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| 担当編集者は知っている。 |
女性誌『VOCE(ヴォーチェ)』の大人気連載 「1000人net調査」が単行本になりました。 72,000件の恥ずかしい投稿から生まれた 強烈なご本です。 笑える! ‥‥だけど「自分もやってるかも!」と、 ドキッとしてしまう赤裸々な告白が満載。 リアルなのにシュールで独創的なイラストは、 テレビや雑誌で活躍するイラストレーター 五月女ケイ子(そおとめけいこ)さん。 このご本を担当された講談社の山口さんに お話をうかがいました。 (「ほぼ日」渡辺) ******************************** 担当編集者 /講談社 VOCE編集部 山口志門 『見ないでっ!』は ビューティ誌『VOCE(ヴォーチェ)』の 人気連載から厳選、再構成したものです。 スタートは2000年3月号、 タイトルは「1000人net調査」。 『VOCE』の創刊が1998年5月号だから、 本誌でも何番目かの長寿連載になりました(続行中)。 当初はデータ重視の“白書”っぽいものをイメージ。 連載らしい決め事もあまりなくて、 「必ず1,000人からコメントをとる!」ことくらい。 現在に比べるとずっとおとなしく、生真面目なつくりで、 やっぱり女性誌なんで、美容やファッションをやる、 星座や有名人ランキングをやる──とまあ、普通でした。 読者の評判も悪くなかったのですが、 なんかこう、燃えるものがなかったんですねえ──。 ![]() ▲ごく少数の書店には巨大なポップがありますよ。 転機は連載5回目、2000年7月号。 テーマ「女の悩み」の中に、こんな投稿がありました。 「私は嫌なことがあると、 畳のへりのゴミをほじったり、 すみっこでうずくまったりします。」 なぜか、やられたんです。びびーんと。 この投稿者はなかなか面白い言い回しをする人で、 ライターとして雇おうかと思ったほど。ここにきて、 「こういう妙な雰囲気のを集めれば楽しいじゃん!」 と盛り上がってきたわけです。 これ以降、ひたすら「面白いこと」を目指します。 打ち合わせのポイントもひとつに絞られていて、 いかにして、アンケート回答者にくだらないエピソードや レアな体験を思い出させるか? そればかり考えるようになりました。 ![]() ▲『VOCE』2006年8月号「変愛白書」は ちょっと自信作です。 手法として有効だったのは、初めに選択肢を作ること。 2006年8月号「変愛白書」では「珍しい出会い」を 聞いていますが、こんな回答が並んでいます。 ◎電車の車掌と 11人 ◎友達の父と 4人 ◎葬式で知り合った坊主と 2人 ◎マンションの工事の人と 2人 ◎ビルの窓掃除の人と 2人 恐るべし。出会いはどこにでもあるのね(ハート)、 なんて済ませてしまえばそれまでだが、 これらは皆、編集部で選択肢を作っているのです。 貴重な体験を思い出してもらうために! さらに続けると、こうなる。 ◎NHKの集金の人と 1人 ◎銀行入口の誘導係のおじさんと 1人 ◎校長先生と 1人 「1人」が出ると嬉しいのである。 某TV番組でゲストが当てるやつと同じように。 レアケースを予測して、回答者の記憶に問いかける。 「こんなのありませんかぁ?」(普通はないよなぁ) →「おおっ、1人いた!」──これに燃えるのである。 女性が1,000人も集まると、本当に色々あるのだなぁ、と、 毎号毎号改めて感心しております。 もうひとつ同じ号から 「経験したことのある変なデート」編。 ◎いつも食べ放題 35人 ◎病院デート 32人 ◎デート中は目を合わせない 7人 ◎ずっと暗闇ですごす 5人 ◎待ち合わせはいつも謎解きで 5人 わけわかりませんねえ。 でも、こっちで考えている以上に 該当者がいるからやめられないんですよねえ。 さらに、「彼に本気でもらった変なプレゼント」。 ◎ワキの臭い消し 5人 ◎カブトムシ 3人 ◎つけ乳首 2人 ◎鼻付きめがね 2人 ◎牛 1人 牛は欲しがったからくれたのか? どこから買ったのか? ワキは臭かったのか、そりゃあそうだろうねえ。 不憫だねえ。 なんて言いながら、 ライターと回答を読むのは至福のとき。 「いるじゃん、やっぱり」 (←“牛”の選択肢を作った人間) 「いたねえ、つけ乳首も」というわけで、 大変楽しいのである。 ちなみに「変愛白書」は、 「見ないでっ!」には入っていません。 良い出来なので、これは、 ただいま発売中の『VOCE』本誌のほうでぜひぜひ。 ![]() ▲「うっかり」には八兵衛です。評判の良かった絵。 さて、1冊にまとめるにあたって苦労したのは、 77回以上もやってきたものから、どれを選ぶか、でした。 いずれ劣らぬ大切な娘たち! 当初は3部作!などと大きな話から始まって、 「愛」と「変」の2冊案、 辞書のように超分厚い1冊案‥‥と、 縮小傾向に推移して、この形におさまったのでした。 ライターと僕とで泣きながら厳選した13本はこちら。 蔵にそっと安置したのは64本 (現在もどんどん増えている)。 だから、売れたら第2弾を作りたいです。 色々あって、選ばれた娘たちはこちらです(目次より)。 [01]焦る(-_-;) [02]毛・ミゼラブル [03]どすこい、お見合い。 [04]まかりならん!「御法度」 [05]「もう……ウソつき。」 [06]ヲタ・ガール博覧会 [07]こんな英語に誰がした。 [08]究極の結婚式 [09]「見ないでっ!」 [10]うっかり。 [11]ありえなーい通勤 [12]ああ、なんというペット。 [13]世界まるだし非常識 [コラム]発掘! 小ネタの現場から。 ![]() ▲タイトルが特に気に入っている「毛・ミゼラブル」。 ![]() ▲お見合いは、真の経験者から聞いた濃密な世界。 ![]() ▲世界の珍事件を集めたコラムも。 これは「うっかり事件簿」。 今や超売れまくりの五月女ケイ子画伯。 彼女のイラストをメインに据えたのは 2003年4月号からです。 「見ないでっ!」の表紙は、絵をどう活かすのがベストかで 悩みましたが、欲張ってたくさん見せる方向を選び、 中に登場する奇妙な人々を カタログ的に描いてもらいました。 ◎ウソをつくと七三に分ける女 ◎マイケル女子高生 ◎「便所」とタトゥを入れたイギリス人 ◎牛で通学する女子高生 ◎チャッカマンで鼻毛を燃やす女 ◎耳からキノコが生えた女 ◎台風を予知する女 などです。 「冷蔵庫の猫」なんてのもまじっています。 また、本誌の連載はすべてモノクロページなのですが、 画伯パワーを表紙以外にも注入したいと思い、 カラー描きおろしを追加しました (こんな英語に誰がした)。 ![]() ▲外国人には日本語は難しいので、 楽しいことが起こります。 ![]() ▲一つ上の「便所」キャラ(ジミー)が活躍する傑作漫画。 ![]() ▲外国に行くと、ボディランゲージの才能が見つかる、 という話。 その英語編には、無邪気な日本語シリーズがあります。 ◎「キムタク・タクサンイマス」と 堂々と書くバリ島のクラブ。 ◎「ラメおにぎり」はグアム島の梅おにぎり。 ◎「フナック」は、台湾のたぶんスナック。 ◎「じぬんをぐろぐろ」は、中国製花火の注意書き。 地面をぐるぐる、ですな。 それと、「小ネタの現場から」は、 担当お気に入りでもあります。 少しだけ蔵から救ってきて、 「太った瞬間、痩せた瞬間」や 「正しい風邪の作り方」、 「方言かるた」など収録しました。 ![]() ▲捨てられそうになった娘への愛情がこめられています。 最後に、セールストークを少し。 本書は、毎月毎月女性読者1,000人の告白・投稿ネタから 秀逸なものを拾い続けて、足かけ7年。 話を大げさにするならば、 720,000件からの傑作選でもある。 雑誌自体はヴィジュアル系美容誌にもかかわらず、 このばかばかしい企画は安定した支持を受けてきました。 化粧品会社のPR担当にも隠れファンが多いと聞きます。 女性たちの白書的なデータもかなり収容しておりますので、 生態研究にも役立ちます、マーケティングとか──たぶん。 TVでも毎月のように取り上げられていますし(本当)。 そして、「トイレに置いてある本 第1位!」を 目指しています。 ぜひ置いてください、会社の、自宅の、学校の、 トイレに1冊。 便利で楽しいですよ、たぶん。 僕も家のトイレに置いてみました。 最後の最後に、某書店様。 “自分を見直す本”のコーナーに置くのはやめてください。 『見ないでっ!』でセルフプロデュースしたら、 確実に変な人間ができますから。ヤバイですから。 見てみたいですけど。 ********************************
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2006-07-04-TUE
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