担当編集者は知っている。



『いわいさんちへようこそ!』
著者:岩井俊雄
価格:1,575円(税込)
発行:紀伊國屋書店
ISBN:4314010002
【Amazon.co.jpはこちら】

岩井俊雄さんは国内外の美術展で
活躍するメディアアーティスト。
テレビ番組の『ウゴウゴルーガ』や、
ジブリ三鷹の森美術館の映像装置、
ニンテンドーDSの『エレクトロプランクトン』
なども手がけられた岩井さんは、
子供の頃、「もうおもちゃは買いません」
と言われ、工作道具を渡されたことがきっかけで、
ものづくりに目覚めたそうです。
そんな岩井さんのおうちのおもちゃとは?
親子で作り楽しむ新しい遊びがいっぱいの
このご本を担当された藤さんに
お話をおうかがいしました。

(「ほぼ日」渡辺)


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担当編集者
/紀伊國屋書店出版 寛之


岩井さんはひとを巻き込む

この本で紹介されている、手作りおもちゃや
新しい遊びのことを岩井さんから聞いたとき、
僕はまさか自分が担当して本になるなんて
夢にも思っていなかったのですが、
「これは真似できる!」と思って、
じぶんの2歳の娘に試してみたものがあったんです。
「トイレできたシール」というもので、
無地のシールに絵を描いて、
折り紙の三角くじにして箱に入れておき、
うまくトイレができたら、1枚ひいて壁の台紙に貼る。
これが効果テキメン。
娘はトイレを嫌がらなくなったし、
親もテンションがあがります。


僕が真似させてもらった
「トイレできたシール」


すっかり岩井さんを信用した僕は、
会うたびにその熱い語りに巻き込まれ、
ついには本を出すことに‥‥。
読者の反響を見てみても、
みな巻き込まれまくっています
(「リベットくん、作ってみました」とか)。
雑誌などの取材に立ち会うことも多いのですが、
編集者もライターもカメラマンも
たちまち巻き込まれるのを目撃したのは、
一度や二度ではありません。
たぶん岩井さんは、他の作品でも
関係者をこうやって巻き込んでいるのだと思います。
まず誰よりも岩井さん自身が面白がっているから、
いやでも伝わっちゃうわけですね。
僕は「岩井さんって、どういうひと?」って訊かれたら、
「ひとを巻き込むひと」って答えます。


リベットくん
これだけで巻き込まれます



岩井さんは手がかからない

本を出すのはいいが、膨大な量の写真を
どうレイアウトしようか。
これまでビジュアル本に縁のなかった僕は正直、
途方に暮れていました。
打ち合わせの席で、
「どうしましょうねえ」なんて話していると、
ややにやつきながら岩井さんが、
ごそごそとバッグから紙袋を取り出すではありませんか。
ジャーン! それはなんと写真とテキストを
すべて本のページどおりにレイアウトした
プリントアウトだったのです
(しかも本の形にきちんと折ってある)。
「ほ、ほんがもうできている‥‥」。
心底驚いている僕に、満足げな岩井さん。
こんな著者、見たことありません。
後日、岩井さんは、ブックデザインの内田雅之さんにも
同じようにドッキリを敢行。
内田さんは驚きつつも、
最終的にもう1ランク上の仕上がりに
もっていってくれたのでした。プロです。


岩井さんはやさしい

こんなふうに偉そうに岩井さんを語っている僕ですが、
白状すると、自他ともに認めるアート音痴です。
岩井さんにはじめてお会いしたときには
ほとんど作品を知らず、
他のメディアアートもわからない。
いまでも岩井さんの話が見えないときがあり、
とんちんかんな受け答えをしたり、
わかったふりをしちゃったりしています。
世界の岩井俊雄を前に、まったく失礼なものです。
ご本人に訊いたわけではありませんが、
岩井さんはそんなことすっかりお見通しで、
内心では「そんなことも知らないのか!」と
思っているはずなのに、おくびにも出しません。
心が広いです。


ロカちゃんの笑顔がすべてを物語っています


岩井さんは負けず嫌い

そんな岩井さんと本を作るにあたって、
じぶんに何ができるのか。
せめて文章の執筆のお手伝いを、と送られてくる原稿は
丁寧に拝読しました。注文もつけました。
しかし、岩井さんは文章家としても、
タダモノではありません。
注文どおりどころか、
それ以上の手直しをしてくるのです。意地でも。
そう、本書の魅力のひとつは岩井さんの文章。
ビジュアル面のきれいさ、たのしさ、かわいさを
満喫してからでいいので、
岩井さんのエッセイをじっくり味わってください。
最後まで読んでいただいたとき、
本書の見え方自体がガラリと変わるはずです。


きれい、たのしい、かわいい


岩井さんは眠らない

本書を作る過程をつうじてずっと、
そして、展覧会の準備をしたり、
本書から生まれた新しい絵本を作っているいまでも
疑問に思っているのは、
「岩井さんは寝ているのだろうか?」ということです。
これ以外にももちろん膨大な仕事をかかえているのに、
期日までにちゃんと間に合わせるし、
愛娘ロカちゃんとコラボレートした「新作」も
次々生まれているのです。
その驚異的なバイタリティに脱帽、そして、感謝。

以上、僕の知っている岩井さんでした。


お知らせ

本書の展覧会が開かれます!
岩井俊雄&ロカちゃん展
『いわいさんちへようこそ!』

期間:4月15日(土)〜29日(土) 無休
時間:11:00am〜8:00pm
(最終日のみ11:00am〜6:00pm)
入場無料
会場:LAPNET SHIP
東京都渋谷区神宮前1-9-11-1F
03-5411-3330
http://www.lapnet.jp

本書で紹介されているものや、
紹介できなかった、たからものの数々を実物展示。
本の拡大版とも言うべき展覧会です。


こんなウェルカムボードで迎えられちゃいます


本書から「遊べる絵本」が生まれます。
『どっちがへん?』紀伊國屋書店より刊行予定。
上記展覧会で先行発売します。


どっちがへん?


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『いわいさんちへようこそ!』
著者:岩井俊雄
価格:1,575円(税込)
発行:紀伊國屋書店
ISBN:4314010002
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担当編集者さんへの激励や感想などは、
メールの題名に本のタイトルを入れて、
postman@1101.comに送ってください。

2006-03-28-TUE

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