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| 担当編集者は知っている。 |
青山ブックスセンター、南洋堂、ナディッフなど、 首都圏にある個性的な13店の書店の店員さんに 永江朗さんがインタビュー。 各書店員さんたちが語る本揃えのポリシーや、 思い入れのある本と売れる本のバランスの取り方、 ヒットを生み出す陳列方法の工夫の仕方など、 本や書店が好きな方には、たまらないお話が満載。 各書店員さんが選んだジャンル別の344冊に及ぶ オススメ書籍リストも掲載されているので、 本選びのガイドブックとしても役立ちます。 このご本を担当された六耀社の 久保さんにお話をうかがいました。 (「ほぼ日」渡辺) ******************************** 担当編集者 /六耀社編集部 久保万紀恵 みなさんにはなじみの本屋さんはありますか? 家や学校、職場の近くの本屋さんに行くことが 多いと思いますが、 ちょっと離れていても通ってしまったり、 近所にいくつもあるのに覗く本屋はきまってくるものです。 それは、雰囲気や品揃え、本の並べ方など、 本屋によってそれぞれ個性があるからです。 日本では1日に200〜300冊もの本が出版されている と言われています。 それだけ膨大な数の新刊書の中から、 本屋という限られたスペースに置けるだけの本を選び、 自由に並べるわけですから、 違いが出てくるのは当然のことではあります。 でも、その違いをお店の個性として輝かせるのは、 書店次第であり、そこが本屋さんの腕の見せ所なのです。 この『ブックショップはワンダーランド』では、 とくに個性が光る実力派の本屋さんに、 その手腕を探るべく、さまざまなお話を伺っています。 著者の永江朗さんは、書評や書店ルポルタージュを 数多く手がけるライターさん。 全国津々浦々、大小問わず さまざまな書店を取材されている、 いわば「本屋の目利き」のような方です。 魅力ある書店をたくさん知っているだけに、 絞り込むのは大変だったと思うのですが、 ひとつの書店を深く掘り下げ、 なおかつバラエティ豊かなお話を盛り込めるように、 規模もジャンルも幅広く 13の書店を選んでいただきました。 今回の取材では、書店や出版業界向けの本ではなく、 一般の方もブックガイドとして活用できる本にするために、 各書店の定番書を紹介していただいています。 例えば、クレヨンハウスには定番の絵本、 ナディッフには現代アートの本、 青山ブックセンターには海外文学、 ときわ書房にはミステリーといった具合です。 本のセレクトには、お店の個性も凝縮されているので、 定番書を眺めるだけでも、 それぞれのカラーが見事に出ています。 もちろん、本屋さんのお話は定番書に留まりません。 専門書店や特定ジャンルの担当者からは 各ジャンルの動向が、 歴史ある書店の場合、その成り立ちの背景にある 社会の動きが語られることもありました。 例えば、現代アートやデザインというジャンルに 流れがあることはわかりやすいのですが、 ミステリーにも流れがあるんです。 ミステリー専門書店→ミステリー評論家→ときわ書房の店長 という遍歴の持ち主の茶木則雄さんは、 「20年前に比べて、 ミステリーはあまりにも拡散してしまった」 と指摘しています。 東京堂書店なら、日本における出版文化の 成り立ちが語られ、 教文館ならキリスト教が日本に伝来してきた 歴史などが語られ、 読み物としても興味深い内容だと思います。 本屋さんとしてのスタンスも多種多様です。 旅の専門書店であるBOOK246では、 書店立ち上げのプロセスや新たなセレクト書店の有り様を、 紀伊國屋書店では、総合書店が他店との 差別化を図るための試みについて話していただきました。 同じ本を扱うにも書店や担当者により さまざまな工夫がなされ、本屋に限らず、 仕事というのは関わり方次第で、 いくらでもおもしろくできるものだ と改めて感じたりもしました。 商売ですから、本を売ることも大事ですが、 「いい本だから読んで! 読んで!」という気持ちも、 ひしひしと伝わってきました。 デザインブックスの小俣恭子さんの 「本は読まれてナンボ」 という言葉が印象的です。 多くの人に読んでほしい本を いかにして手に取ってもらうか? 本を探すのはあくまでお客さんであって、 対面販売ではないのだから、 直接おすすめすることは難しいわけです。 それを本の並べ方やポップで見せるのは、 実に高度な販売方法だと思います。 本とお客さんのニーズをわかっていないと、 なかなかできないことですよね。 東京堂書店の佐野衛さんは「うちのお客さんは〜」と、 青山ブックセンターの柳瀬利恵子さんは「〜はうちらしい」 という言い方をよくされていました。 リンドバーグの藤井継さんは「リンドバーグの使命感」 という言葉で締めくくっています。 本屋さんそれぞれに仕事に対する誇りがあるんです。 聞いていて実に気持ちがいいし、 本を作る側としてもとても嬉しく思いました。 こんな風に本を愛し、 大切に読者に届けようと思ってくれているのだと思うと、 ムダなものは作れないなと 改めて気が引き締まる思いでした。 永江さんもかつては書店員でしたし、 取材を重ねているだけに、 本屋さんの姿勢をよくわかっているので、 文章は淡々と書かれていますが、その筆致はとても熱く、 定番書について語る対談では 同士のように盛り上がっています。 本好きの読者にとっては、 会話に加わっているような気分に浸れますし、 読んだことのない本の話でも、 夢中で語る彼らの会話は十分おもしろく、 読みたい本が次々に出てくると思います。 だから、この本は、これからもっと本を読みたい人や、 どんな本を読んだらいいのかわからない という人にもおすすめです。 最後に、表紙のことを少し。 この本の装画は(挿絵も)、 絵描きでアニメーションも手がけている、 松本力さんに作成していただきました。 永江さんとデザイナーの高橋力さんと相談しながら、 「ワクワクするような架空の本屋さん」 をイメージしてお願いしたのですが、 想像をはるかに上回るユニークなものに 仕上げていただきました! 永江さん+不思議なキャラクターが満載で、 棚に並んでいる本の背表紙には タイトルまで書き込まれていますので、 よくよく見てみてください。 さらにカバーを外して、ぜひ裏返してみてください。 オマケつきですよ。 ********************************
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2006-07-11-TUE
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