担当編集者は知っている。



『ワッハワッハハイのぼうけん』
著者:谷川 俊太郎 、絵:和田 誠
価格:1,575 円(税込)
発行:新風舎
ISBN:4797477423
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谷川俊太郎さんと和田誠さんコンビの
伝説の絵本が34年ぶりに復刊しました!
言葉遊びいっぱいの大人も楽しめる
この絵本がよみがえった背景には、
すてきなエピソードが隠れていました。
担当された新風舎の社長松崎義行さんに
お話をおうかがいしました。
(「ほぼ日」渡辺)

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担当編集者
/新風舎 松崎義行


『ワッハワッハハイのぼうけん』との出会い

『ワッハワッハハイのぼうけん』とは
8歳のときに図書館で初めて出会ったんだけど、
どうしても手に入れたくて、
親に頼んで買ってもらったんですよね。
僕が初めて買った本なんですよ。
母が墨で中表紙に「義行購読第一号」と書いてくれました。
僕にとって記念すべき本なんです。
この本がなんで好きかというと、読んでいて、
本の世界に引きずり込まれるというよりも、
本の世界が自分の世界を侵食してくるっていうか、
入ってこられてしまう気がしたから。
本のたたずまいとしては、
メチャクチャ暴れん坊といいますか。
8歳のその頃も、権威だとかしっかりしたものよりも
暴れん坊のいたずら好きで、
そういう本と出会ったことが初めてだったので、
メチャクチャ興奮して、
自分の中で相当盛り上がってたんですよ。

実はこのときに、この本を手書きで書き写して、
友達に配ったんです。
1冊書き写して友達に読み聞かせたりしているうちに、
ほしいっていう人がいたり、回し読みが始まって、
すごく人気が出たので、
さらに書き写してホッチキスでとじて、
結局5冊くらい作りました。
つまり8歳の頃の話ですが、
自分が最初に作った本でもあるんですね。
しかも、作者の名前のところには、
自分の名前を書いて配っちゃったりして‥‥
盗作だったんです。


廃刊だった本が復刻されたわけは‥‥

新風舎から出すことになったのは、
運命というか偶然というか、
谷川さんに僕の詩集の帯をお願いしまして、
そのお礼の会のときに、
子どものときの話が急にしたくなったんですよね。
子どものやったこととはいえ、
盗作したことをあやまりたかったんです。
「僕、『ワッハワッハハイのぼうけん』が、
 一番自分にとって最初の本なんです」という話をして、
どれだけ好きだったか話して、
盗作したけど許してくださいとお詫びしたら、
「そんなの全然かまわないよ。作者としては嬉しいよ」
みたいなことをおっしゃってくれて‥‥。
そのとき、ふと
「この本は今、手に入らないんですけど、
 うちから出版させてもらえますか」って、
自然の流れで言ったら、
「いいよ」ってあっさりOKしてくれて。
谷川さんは
「僕にとってもすごく自分の好きな本だから、
 そうやってその本を好きな人に出してもらうのは
 大歓迎です」
そうおっしゃってくれたんです。

それから、もう急ピッチ!
翌日すぐに講談社の許可をとり、
うちの川口という者が東京中、本を探し回って
立川だったかな、ようやくある図書館で見つけて、
その場で全部書き写して台割を作ってきちゃったんですよ。
川口は谷川さんファンで、いつも谷川さんの本を
人にプレゼントしていたくらいだったので、
だったらふたりで担当しようってことで。
講談社の許可をとった翌日には、
谷川さんの家に原本をいただきに行って、
その翌日には和田さんにお願いに行きました。
和田さんは、
「この本のカバー、タイトル書体が
 気に入らないんで描き直しますよ」
と描き直してくれました。

実はこの本の原版は、講談社にも聞いたんですけど、
どこにもなくて。
ですからこの本の印刷の原版になったのは、
谷川さんの本です。
谷川さんの書斎にあった本なんですよ。
で、一部分は和田さんの本なんです。
谷川さんの本は一部がちょっと汚れてて、
和田さんのほうがきれいだったから。
和田さんは
「絶対自分の持ってる一冊をバラさないでくれ」
と言われて、
谷川さんは
「新しいのできるんだからバラしてもいいよ」
と言われて、
谷川さんの本はバラバラになっちゃったんです。
何かそう、すごく暗示的なんですけど(笑)。




新風舎25周年の広告で和田さんと

『ワッハワッハハイのぼうけん』を世に出せたことは、
もう、すごいことだから、
これを機会に、うちの会社で初めて、
新聞で15段全面広告を入れようと決めました。
ちょうど新風舎の25周年の年でした。
『ワッハワッハハイのぼうけん』で全面広告をやらずして、
ほかにどんな企画があろうかって思って。
ありがたいことに、そのときに、
和田さんが「ぜひ広告も自分が作りたい」って、
おっしゃってくださいまして。

いざ、広告を作るとなったとき、
僕は子どもの頃からのすごい思いがあるから、
もう紙面で伝えたいことがいっぱいあって。
でも和田さんはそれをどんどんどんどんカットして、
ほとんど裸、僕から見ると裸になっちゃって、
「え、こんなに少ない情報でいいの?」
みたいになっちゃって。
でも、どうしても僕はいっぱい情報を入れたいから、
「もっと情報を入れてください」と言ったら、
すごく和田さんに叱られましてね。
「その気持ちは分かるけど、
 それはこの本の世界とは違うから、こうしてくれ」
って言われて、
そう言われた瞬間にハッと目が覚めて、
客観性のない思い込みっていうんですかね、
やっぱりそれではダメなんだっていうことに気づいて、
和田さんすごいなと思いました。

この『ワッハワッハハイのぼうけん』新聞広告を
「新聞と一緒に捨てられない」と
大切にとっている方もいらっしゃるくらい、
いい広告になりました。




『ワッハワッハハイのぼうけん』の
人形も作りました。


この人形は最初、
谷川さんにも和田さんにも内緒で作りました。
自分が欲しかったんです。
作った後で、谷川さんに「これいりますか」って見せたら、
「そりゃほしいよ。すごいかわいい」って言ってくれて、
よかったと思って、「じゃ、ほしいならあげます」って。
それで、川口に和田さんにも聞いてきなさいといったら、
和田さんも「ほしいよ」って言ってくれました。
すごくかわいがってくれて、
事務所に飾ってくれているんです。
周りでもほしいという人が多かった上に、
谷川さんがTOPISUKA INCをつくろうって言い出して、
ついに3人で商品化してしまいました。

▲ワッハ ワッハハイのぼうけんぬいぐるみ
著者:TOPISUKA INC
価格: 2,940円(税込み・1体価格)
さらに詳しい情報やご購入はこちら


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『ワッハワッハハイのぼうけん』
著者:谷川 俊太郎 、絵:和田 誠
価格:1,575 円(税込)
発行:新風舎
ISBN:4797477423
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2006-01-17-TUE

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