恋愛も、
ひと通りがんばった日本女子に、
<女の生き方>の手本を、
半世紀前の日本女子にさぐってほしい。
私たちにも、その血が流れているのだから。
今こそ日本女子が、ソコヂカラを出すときです!

もしかしたらこの本は
誰もが「いい」という本ではないかもしれません。
でも、見てくれた人が身震いするような、
そんな本を目指してつくりました。
各ジャンルの第一線で活躍する方々と仕事をして、
ずっと開かなかった扉が開く瞬間の
鳥肌が立つような気持ちを味わいました。
この本には、
関わった人それぞれのソコヂカラも集まっています。
着物と、映画と、現代の作り手たちの
ソコヂカラがつまったこの1冊。
とくとご覧あれ!


本書「きもの今鏡『女系家族』」の章より。
愛人宅に乗り込む女姉妹の
豪華な訪問着のイメージでスタイリング。
作品ごとにがらりと変るKIKIさんに
毎回どよめきが起こりました。
styling by Setsuko Ishida



Photography : Kazuhiro Kitahara
hair&make up : Noboru Tomizawa / Jun Hayatsu


■ お知らせ ■

この本に関連した特集上映があります。

『日本女子のソコヂカラ〜映画にみる着物手本〜』

期間:2007年3月3日(土)〜16日(金)
時間:21:00〜
当日券:1,700円
劇場:ユーロスペース
東京都渋谷区円山町1-5
03-3461-0211
http://www.eurospace.co.jp/

着物をもっとも粋に着こなしていた時代の、
100点満点の女たちは、いつも銀幕にいました。
『緋牡丹博徒』『刺青』『夜の河』『細雪』『流れる』
『女系家族』『ツィゴイネルワイゼン』という、
最高の着物映画7本を、レイトショー上映します。
また3月3日(土)には、豆千代さんをゲストに迎えた、
ひな祭りトークショーも開催します。
くわしくは
『日本女子のソコヂカラ』公式サイト
をご参照ください。


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『着物女のソコヂカラ』
企画:吉田久美子
価格:2,415円(税込)
発行:ブルース・インターアクションズ
ISBN-13: 978-4860202132
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postman@1101.comに送ってください。

2007-02-27-TUE

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