担当編集者は知っている。


『ベトナムめし楽食大図鑑』
著者:伊藤忍(ベトナム料理研究家)
   福井隆也(写真家)
ブックデザイン:Malpu Design
価格:1,785円(税込)
発行:情報センター出版局
ISBN:4795832536
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本場ベトナムの料理400品以上を
ベトナム料理研究家が徹底解説。
さらに、屋台、大衆食堂、高級レストラン‥‥
ベトナムの路地裏の隠れた名店から、
大衆食堂、人気の高級レストランまで、
約150軒のオススメのお店をコメントつきで紹介。
ベトナムを旅行される方や、
ベトナム料理がお好きな方は、
ぜひお手に取ってみてくださいね!
このご本を担当された情報センター出版局の
日吉さんにお話をうかがいました。
(「ほぼ日」渡辺)

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担当編集者
/情報センター出版局 日吉久代


海外で有名な和食といえば
“寿司・天ぷら・しゃぶしゃぶ”ですが、
実際に私たち日本人が毎日食べても飽きないのは、
肉じゃがなどの煮物や野菜のおひたし。
これと同じように
「間違っていないけど、
 ちょっと違和感ありの先入観」なのが、
ちまたに浸透している日本のベトナム料理観です。
現地では“フォー”は朝食や夜食にササッと食べる軽食。
“生春巻き”にいたっては、
学校帰りに買い食いをするような
手軽なおやつでもあるのです。
“いつものご飯”といえば、
甘じょっぱい味付けの魚の煮付けや、
具だくさんスープなどに主食の白いご飯。
実は、日本人の味覚にもぴったり合う料理だったのです。
そんな、「目からウロコ」の
本当のベトナム料理を日本にも広めたいと
タッグを組んだのが、
著者の伊藤さんと福井さんでした。

写真家の福井さんがベトナムに初めて訪れたのは13年前。
以来、十数回にわたり旅行者として訪れ、
ついにご家族で移住。今年3月に3年間の
移住生活を終えて帰国されました。
旅行者として在住者として変わりゆくベトナムを
撮り続けてきたからこそ、
福井さんの作品にはベトナムの空気、匂い、温度を
感じさせる魅力があります。



そして、ベトナム料理研究家の伊藤忍さん。
日本でフードコーディネータとして働きながら
休暇の度にベトナムへ通い続け、
ついには2000年から
2003年までの3年間、現地で暮らします。
レストランの厨房から一般家庭の台所にも入り込み、
ベトナム料理全般について研究を重ねていきました。
そして、偶然にも福井さんご一家と出会ったのです。
写真と料理。ジャンルは異なっても、
お互いのベトナムに対する並々ならぬ思い入れに意気投合。
地方に旨いものがあると聞けば、
ローカルバスやバイクタクシーを乗り継ぎ、
ライスペーパー工場や路上屋台の仕込み現場、
畑、漁港まで乗り込んで取材を重ねました。



私自身、5年前にベトナムへ行ったことがあるのですが、
お二人のお話を聞くほど、
「私は表面的な部分しか見ていなかったのかも」
と思わずにいられませんでした。
料理にまつわる生産者や料理人、
ベトナムの食文化と現地の暮らし。
このお話を1冊の本として世に出すことができたらと思い、
それが縁でベトナム各地の郷土料理/名物料理を取材した
前作『ベトナムめしの旅』
出版させていただくことになりました。
渾身の1冊ではありましたが、
まだまだお二人には伝えたいことが
溢れるようにありました。
前作がマニアックに追求した作品ならば、
次は初心者でもベトナム料理の虜になるような
「実践的で楽しいベトナム料理の案内書」を作ろう!
と、話が進んでいったのです。


▲ 主食は日本と同じ白いご飯。
 少し甘めな味付けのおかずはご飯と相性抜群


ここで簡単に本書『ベトナムめし楽食大図鑑』の
構成をご紹介いたします。

●おすすめ料理400品以上を
 [朝食・昼食・夕食]に分類して解説
●ホーチミン・ハノイの約150軒を
 食べ歩きマップ付きで紹介
●ベトナム料理の味の成り立ちや作法、
 現代ベトナム事情についてのコラム

著者お二人の強いこだわり、それは
“ベトナムの食文化やそこに暮らす人々の
暮らしに即した食案内”であること。
料理一品とっても、
[朝食・昼食・夕食]のどこに分類すべきか、
料理名にはベトナム語を併記するかなど、
議論はつきません。

現地取材に一度、同行させていただいたのですが、
その料理の多彩さと撮影量の多さにびっくり。
在住仲間の方や日本から駆けつけた方々の
胃袋をありがたくお借りしても
撮影(=食べる)には終わりがありません。
でも著者のお二人は怯みません。
特に伊藤さんは並外れた胃袋の持ち主でした。
私は、たった4日間の滞在でも最終日にダウン。
目の前には、野菜がたっぷり入った具沢山スープに、
魚の煮付け、ヌックマム風味の炒め物に白いご飯。
貴重な最後の1食です。
長イスに横なっている私を横目に、
「日吉さ〜ん、大丈夫? これ食べちゃうけど」と一言。
こだわりの強さはもとより、
胃袋さえも足下に及ばないのだと痛感しました。


▲牛の旨味たっぷりの半生牛肉のせフォー

取材中、印象深い経験をしました。
足もとには先客が捨てていったティッシュなどが散乱し、
以前のような観光旅行だったら
足を踏み入れないローカルなお店で
伊藤さんに教わりながらベトナム流の作法に従い、
フォーをすすってみました。
目の前を行き交うバイクや天秤屋台を見ていると、
次第にベトナムの空気に
馴染んでいくような感覚が芽生えたのです。
以前、福井さんが語っていた
「ベトめしは、あの雰囲気のなかで食べるから、
 よりいっそう旨い」という言葉の意味を、
料理と一緒にその国の空気も味わうという旅の醍醐味を、
私自身、初めて実感したのです。


▲ おじさんもベトナムOLも
 路上の簡易テーブルで休憩中


本書が刊行されてから約5ヵ月が経ちます。
夏休みに本書を持って、
食べ歩きに挑戦してくださった方から
「どのお店も本当においしかった」
「フセンを貼って、20軒も食べ歩いた」
「料理の豊富さに感動」など、
嬉しい反響をいただいております。
ぜひ一度、書店で手に取ってみてください。
ページを開くだけでベトナムの空気に包み込まれる、
そんな1冊に出来上がっています。

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『ベトナムめし楽食大図鑑』
著者:伊藤忍(ベトナム料理研究家)
   福井隆也(写真家)
ブックデザイン:Malpu Design
価格:1,785円(税込)
発行:情報センター出版局
ISBN:4795832536
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2006-12-05-TUE

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