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| 担当編集者は知っている。 |
フランスの小学校の哲学の授業で 先生と子どもたちが交わした対話を そのまま本にした「こども哲学」シリーズ。 生きるってなに? よいこととわるいことってなに? きみの考えは、きみのもの? ‥‥など、 答えがはっきりでないことがあっても、 人と答えが違っていても、 それでも自分で考えることっておもしろい、 と思える問いやきっかけがいっぱいのご本です。 大人が読んでも、はっとさせられます。 担当された朝日出版社の 大槻さんにお話をうかがいました。 (「ほぼ日」渡辺) ****************************************** 担当編集者 /朝日出版社第2編集部 大槻美和 「どうして生きてるんだろう?」 「どうして人に親切にしなきゃならないんだろう?」 「宇宙って、ほんとにあるのかな?」 「恋をするって、すてきなこと?」 こどもは毎日、ありとあらゆる質問をします。 親として、おとなとして、あるいは友だちとして、 あなたはどんなふうに答えていますか。 考えてみると、おとなだって、 なんで生きてるのか、 なんで親切にしなきゃならないのか、 それから宇宙の謎も、恋の秘密も、 わかっていないんじゃないでしょうか。 そんな素朴な疑問を親子で話し、 考えることができたなら きっとすごく楽しいし、 いろんな発見があるに違いない! 「こども哲学」シリーズは、 そのきっかけを作ってくれる本です。 ![]() * * * 本シリーズはフランスの小学校で開かれた哲学の授業で こどもと先生が交わした会話を まるごと絵本にしたものです。 今年の1月、第5巻の『知るって、なに?』と 第6巻『自分って、なに?』を刊行しました。 (全7巻です) 『よいこととわるいことって、なに?』とか 『きもちって、なに?』といった題名から、 本のなかに、その問いに対する答えが 書いてあるんじゃないかと思うかもしれません。 でも、ちがいます。 「こども哲学」シリーズの核心は、 「答え」を教える本じゃないところ。 そのかわり、こう言います。 「たったひとつの正解なんてない。 だから、ひとりひとりが自分の力で考えていこう。 そのためのヒントは、たくさんつまっているから」 * * * 「自分の力で考える」体験をさせるべく、 この絵本の構成は、ちょっと変わっています。 まず、「善悪」や「きもち」といったテーマにそって、 1冊の中に、6つの大きな質問があります。 たとえば新刊の 『自分って、なに?』には、 ・はやく、おとなになりたい? ・きみは、みんなとおんなじ? ・鏡で自分をみるの、すき? ・自分のこと、自分できめてる? などの問いがあります。 それぞれの質問に、こどもから、 「○○だから、こう思う!」という答えが 5つ、6つあげられます。 例えば、 「はやく、おとなになりたい? 」 に対して、あるこどもは、 「いや、だってどんどん年とって それで、しんじゃうんでしょ 」 ![]() と答えます。 その答えを「そうだね、でも」と受けとめて、 ![]() そこからさらに、3つか4つ、 思いもよらない問いが返されます。 「昨日より今日の自分がちょっと年とってるのは、 いやなこと?」 ![]() 「年をとるって、いろんなものを失うだけ?」 ![]() (この部分は、毎回コミカルなイラストが ついているのですが、 遊び心があって、すごく楽しいのです。 読者にも大人気) 章の終りには簡単な「まとめ」がありますが、 基本的に、この最後の問いには、答えが与えられません。 この先は、読者が、一緒に読んでいる相手と 話し合いながら、 考えを深めてゆけるようになっています。 そう、この本でこどもたちが学ぶことは、 「答え」よりも、もう一段深くて大切なこと、 “答えを考えるための道のりを、 思いっきり楽しむこと”なのです。 * * * このシリーズでとりあげられるテーマは、 驚くほど多岐にわたっています。 やきもちや、さみしさや、恋、 ひとりぼっちでいることや、 みんなといっしょに生きること、 それから、人間がいつか死ぬことや、 世界に不平等があることまで―― こどもたちが出会う、難題の幅に、 それから、そのシビアさに、びっくりします。 たとえば、 「こまっているひとがいたら、たすけてあげる?」 (『よいこととわるいことって、なに?』より) というテーマのイラストでは、 女の子がホームレスに出会います。 「人生って、なんでつらいんだろう?」 (『人生って、なに?』より)では 「戦争があるから。」 「ひとりぼっちだって思うから。」 なんて答えもあります。 相手がこどもだからって、あなどらない。 生きていくうえで出会う、いろんな問題にフタをしない。 ときには、考え同士がぶつかって、 矛盾が生まれることもあります。 「こども哲学」は、そんな食い違いを、 そのまんま表に出すのです。 (ふつうの本では、本の中身は一貫しているべし! で、 矛盾してることはあんまりないですよね。) でも、この世ってそもそも、 そういうものじゃないでしょうか? ことわざだって、並べてみれば矛盾している。 「急いては事をしそんじる」と「はやいが勝ち」 「カエルの子はカエル」と「氏より育ち」。 いったい、正解はどっちなんだ! と 問い詰めたくなります。 たぶん、両方とも大事なんです。 片方だけ知ってるより、両方知ってるほうが、 きっと強く生きていける。 どっちが正解なのかなぁ‥‥と考えてゆけるし、 時と場合によって、有効なほうを選ぶこともできる。 「こども哲学」は百家争鳴、 いろんな考えとの出会いの場なのです。 きっと、頭と心に、いろんなタネを蒔いてくれるはず。 * * * さらに、巻末には、日本版監修・重松清さんの 特別ふろく「おまけの話」が綴じてあります。 本編のテーマを日本の小・中学生を主人公に 語りなおしたサイド・ストーリーですが、 これが、胸にぐっと迫る、切実なものなんです。 自分のこどもの頃を思い出して、 ちょっと恥ずかしくなったり、 いまよりほんの少しやさしい気持ちになれたり、 前を向いて一歩踏み出そうという勇気をもらえたり。 いろんな気持ちが、自然とわきあがってくるんです。 どうぞ、「こども哲学」をお手に取ってみてください。 そして、あなたの大切なひとと、 話し合ってみてください。 『知るって、なに?』●「こども哲学」シリーズの第1巻〜4巻の くわしくは朝日出版社のホームページをご覧ください。 ●そのほかの既刊書へはこちらからどうぞ。 【Amazon.co.jp】 『よいことと わるいことって、なに? 』 『きもちって、なに?』 『人生って、なに?』 『いっしょにいきるって、なに?』 『知るって、なに?』 ******************************************
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2007-02-09-FRI
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