担当編集者は知っている。


『もしイヌに風船をつないだら…?
 ――好奇心大満足!!
   科学が答える75の疑問』

著者:マーシャル・ブレイン
   ハウ・スタッフ・ワークス
価格:1,575円(税込)
発行:化学同人
ISBN:4759810404
【Amazon.co.jp】はこちら

物事の仕組みを科学的に解明する
アメリカで大人気のウェブサイト
『ハウ・スタッフ・ワークス』(HowStuffWorks)
が本になりました!
もしブレーキが利かなくなったらどうなる?
もしブラックホールの近くにいたらどうなる?
もし氷穴釣りで氷の中に落ちてしまったらどうなる?
など、75の疑問に答え、
解決方法などを教えてくれます。
科学的な専門性の高い内容でありながら、
ユーモアを交えたわかりやすい話のおかげで、
ワクワクしながら、一気に読みました。
理系がニガテな私でも、
科学のセンスをちょっとアップできたかも!

このご本を担当された化学同人の津留さんに
お話をおうかがいしました。
(「ほぼ日」渡辺)

************************************

担当編集者
/化学同人 編集部 津留貴彰


ちょっと想像してみてください。
あなたの飼っているイヌ、近所で飼われているイヌに
大量の風船がくくりつけられている、そんな光景を。
おそらく、実際にはだれもそんなことをやってみよう
なんて思わないはず。でもやってみたらどうなる?

あるいは、パラシュートなしで飛行機から落ちている自分、
無重力の地球に住んでいる人類、
エラをもった愛おしい彼女、
極地の氷冠が解けている様子、はたまた水の中を車で走る、
うっかり電気のコンセントに指を突っ込む、
日食を直接見る、
ジェットコースターの安全ベルトが宙返りの直前で壊れる、
ヘリウムガスを小さな部屋に放つ、雷に打たれる‥‥‥‥。

どんななのかな。想像はできそうだけど、実際のところは?

本書の原題は
“What If…?
 : Intriguing Answers for the Insatiably Curious”
です。
“What If…?”は
「もし‥‥だったらどうなる?」という意味。
これを見ただけでも、なんだか好奇心がそそられません?
その「‥‥」って何?
さらに副題は直訳すると
「貪欲な好奇心への興味をそそられる答え」
とでもなるでしょうか。
むむむ、これはもう、手にとってみるしかない。
早く答えを教えてくれ。

本書の著者は
マーシャル・ブレイン(Marshall Brain)さんと
ハウ・スタッフ・ワークス(How Stuff Works、
 以下HSWと略します)。
このHSWは、1998年にブレインさんによって
設立されたWebサイトです。
このサイトは、さまざまな物事を、その仕組み、
つまり基礎の基礎の部分から解きほぐしている、
たいへんユニークなサイトなんです。
ぜんぜん小難しくない、
しかしとても「科学的」なサイトだといえるでしょう。
身の回りで起こるごくありふれた現象、
いつも使っている機械のあれやこれや。
使っているときは特段意識もしないモノや、
よく知っていると思っていても
きちんと説明できないモノのことを仕組みから
教えてくれるので、
こっそり知識を仕入れて
誰かに教えたくなる話題が満載です。
そのテイストは本書でも充分堪能できると思います。

HSWでは、扱う物事をいくつかのカテゴリーに分けており、
そのカテゴリーはじつに多岐に亘っています。Computer、
Electronics、Home、Money、Travel、Auto、Science、
Health、Entertainment、Peopleといった具合。
だからといって無節操じゃない。
「科学的」という筋が一本通っていますから。
ちなみにScienceの最新内容(10月17日現在)は
「ルミノールの仕組み」(刑事ものでおなじみの
「ルミノール反応」のルミノールですね)。

実際ご覧になった方ならわかると思いますが、
こういうセンスはそうそう出てくるものではなさそうです。
市民の欲求が高いためなのか、
科学リテラシーの高さ故なのか。
HSWは、アメリカでもどうやら有数のWebサイトらしく、
賞の類もかなりの数もらっています。
このようなサイトを立ち上げるくらいですから、
ブレインさんもテクノロジー関連では
かなり有名な方のようです。
とは書いたものの、私、そもそもHSWのことも、
ブレインさんのことも知らなかったのです。
前々から目をつけていたこのサイトの関連本を、
虎視眈々と狙っていたといいたいところなのですが‥‥。

原著との出会いは、出版社のカタログに載っていた
ジャックラッセルテリアの表情を見たのがきっかけでした。
なんとも形容のしようのない表情で
こちらを見ている一匹のジャックラッセルテリア。
しかもなぜだか風船がついている。
これはもう、取り寄せるしかないんじゃないか。
こいつオレに何かを訴えている。そう思ったんですね。
それに、帯に使った写真。ちょっと小首をかしげて
「どうなるの?」と考えているかのような表情!
この2つのジャックラッセルテリアの写真は、
本書の内容を最もよくあらわしている
といえるかもしれません。
カバーの写真はWeb上でも出てくるでしょうから、
帯に使った写真をここに載せてもらいましょう。


いい表情しています。

で、肝心の内容です。
冒頭に書いたような突飛な疑問、空想、奇想、
はたまた妄想などが、
きわめてマジメで現実的な答えによって解説されています。
そのやり方はHSW流の手法、
つまり、仕組みから解きほぐすというもの。
この突飛さとマジメさの落差が、
本書の面白さのひとつではないかと、こう思うわけです。
なかには、いかにもアメリカ的で、
日本では絶対に考えないし、
そんな事態に陥ることなんてない疑問もあります。
しかし、そこは訳者の伊藤伸子さんが
「あとがき」でキャンディのバラエティーパックを
例にひきながら書かれたように、
アメリカ産キャンディゆえの味付けの妙として
楽しんでください。

いずれにせよ、日常のさまざまな現象、
技術のことなんかを、単純に解説するのではなく、
What If?という疑問を立ててその答えとして
解説したところに、何にもまして本書の特徴があるのです。
そして読者は、知らず知らずのうちに
科学の入り口に立っているともいえます。
そう、面白かった、あるいは興味深かった答えの内容を、
さらに突っ込んで調べることができるんですから。
一読後、自然と「もし‥‥だったら」と
口をついたらもうけもの。
ちなみに、本書編集後、私の口癖は
「もし‥‥だったら」になりました。

ところで、風船をくくりつけられたイヌの運命やいかに。
まず風船。これはヘリウム入りの風船で、
ヘリウムの浮揚力は1リットル当たり
‥‥おっと、いけないいけない。
教えたいのはやまやまですが、本書で探してください。

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『もしイヌに風船をつないだら…?
 ――好奇心大満足!!
   科学が答える75の疑問』

著者:マーシャル・ブレイン
   ハウ・スタッフ・ワークス
価格:1,575円(税込)
発行:化学同人
ISBN:4759810404
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担当編集者さんへの激励や感想などは、
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2005-10-18-TUE

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