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![]() 「おうどうもん(1)」 せきやてつじ著 出版社:竹書房 価格:\562 担当編集者/竹書房『近代麻雀ゴールド』編集部 細谷憲司 皆さんは、 「これだけは誰にも負けない、負けたくない」 「自分からこれを奪われたら何も残らない」 という何かを持っていますか? この物語の主人公・ケンタにとってのそれは、 まさしく「麻雀」なのです。 カッコ良いドラマがあるのは、 何も野球やサッカーといった メジャーなスポーツばかりではありません。 どんなに小さく、人が見向きもしないような世界にも、 そこで必死に闘い、情熱を注ぐ人間には、 読む人の胸を打つドラマがあります。 この『おうどうもん』は、 そんな魅力的なキャラクターたちによって 成り立っています。 せきやさんとの出会いは、2年前の夏。 当時、社内で新雑誌誌立ち上げの動きがあり、 その創刊スタッフの一人として参加していた私は、 以前から、熱いキャラクターと スピード感溢れる画面に注目していた せきやさんに声を掛けさせて頂き、 マンガを描いて頂いたのが始まりでした。 ところが、無念にもその雑誌は2号で休刊。 折角描いて頂いたのに申し訳ないやら、情けないやらで、 とにかくやり切れない。 何としてでも、もう一度描いて欲しい。 そこで、 「ウチの雑誌で、麻雀モノを」 と改めてせきやさんにお願いし、 再び一緒に仕事をさせて頂けたのでした。 せきやさんの出身は、北九州市・小倉。 打ち合わせでの、 「故郷への愛と憎悪をぶつけるんだッ!!」 という言葉で、舞台は即小倉に決定。 そして、作品について、 すでに明確なイメージを持っていた せきやさんのプロットから、勝負を通じ、 様々な人間と向き合いながら主人公が成長していくこと、 そして主人公による父親越え、 という物語の骨格が決まりました。 「連載開始は1ヶ月後! しかも巻頭カラーで40P!!」 企画が通って喜ぶ間もなく、せきやさんと小倉へ。 「久々の遠方取材、しかも初めての九州! 夜はやっぱり呑んで遊ぶでしょ」 と、内心やや浮かれていた私。 が、せきや取材はそんなに甘くはありませんでした。 「ハイこっち! ハイ次あっち!!」 繁華な商店街から煤けた路地裏まで、 久々の帰郷にも拘わらず、せきやさんは、 小倉の街を歩いて歩いて歩きまくり、 デジカメでバシバシ写真を撮りまくる。 夜になろうとお構いなし。 ヘロヘロになって後を追いながら、 私はせきやさんのこの情熱を何度恨んだことか…。 翌日は、車で八幡にある せきやさんの母校へ行ったりと、小倉から 少し足を延ばしてのロケハンとなったのですが、 実はせきやさん、結構方向音痴。 何十回とUターンをさせられながら、 「もしかしてこのグルグル感が、 せきやマンガのスピード感の元なのか?」 などと思ったりしました。 小倉での取材中は、 せきやさんの実家にお世話になったのですが、 ここでも時間があれば、すかさず打ち合わせ。 寝る時と風呂・トイレ以外は、常にマンガの話。 いや、決して大袈裟に言っているのではありません。 “取材”というより“合宿 ”のような3泊4日でした。 こうして、嵐のような「取材合宿」から生まれた 『おうどうもん』は、連載開始から大反響。 大変嬉しいことに、読者の方々のみならず、 他のマンガ家さん方からも 高く評価して頂くことが出来ました。 その嬉しい声を刺激に、 今もさらにさらに加速し続けています。 今の自分を取り巻く環境を憂いてる人、 現状を打破出来ずに焦れている人、 そんな人たちに是非読んで頂ければと思います。 きっと「カッコ悪くても、生きてやろう」と 前を向かせてくれるはずです。 「俺は、アタマでなく カラダで(マンガを)描いてんだ!」 『おうどうもん』には、 そんな「せきや魂」がギューッと詰まっています。 いや、マンガから“吹き出している”と 言った方がいいかもしれません。 マンガ家・せきやてつじと主人公・ケンタの情熱が、 一人でも多くの読者に届いてくれたら嬉しいです。 麻雀を知らなくとも、楽しく読んで頂けるマンガです。 是非手にとって読んでみて下さい! |
2003-03-05-WED
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