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最新のオススメ本
二見書房刊
『怪傑ドラマ小僧』
著者:麻生和也
本体価格:1200円(税別)
出版社:二見書房
ISBN:4576006924
193ページ、B6サイズ
2000年11月25日出版
鶴見さんからのコメント
映画評や漫画評というのはあるのに、
(この頃は雑誌評なんてのもあるし)そう言えば
「ドラマ評」ってないなぁ……と思ってました。
それは、私が知らないだけでした!
こんなに素晴らしい本があったんです。
ドラマも、出演者のみならず、映画のように脚本や演出、
撮影で全然雰囲気が違うものですよね。当たり前ですが。
自分が見たドラマも見てないドラマも、
ほっほう、と思わせる文章はさすがです。
鶴見
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担当編集者:
二見書房編集部 岡田 剛さん
本書は「TVステーション」(ダイヤモンド社)に
連載されたドラマ批評のコラムを1冊にまとめたものです。
日本で初めてのドラマ批評本
面白いコラムがあると紹介され、
過去の連載を目にしたのが、今年の始め。
とても読みごたえのある内容でしたが、
その中でもとくに私の心を捉えたのは
中山美穂の主演ドラマを評した次の一文でした。
「何だか、一生懸命演じている中山美穂が
かわいそうになってくるドラマだよね。
(中略)“中山美穂”という才能を
3カ月間預かるということの意味を、
もっともっと真剣に考えるべきだと思う」
好き嫌いは別として映画やドラマに興味がある方なら、
中山美穂が作品次第で格別の輝きを見せることは
納得していただけることと思います。
「中山美穂という才能を3カ月預かる」まさに至言です。
ドラマの善し悪しは、演者と制作スタッフの
共同作業によってなるものです。
世間一般でのTVドラマを見る基準はまず、俳優。
最近では脚本家も注目されるようになってはきましたが、
演出家等の制作陣に言及した評は少なかったと思います。
たとえば映画であれば、監督が誰であるかというのは
作品にとって最重要なことです。
「怪傑ドラマ小僧」の著者である麻生和也氏は、
連載当初の10年前からそのような観点で
ドラマを観てきているのです。
麻生氏のこれまでにない視点からの
ドラマ評に魅せられた私は、ぜひ単行本をとお願いし、
日本で初めてのドラマ評論集が生まれました。
ドラマ小僧の正体
麻生氏は普段は一流企業に勤めるエリートサラリーマン。
しかし、帰宅してスーツを脱ぐと
「怪傑ドラマ小僧」に変身します。
そしてテレビの前に正座して、
ドラマ界の秩序を守るための活動を始めるのです。
彼は素晴らしい作品には賞賛を惜しまず、
志の低いドラマを叱咤激励します。
このように日夜、正義のために奔走しています。
が、正義の前に巨大権力が立ちはだかるのは常。
彼の評に激怒したあるプロデューサーからは
「2度と私の作品を取り上げないで欲しい」と
猛烈な抗議を受け、また
「私の作品を率直に評価して欲しい」と
好意的だった有名プロデューサーは、自分の作品が
思いもかけず酷評されたことに逆上してしまい、
麻生氏のメディアでの発表の場を奪ってしまったのです。
本書はテレビ業界によって圧殺された、
麻生氏の貴重な行跡記録ともいえるでしょう。
それでも怪傑ドラマ小僧は、現在もドラマ批評誌を
自主発行し、より自由に活動を続けています。
ちなみに麻生氏が「TVステーション」に
ドラマ評を連載するきっかけとなったのは、
1枚の投稿葉書だったそうです。
おそらくこのページの読者の中にも
いらっしゃるであろうメディア志向の方に、
このような道が確実に開けているという一つの好例として
お伝えしておきます。
もっとドラマを楽しめるように
正義などと前記してしまいましたが、
本書にはドラマの正しい有り方を
押しつける意図はありません。
ドラマ評はあくまで個人的な意見であって、
読んでいただいた方がこの本によって、
自分なりのドラマ感を持って、
作品を見るきっかけになればというのが本意です。
それよりもまず、純粋な読み物として
充分楽しんでいただけると思います。
異論がある人、とりあげたドラマを知らない人にとっても、
著者の観点の鋭さ、意外な角度からのものの見方は
感じてもらえるはずです。
エッセイとして面白かったことが、
私がこの本を担当したいと考えた一番の動機です。
ドラマは、とても優れたエンターテイメントだと思います。
一冊の本が心の支えになるように、
一遍の映画が永遠に心に刻まれるように、
素晴らしいドラマとの出会いは、
人生に喜びを与えてくれます。
これは私見ですが、平均すると1年に1作くらいは
忘れられない名作に出会えるはずです。
放映日の3日前からワクワクし、
見終わった後の3日間は余韻にひたる。
そんな至福の1週間が3カ月も続くのです。
「怪傑ドラマ小僧」がこの楽しみを
享受する手助けになれば幸いです。
もしあなたがこの本に興味をもたれ、
書店で少しページを繰って「趣味が違うから」と
そっと元に戻してしまうことがないように。
読了してもらえれば、この本はドラマ好きの貴方を
必ず満足させうるものだと思います。
何故ならこの本には、読み手を幸せな気持ちにする
「たった一つのもの」があるのですから。
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