担当編集者は知っている。




「ヅラが彼女にバレたとき」
藤田サトシ著
出版社:文芸社
本体:895円
ISBN4-8355-3207-4


担当編集者/文芸社 岡田ゆうき

藤田さんから持ち込まれた、このタイトル
そして原稿を初めて目にしたとき、
私の頭は「!」やら「?」やらで
一杯になってしまいました。
それまで、カツラにまつわるいろいろなお話は、
友人の友人とか、遠い親戚のなんとかさん経由で
聞いたことはあったものの、
今回はご本人自らが語っているんですから、
そんな意味でとっても新鮮でした。
と同時に、ワクワクしている自分もいました。

私たちは現在隔月で、「HEARTS!」という
ドキュメントシリーズを発刊しています。
このシリーズは、特別な人生を送っている人ではない、
でもピリッとスパイスのきいた生き方をしている人に
スポットを当てております。
ということで、藤田さんの「ヅラが彼女にバレたとき」は
まさに、このシリーズにぴったりで、
ほどなくして出版することが決まりました。

こんな時代だからこそ、フフッと笑える作品にしよう。
これが編集コンセプトでした。

そして、昨年のある暑い夏の午後、
私は藤田さんに初めてお会いしました。
そのとき、
藤田さんはカツラをつけていらっしゃいました。
お話をしているうちに、
カツラのすき間からポトリポトリ、
しまいにはボタボタと汗が……。
「このカツラね、汗はじいちゃって
こんな風に、滝みたいに流れちゃうんですよ、ハハッ」
藤田さんは汗を拭き拭きこう説明されました。

次に、お会いしたとき、
カツラは装着されていませんでした。
が、前回とあまりにも違う姿に内心ビックリし、
ついつい上にいってしまう私の視線を感じたのか、
藤田さんはちょっぴり恥ずかしそうな笑顔で、
「みなさんでどうぞ召し上がってください」
と、菓子箱をそっと差し出されました。

カバー撮影のためにお会いした3度目、
そのとき私は初めて、
藤田さんが、カツラを装着する際に出る、
「パチッパチッパチッ」という音を発しながら、
「出陣姿」に変身していく様子を目の当たりにしました。
また、自分でお持ちになった、
小さな手鏡を駆使しながら、
装着方法を丁寧に実況解説してくださったその姿は、
まことに鮮やかでした。

藤田さんはいつも真剣です。
そして、どの話も真実です。

重度のハゲコンプレックスのために
女性に話しかけることすらできなかったあの日。

会社の女性から、
前頭部がハゲて落ち武者に似ているため、
「オチムシャン」と陰でささやかれ
「デヘヘ」と笑いながらも心で泣いたあの時。

それから、結婚したい……
純粋にそう思って、強い決意で「カツラ」を購入し
「人生これで変えてやる」と奮い立ったあの瞬間から、
彼の奮闘は始まったのです。

私たちは藤田さんの等身大の姿を
よりリアルに描こうとしました。
「本当」の面白さを追求しました。
とは言うものの、彼にとって公衆の面前で
カツラを脱がなければならないようなこの作業は、
大変恥ずかしいことだったかもしれません。
しかし、藤田さんの多大なご協力により結果的に、
よりリアリティを追求した作品に仕上がりました。

それから、現在……
カツラによって人生を180度変えちゃって、
お見合いコンサルタントまでしている藤田さんは、
「きっかけが大切。なにも動かなきゃ始まらないよ」
そういって、今日も嫁き遅れの私に、
次から次へと良いご縁談を持ってきてくださいます。

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著者の藤田さんは、4月9日(火曜)午後2時17分から20分間、
文化放送の「吉田照美のやる気MANMAN」に出演されます。

2002-03-31-SUN

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