![]() |
| 担当編集者は知っている。 |
ほぼにちわ、「ほぼ日」の渡辺です。 先日、書店で『おかえりピアニカ』 というマンガを見つけました。 新人マンガ家さんだ‥‥と読んでみると、 子供から大人になっていく 少年少女たちのなにげない日常や、 いまどきの家族のあり方を あたたかく、ちょっとせつなく描いた、 じーんとする短編集でした。 いじめやひきこもり、リストラなど、 重たいテーマも扱っているのに、 読後感が明るく、元気になるところが、 いままでのマンガにない感じで面白いなあ! と思って、著者を調べてみたら、 衿沢世衣子さんという方の初の単行本でした。 世に出たばかりの新人さんで、 まだ、知名度は高くないのですが、 この先がとっても楽しみで、 注目していると面白いことになりそうなので、 ぜひ、みなさんにご紹介したいなあ と思ったのでした。 ![]() ▲『サッカリン』より (短篇集「おかえりピアニカ」所収。 以下同です) 本書に収められている 代表作の「鳥瞰少女」は、 『コミック・キュー』の 「もしも、ドラえもんの ひみつの道具があったら?」特集で 描き下ろしされた作品です。 ![]() ▲「鳥瞰少女」より。 ある時を境に、 空を飛べなくなってしまう子供たち。 衿沢さんが選んだ道具はタケコプター。 大人になるとタケコプターで空を飛べなくなる‥‥ まだ飛べる友達、もう飛べなくなった友達、 放課後に遊ぶ友達関係も少しずつ変わり、 なんとなくせつない気持ちになっている 小学生の女の子が主人公の作品。 ちょっとずつ飛べなくなっていく女の子の 大人になることへの違和感や、 友達と離れてしまうさみしさなど、 揺れ動く心が見事に描かれています。 また、よしもとよしともさんが 原作を提供した短編 「ファミリー・アフェア」は、 父のリストラをきっかけに一家離散する とある家族を描いた作品です。 ![]() ▲「ファミリー・アフェア」より。 衿沢さんの絵を気に入ったよしもとさんから、 依頼があって、衿沢さんはびっくりされたそうです。 この作品でも主人公は小学生の女の子。 リストラされ、主夫になった父、 働きに出て浮気しそうになっている母、 ひきこもりの兄、遊び人の姉、 そしてわたし‥‥。 ヘビーな話のオンパレードなのに、 暗くも重くもならないところが 衿沢さんの作品の特長です。 ひとりひとりが、真っ正面から、 「家族」と「自分」を見つめなおし、 自分なりのベストを考え行動し、 新しい一歩を踏み出していく‥‥ せつなくて、哀しくて、もどかしくて、 でも、最後には楽しい気持ちになれる いままでのマンガではあまり見なかった ふしぎな読後感の作品です。 どうしてこういうマンガ家さんが生まれたのか、 この短編集はどうやって世に出たのか、 この本ができあがるまでの道のりを、 著者の衿沢さんと、 『コミック・キュー』の編集長であり、 「失踪日記」の編集も担当された堅田さんの お話もお伺いしましたので、ご一読ください。 (「ほぼ日」渡辺) ************************************ 著者/衿沢世衣子 担当編集者 /イースト・プレス編集部 堅田浩二
************************************
|
担当編集者さんへの激励や感想などは、
メールの題名に本のタイトルを入れて、
postman@1101.comに送ってください。
2006-04-25-TUE
![]() 戻る |