担当編集者は知っている。



『マンガは今どうなっておるのか?』
著者:夏目房之介
価格:1,300円(税込)
発行:メディアセレクト
ISBN:4861470099
【Amazon.co.jpはこちら】

『のだめカンタービレ』『NARUTO』
『鋼の錬金術師』『テニスの王子様』
『PLUTO』など、
今、大人気のマンガの秘密を読み解く
夏目房之介さんのエッセイ集が出ました!
夏目さん持ち前の鋭い洞察力と
幅広い知識、深い深い考察でもって、
大人のマンガの読み方を教えてくれます。
マンガ好きの方はもちろん、
最近、マンガを読んでないなあという方も、
いまどきのマンガの良質な手引き書として
ぜひ、ご一読ください!
(「ほぼ日」渡辺)

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担当編集者
/アンブラッセ 斎藤宣彦


原稿を受け取った時・・・・、
困ったことになりました。
その話はのちほどするとして、
先に本の内容のご紹介を。

糸井重里さんにオビのコピーをいただきました、
夏目流の“年齢の重ね方”を披露するエッセイ集
『おじさん入門』(イースト・プレス)に続きまして、
夏目房之介さんの待望の新刊マンガエッセイ集、
『マンガは今どうなっておるのか?』
が発売されました。

マンガの編集者って、どんな仕事をしているのか?
マンガって本当のところ儲かるのか?
マンガ家の遺族問題って?
今、面白いマンガとは?・・・・

『のだめカンタービレ』『NARUTO』『鋼の錬金術師』
『大漁!まちこ船』『PLUTO』など、
“夏目の目”がとらえた
「今」のマンガを紹介しつつ、
マンガの面白さやうまさって
そもそもどこから来るのか、
といった原理的な部分までも考察します。
年齢なりのマンガへの視角、
語る人と語られた内容の成熟、
読みの多義性の問題、
マンガ家を取り巻く状況、マンガを支える産業構造、
「萌え」「ダメ!」「作者・読者共同体」などにも
論は及び、いわば
『BSマンガ夜話』()を一人で再現!?
するかのごとく、八面六臂の活躍&
多角的紙上展開で、「マンガの現在」を探ります。
※『BSマンガ夜話』はマンガ1作品をじっくり語る
 NHK−BSのマンガトーク番組。


著者の夏目さんはもちろん、
編集者としても自信作です。ぜひ、ご一読ください!

・・・・と、今は出来た本を目の前にしているので
こんな紹介も出来るのですが、
完成までの道は平坦ではありませんでした。

もともとは、夏目さんが連載している
コミックパークのマンガコラム(2002年〜連載中)を、
単純に章分けしてまとめるつもりでした。
紹介されているマンガは面白いし、
昨年出版の2冊のマンガ評論の
執筆の経緯もわかる。
話題も多方面にわたっている。極端にいえば
「夏目房之介のマンガと、仕事と、生活と」
が記された連載だから、
「夏目のマンガ的生活○月○日〜×月×日」
といった日記的に読める章を設けて
読者に楽しんでもらおう、とまずは考えたのです。

しかし何度か打ち合わせを重ねるうち、
「今のマンガ・マンガの今」に焦点をギュッと
絞ることに決まり(むろん異論はありません)、
日記構成の章はなくなり、
全体が五章構成となることが確定しました。
書名は、著者サイドの問題意識そのものの
『マンガは今どうなっておるのか?』とし、
刊行スケジュールも決定しました。

あとは、連載を取捨選択し並べ替えた五章分を、
一章ずつ、コラム各項のつながりを気にしつつ
加筆してゆくだけ・・・・のはずでしたが、
そう簡単にはゆかない事態となります。

夏目さんから第一章ぶんの原稿を受け取った時、
それは徹底的に加筆され、
もとの1.5倍の分量に増えておりました
(いや、受け取るまで何もしていなかったわけでは
 ありませんが・・・・)。
当初予定の1.5倍の厚さの本を
出すわけにいかない・・・・。
もはや連載分を素材にして
「書き下ろした」に近いから、
校正も一からやり直さなくてはいけない・・・・。
残り四章分のスケジュールも心配だ・・・・。

しかし、原稿は大幅加筆により、
明らかに充実しているのです。

困りました。
ですがここは、にこやかに
「この調子でお願いします!」

で、実際に、最終章までその充実度合いで、
夏目さんは全・休日を返上して
加筆作業を続けました。
(目の周りにクマができていました・・・・)

話は少し変わりますが、
「書き下ろし」の本となると、
そして素材も構成もすでに決まっているともなると、
編集者はあまり著者に関与することができません。
私が何をしたかというと、
「ご自身のベストのものを仕上げてください」
と、祈るように応援したくらいです
(実作業として図版位置や文章量を調整したり、
注釈を書いたり、販売計画を進めたりはします)。

実は同じような“祈り方”を、
イラストとデザインのお二人に対しても
していたようです。
カバーイラストレーションを描き下ろしていただいた
よしながふみさん
(『愛がなくても喰ってゆけます。』『大奥』)と
デザインをお願いしたボラーレ
(『クレヨンしんちゃん』『毎日かあさん』)の
関さんに。

「内容に一番ふさわしいと思える
ベストのイラスト、デザインをお願いします!」
・・・・という言い方ではなかったと思いますが、
依頼をし、お二人にいただいたものは
本当に素晴らしいものでした。
内容・装画・デザインが衝突しないように、
「巴」の字を描くように
三者の力が渦巻き、
マンガエッセイ集としては異色の雰囲気をもった、
でも楽しく面白い本になっていると思います。

「編集者の役割は、こういう力の流れや熱量を
 うまく方向づけることなのだろうなあ」
などと再確認しました。

昨今は、残念ながら「本のもつ熱量」が、
いろいろな段階を経て読者の手に届くまでに
“下がってしまう”ことが多いようです。
本来は、
人の手を経るたびに熱量が“上がってゆく”ように
手渡したりキャッチボールできたらよいのですが・・・・。

ですから、このページで初めて本書を知った方との
出会いを大事にして、こうお伝えします。
大幅加筆により密度が増した
『マンガは今どうなっておるのか?』は、
内容からすると非常に射程の長い本ですが、
できれば早めに、ホットなうちに、
著者の熱量の大きさを受け取ってください・・・・。

それでは、ネット書店や新刊書店でお会いしましょう。
自信作です。

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『マンガは今どうなっておるのか?』
著者:夏目房之介
価格:1,300円(税込)
発行:メディアセレクト
ISBN:4861470099
【Amazon.co.jpはこちら】

担当編集者さんへの激励や感想などは、
メールの題名に本のタイトルを入れて、
postman@1101.comに送ってください。

2005-11-29-TUE

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