担当編集者は知っている。


『前田建設ファンタジー営業部』
著者:前田建設建設工業株式会社
価格:1,300円(税込)
発行:幻冬舎
ISBN:4344007069
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あたりまえですが、
小さいものと大きいものを作るのでは、
最初から考えることが違います。
また、「できたらいいな」という夢を
実現するには、経験と、知識だけでなく、
想像力やアイデアが求められます。
わたしがこの本を読んで感じたのは、
「今までにないものを作るのはおもしろい!」
ということです。
本書の冒頭にある『ワクワクすることを発信したい』
という言葉のとおり、この本は、
“マジンガーZの格納庫”は実現できるかどうか?
という問いに対する答えだけではなく、
夢を実現するワクワク感を与えてくれます!
      (「ほぼ日」さいとうりか)

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担当編集者/幻冬舎 穂原俊二

飛行機で東京に帰ってくる時、
東京湾の真ん中に通る
アクアライン(海ほたる)が見えます。
広い真っ青な海面を一筋の道路が
夢の情景のように続いていて、
やがて見えてくるレインボーブリッジや、
ニューヨークと比べてまったく遜色のない
高層ビル群を眺める度に、
「ああ、東京もとうとう未来都市になったんだ」、
「大阪万博の年、1970年に放送されていた
 NHKこども人形劇シリーズ『空中都市008』みたいだ。
 もう今は未来なんだな」
という感慨に、深く深くとらわれます。


▲20世紀最大級のビッグプロジェクト、
 東京湾アクアライン(海ほたる)。


その海ほたるを作ったゼネコンの一つが、
この本の著者、前田建設工業の方々です。
スタッフは、私と同じように
あの頃感じた未来への夢を胸に秘め、
「オレたちは新しい『プロジェクトX』を
 やっているんだ」と、
海ほたる建設に携わりました。
そして、難しい工事も最新の技術と工夫と努力で
大成功を収めます。
(その様子は本書の58頁に紹介されています)
とはいうものの、この海ほたるが、
開通してから大赤字なのは報道されている通りです。
それはまるで、ずっと輝かしい未来へ向いていた
歴史の矢印が、すでにUターンしはじめた
ということなのかもしれません。
もしかしたら、
もうこんな未来都市建設を思わせるような
大プロジェクトは、ないのかも?
という思いがふと頭をよぎります。

しかし!
前田建設ファンタジー営業部の面々は、
そんな思いをけちらすように、
「昔、アニメで描かれていた科学だって
 今はもう空想じゃないんだよ、
 やってやろうじゃないの!」と、
本気で「マジンガーZ地下格納庫一式工事」に
取り組みました。


▲後ろ左から、野本さん、上田さん、岩坂さん。
 前左から、野中さん、伊藤さん。


ボランティア・ベースで集まったメンバーは5人。
社内の様々な分野のプロフェッショナルを訪ねて、
「マジンガーZ格納庫の施工検討について
 聞きたいのですが…」と、
あちらこちら聞いてまわります。
はじめはポカンとしていた社内の人たちも、
次第に熱い技術者魂を発揮して、
多くの専門的かつ面白いアドバイスを提供してきます。
そのうちに社内では足らないと、
外部の他の会社にも発想を求め、
精緻に計画が組まれています。

こうして、
「前田建設ファンタジー営業部」という
WEBがスタートしました。



webは月1回のペースで更新され、
語りは実際のメンバーの会話でオタク話も交えて、
楽しく語られていきます。
内容は真剣そのもの。
地盤の分析から材料や構造の検討など、
読み進めるうちに建築の現場に触れる楽しさが、
いきいきと伝わってきます。
もちろん中には、
「こんなことをやる技術は、はじめてではないか」
という提案も出てきて、
もしかしたら「ものつくり日本」の最先端の現場かも、
という感慨も湧いてきます。
現場の仕事は楽しい、
そんな気持ちもぐいぐいと伝わってきます。

そうして、試行錯誤のシミュレートの結果、
「マジンガーZ地下格納庫は出来る!
 予算は72億。
 工期6年5カ月(ただし機械獣の襲撃期間を除く)で、
 発注があれば引き受けます!!」と、
ドーンと胸を叩いています。
その展開の鮮やかさには、
この「担当編集者は知っている」でも
著書が紹介されている
山形浩生さん(こちらこちら)が、
「傑作。すばらしい。土木技術も進歩したもんです」
アマゾンのカスタマーレビュー)と
評しているほどです。

私がWEBを見て、
最初に前田建設ファンタジー営業部の皆さんに
連絡を取った時には、
すでに「マジンガーZ地下格納庫一式工事」の
すべての見積もりを終えて、
もう「銀河鉄道999の橋桁建設」に着手していました。
現在ではそれも無事終了し、
次のプロジェクトに取りかかろうとしています。

書籍にまとめるにあたっては、
建築技術の話をさらにわかりやすく基礎的なものから
起こして、まったくの初心者でも
やさしく読める内容として書いて頂いています。
もちろんWeb上で掲載されている話以外のエピソードも
付加されています。

本書を読みながら、
さらなる未来都市に思いをはせてみるのも、
とても楽しいです。
読後、また飛行機からの情景を思い浮かべて下さい。
羽田から西へ海ほたるを眺めて飛び立ち、
やがて美しき富士山が見えてくると、その麓には、
きっとマジンガーZ地下格納庫が
幻視されるに違いありません。


デザイン・川名潤(Pri Graphics)/写真・田村昌裕
/レタッチ&CG・MACH 55 GO!


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担当編集者さんへの激励や感想などは、
メールの題名に本のタイトルを入れて、
postman@1101.comに送ってください。

2005-01-25-TUE

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