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| 担当編集者は知っている。 |
「吉祥寺の本」だから『きちぼん』。 とはいえ、人気ショップや人気スポットの ガイドブックではありません。 「もっとたのしく暮らしたい!」と考えた 吉祥寺に住む編集者やカメラマン、デザイナーなど、 クリエーターの有志が集い、 自主的にプロジェクトを組んだのが始まり。 同じ街に住む人たちのふだんの生活を 取材してできた本です。 「暮らし」という視点で街を見つめ直すことで、 自分の暮らしや街との関わりも変わったとか。 このご本の編集長の藁科さんにお話をうかがいました。 (「ほぼ日」渡辺) ****************************************** 担当編集者 /フリー編集者 藁科裕里 ちょうど2年前。 吉祥寺に引っ越してきました。 知り合いのいない新しい街って、 期待もあるけど、どこか不安ですよね。 ひとり、家で仕事をしていて寂しくなると、 街のカフェをはしごしながら、 原稿を書いたり校正をしたり企画を練ったり。 陽が暮れると、本屋さんとCDショップに寄って、 雑貨屋さんを覗いて、夕飯の買い物をして。 そんな当たり前の日々を、重ねていました。 カフェのウィンドウから眺める、吉祥寺の風景。 学生やカップル、おしゃれな夫婦、元気な子どもたち、 ゆったり買い物をするおじいちゃんおばあちゃん。 どんな世代の人も、それぞれが暮らしを、街を、 楽しんでいるように見えました。 井の頭公園には自然がたくさんあって、 デパートもあれば、昔ながらの商店街も元気で、 飲食やファッション、雑貨系も、個人店舗が多い。 そういえば新参者の私でさえ、 毎日の気分によって、散歩のコースを選んだり、 お店の組み合わせを変えて、楽しんでいました。 飽きないから、都心に出る機会もすっかり減って。 なんて懐の深い街なんだろう、と驚きました。 そしてその風景の中心には、 いつも、「暮らす人」がいました。 全国の街や商店街が、 同じ風景に変わっていくのは、 たぶん、人、が中心にいないから。 ─街は、暮らす人が楽しく元気でいられるところ。 そんな当たり前すぎる、このことを、 吉祥寺という街と人を通して伝えたい。 そんな想いでスタートしたのが、『きちぼん』でした。 デザイナーやライター、編集者、カメラマン‥‥ 不思議と新しい街の友人、有志の仲間が次々増え、 すでに街の人へのインタビューを重ねていた 吉祥寺webマガジンとコミュニティカフェKISSCAFEの 協力を得て、本づくりが始まりました。 暮らしをテーマにしたので、取材は「人」が中心。 ただ、ご登場いただく方々の人選と構成は、 最後の最後まで、編集部の中で揺れ動きました。 ジャンルは、大きく分けて3タイプ。 ・吉祥寺をフィールドとした、お店の方 ・吉祥寺で暮らし働く、クリエーターなどの方 ・吉祥寺で暮らす、一般の方。 吉祥寺には、お店だって星の数ほどあるし、 作家や漫画家、ミュージシャンなど著名な方々が、 実はたくさん住んでいらっしゃるのです。 しかし半年ほど、さんざん悩んだあげく、 今回は、あえて「暮らし」にテーマを絞り、 それを前面に出すことに、決めました。 むしろ一般のご家族、子どもたちの取材を巻頭に。 人物の背景には、吉祥寺のさまざまな生活風景が 見えてくるように、撮影を行いました。 この本だからできること、を優先したのです。 実はけっこう勇気のいる決断でしたが、 方針が決まってしまうと、これまた不思議なことに、 魅力的な人との出会いが次々と起こってくるもの。 スタッフが見つけた築70年の洋館アパートメントは、 アポなしにも関わらず、快く大家さんが招き入れて 下さり、昭和の吉祥寺についての貴重なお話を お聞きすることができました。 ![]() 井の頭公園では、 ギターの練習をしていた女子中学生2人組、 ボートのデートを楽しんでいた大学生カップル、 ストリート・ミュージシャンのみなさんなど、 誰もが、とっても気軽にお話をしてくれました。 ![]() 日本を代表するインテリアデザイナー、 長岡貞夫さん。写真はご自宅。 なんと「コロッケ学会会長」でもいらっしゃる。 発刊イベントでは、KISSCAFEで出張コロッケづくりに 励んでくださいました。 ![]() 吉祥寺のイラストレーターといえば、キン・シオタニさん。 地元の書店、BOOKSルーエのオリジナルカバーの イラストを手がけていらっしゃいます。 ![]() ![]() 武蔵野中央公園は、井の頭公園に次いで、 吉祥寺人の憩いの場。 写真は、「ほぼ日」の「カワイイもの好きな人々。」に 登場されたこともある デザイナー・9brandの瀬戸ご夫婦&娘さん。 太極拳を楽しんでいらっしゃるとか。 そのほか。 占星術研究家の鏡リュウジさん、歌人の枡野浩一さん、 エッセイストの山本ふみこさん、 漫画家・作家・ミュージシャンの久住昌之さんなども 登場されています。 自分が暮らす街って、 「住まいの延長」、だと思うのです。 そして吉祥寺の人たちは、子どもから高齢者まで、 じょうずに街を使っているようです。 住宅には空間の限界があるけれど、 街なら、どこまで広がっても多様でもだいじょうぶ。 大風呂敷で、いきましょう。 まずは、自分と街との関わり方を、 振り返ってみてはいかがでしょうか? 暮らしの楽しみ、もっと増えると思います! ******************************************
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2006-10-17-TUE
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