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| 担当編集者は知っている。 |
『海馬 ー 脳は疲れない』のイラスト・装丁や 『大人たばこ養成講座』や『ウンココロ』などで おなじみのアートディレクター寄藤文平さん。 「わかったふりをしていますが、 正直なところ、 僕は死が、さっぱりわからない。」という 疑問から、この本は生まれたそうです。 最初、本のタイトルに驚いたのですが、 死について素直に、まじめに向き合って、 世界各国の民族の死生観やお葬式など、 ポップなイラストで、 わかりやすく絵解きしてくれています。 このご本の担当をされた藤沢さんに お話をおうかがいしました。 (「ほぼ日」渡辺) ******* *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** 担当編集者 /大和書房編集部 藤沢陽子 寄藤さんとの仕事は、ある本の装丁依頼から始まりました。 本も無事完成し、これで万事OKという段階で気が緩み、 仕事とは全く関係のない方向に‥‥。 寄藤さんはなぜか「死」に興味を持っていました。 「偉人だからといって、 必ずしも死がかっこいいわけじゃない」 「怒りで死ねる憤死というものがある」 「犬死にってよく考えたらすごい言葉だ」 「霊柩車にはクラウンが多い」等々、 戸惑いながらも、死ネタで盛り上がること数10分。 そこからどんどん話が派生し、 誰もが一度は考えたことがあるはずの疑問、 「そもそも死って、なんなんだろう」に行き着きました。 そして、その疑問を解消すべく、 「死ってなに?」というものをイラストで表現するという、 『死にカタログ』企画がスタートしたのです。 死を楽しもうとは思わないけれど、 死を真剣に考えることは 決して深刻な顔をすることではないはず。 眉間にしわを寄せるのではなく、 普通の顔をして読める「死の本」をつくりたい。 寄藤さんの考え方のベースには、 ぶれることなく、これがずっとありました。 それでは、この本の核となる イラストの一部をご紹介したいと思います。 たとえば「生」から「死」への変化が一目でわかる 「死のカタチ」の章。 人は死んだら何になるか? という概念をザーッと閲覧できる、 まさに「死のカタログ」です。 ちなみに寄藤さんは、 パプアニューギニアの死がお気に入りだとか。 死んだら近所の島に行くという考え方です。 ![]() ▲「死んだら近所の島に行く」 また、多くの読者の支持を集めている 「死のものがたり」の章も圧巻です。 古今東西、フィクション・ノンフィクション問わず、 「いろんな人がどう生きてどう死んだか」 が描かれています。 かなり緻密で虫眼鏡が必要かもしれませんが、 何度見ても新しい発見があるイラストです。 ![]() ▲「マリー・アントワネットの死のものがたり」 ここでは寄藤さんのセレクトにも注目してみてください。 国内外の偉人、歴史上の人物はもちろんですが、 映画「犬神家の一族」、漫画「北斗の拳」、 アニメ「フランダースの犬」、童話「ごんぎつね」、 ドラマ「私は貝になりたい」‥‥。 そしてなんと、ご自身の御祖父さままで登場します。 普通の顔をして読める「死の本」。 完成してみると、 なんだかスムーズにできたように思えるかもしれません。 が、しかし。 さまざまな文献や膨大なデータから、 「死」をイラストで表現するのは、 本当に本当に、容易ではなかったと思います。 もともと曖昧で、かつカタチのないものですから、 なおさらです。 ああでもないこうでもないと何度も方向転換し、 もと来た場所に戻ったり、また行ったり。 編集者としては、 「すごくいいものなのになぜ!?」 と叫びそうになるほどお蔵入りになってしまった もったいないイラストが、実はかなりたくさんあります。 寄藤さん自身が死をわかりたいからこそ、 本当にいいイラストにするには、 どうすればいいのか。 かなり真剣に悩んでいたようです。 その葛藤の結晶が、この本です。 寄藤さんの描く「死」は、 あなたの思う「死」とは違うかもしれないけれど、 この本をきっかけに、 「死」について、なにか考えていただけたら、 それだけでも、この本が「生」きた価値があります。 閑話休題。 私事で恐縮ですが、 実はこの『死にカタログ』編集期間中、 私は一人ではありませんでした‥‥。 って、意味がわかりませんよね。 要は妊娠していたのです。 まさに「死」を思いつつも 「生」と向き合っていたのでした。 『死にカタログ』編集段階の佳境が臨月。 『死にカタログ』誕生と時期を同じくして出産。 なんか運命的なものを勝手に感じています。 ******* *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***
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2006-03-07-TUE
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