担当編集者は知っている。


『昭和モダン建築巡礼 西日本編』
著者:磯達雄
価格:1,890円(税込)
発行:日経BP社
ISBN:482220488X
【Amazon.co.jpはこちら】

昭和モダン建築って何? と思われる方も
多いかと思います。
大事にされている建築物と言えば、
お寺とかお城? そして、明治時代の、
赤レンガや西洋建築もの‥‥。
保存運動が起こって移築されたりしているのに、
昭和モダン建築はどんどん古くなって壊されるばかり!

何でもとっておけばいいというものではありませんが、
せめて写真ででもきちんと保存しておかなければ、
建築の歴史そのものがプツンプツンと切れてしまいます。
そういった意味でも、この本は
大変意義のあるお仕事なんです!!

大真面目な推薦理由は上記の通りですが、
このような理由は抜きにしても、
建物というのは面白いものです。
建築家の思想が入り込み、
びっくりするような意匠だったり、
当時の工務店さんの技術力の全てが
注ぎ込まれたようなつくりだったり、
見ていて楽しいです。

建物の写真は全てカラーだし、
イラストもふんだんに入っていて、
見ごたえがあり、磯さんの的確な建築評、
そして、絶妙の譬えにもご注目!!
(ツルミ)


**************************************

担当編集者
/日経BP社 日経アーキテクチュア編集 宮沢洋


この本では、モダニズム(近代主義)建築の全盛であった
1940年代〜70年代に建設された29の建物の現況を、
イラストと写真、文章でリポートしています。
文章と写真は「ほぼ日」内のコラム
「ひとりでビルを建てる男。」でもお馴染みの
建築ライター、磯達雄さんが担当しています。
イラストは編集者である私、宮沢が描きました。
建築専門誌「日経アーキテクチュア」で連載中の
同名コラムの前半部分(沖縄県から滋賀県まで)を
まとめたものです。



なぜ、編集者なのにイラストが描けるのか、
という質問をよくされるのですが、
残念ながら皆さんが期待するような
面白い経歴はありません。
理由を挙げるとすれば、
子供のころ漫画家を目指していた
──クラスに必ず1人はいる漫画小僧だった、
ということくらいです。

この本のイラストは、前座です。
取っつきやすいイラストで場を温めたうえで、
真打ちである磯さんの文章を読んでもらいたい、
と考えました。

建築雑誌の編集者を十数年やっている私ですが、
もともとは文系で、建築のケの字も知りませんでした。
磯さんは、私が「日経アーキテクチュア」に
配属されたときの先輩で、
建築の見方は磯さんから学びました。
2000年に独立されて、
現在は建築ライターや建築書籍の編集者として
活躍されています。



身内びいきに思われるかもしれませんが、
現代建築の面白さを“普通の言葉”で語れるという点で、
磯さんの右に出る書き手はいないと思います。
建築家や建築評論家の書く文章というのは、
非建築系の人にはほとんど理解できない、
建築誌の編集者である私にすらよくわからない、
難解かつ自己チューなものが大半なのです。
それに対して、この本で磯さんが書いているリポートは
漫画のようにサクサクと読め、一般の人にも分かる
“建築の面白がり方”を教えてくれます。



この本に収録した記事はどれも、
従来にない見方を示した秀逸なリポートですが、
担当編集者として特に「これはやられた!」と思ったのは、
以下の3編でしょうか。
本を買う踏ん切りがつかない方は、
この3編だけでも書店でチラ見してください。

オススメその1
「都城市民会館」
宮崎県都城市/1966年/設計:菊竹清訓建築設計事務所



単行本の冒頭に収録。
「日経アーキテクチュア」の連載第1回として掲載され、
その後の連載の方向性を決定付けた傑作リポート。
菊竹清訓(きくたけきよのり)設計の名作建築を
ウルトラセブンに登場する「恐竜戦車」に例え、
その構造の特殊性を論ずる。
ウルトラセブン世代は絶対、この建築が好きになる!

オススメその2
「海のギャラリー」
高知県土佐清水市/1966年/林雅子



「貝」を展示する美術館ゆえに、
建築家を「2枚貝派─左右対称を好む」と
「巻き貝派─非対象を好む」に分類し、
この美術館を設計した林雅子を
「2枚貝派」の代表格と位置付ける。
夫の林昌二も「2枚貝派」で、
「林昌二は名前まで左右対称だ」という指摘には爆笑。

オススメその3
「小原流家元会館・豊雲記念館」
神戸市/1962年・70年/清家清



コーヒーのTVコマーシャル「違いのわかる男」として、
お茶の間にも知られた建築家、
清家清(せいけきよし)の代表作の1つ。
清家がダジャレ好きだったエピソードをもとに、
この建築が異分野の技術を建築に転用した
“建築的ダジャレ”だ、と評する。
建築専門誌では語られることのない、
お茶目な清家の人柄を中核に据えて
論を展開したことに拍手。

最後に、出版記念イベントのお知らせを‥‥。

出版記念イベント
対談:磯達雄×宮沢洋
「昭和モダン建築の楽しみ方」(仮題)

2007年2月10日19:00〜
会場:ジュンク堂池袋本店4階喫茶
入場料:1000円(ドリンク付き)
問い合わせ:電話03-5956-6111
http://www.junkudo.co.jp/event2.html


**************************************


『昭和モダン建築巡礼 西日本編』
著者:磯達雄
価格:1,890円(税込)
発行:日経BP社
ISBN:482220488X
【Amazon.co.jpはこちら】

担当編集者さんへの激励や感想などは、
メールの題名に本のタイトルを入れて、
postman@1101.comに送ってください。

2006-11-17-FRI

BACK
戻る