担当編集者は知っている。

最新のオススメ本

『ザ・セヴンス・ディレクション 』




沼澤尚
出版社:リット−ミュ−ジック
本体価格:3800円
ISBN:4845605589
2000年11月出版



まずは、この本をこのコーナーに推薦してくれた
「ご近所のOLさんは、先端に腰掛けていた。」の
marshaさんからのメッセージをどうぞ。

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―"内臓感覚"と共振する
 "グッドフィール"なドラミングが
 どんなふうに沼澤さんから生まれるのか?―

沼澤さんのドラムを体感したことある方には
この本が涙ものの豪華さであることは、
もう、いうまでもないです。でも未体感の方は、
ぜひぜひ『THE SEVENTH DIRECTION』に、
足を踏み入れてみてください。
読むだけで、気持ちいいグルーヴに身体が揺れ始め、
ページをめくるごとにリズムを感じ、
たぶん、身体の中の音楽感受性が
ペタフロップスレベル(!)でアップするなーんて
すごい感覚を味わうことを大保証します。
身体の奥底から、自分だけのリズムが
湧き上がってくるなんてことも…。
それを探すのも、この本の楽しみかもしれません。
ほんとにいろんな角度から感じて、
楽しむことができるユニークな作りです。
沼澤さんはじめ、写真家の今井さん、
デザイナーの松山さん、そして編集の小宮さんの、
ハートビートが聴こえてくる本です。
では、そんな熱い想いを小宮さんから
語って いただきましょう!

marsha@ご近所から出前中。

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担当編集者:
リットーミュージック
リズム&ドラム・マガジン編集部 小宮勝昭



●そもそも、なぜ沼澤尚なのか?

普段は、月刊誌リズム&ドラム・マガジンを作っている私、
実は、ドラマーです。
そしてドラマー沼澤尚のファンです。
それが『THE SEVENTH DIRECTION』を
作ろうと思ったきっかけです (笑)。
まあ、それで終わってはいけませんので、もっと詳しく。

まず、沼澤尚が日本を代表する、世界的なドラマーだ
ということは置いといても(なんで置いとくのか?)、
そのドラミングが魅力的だからです。
もっと詳しく言うと、
リズム、グルーヴの気持ち良さ、力強さ、説得力、と
素晴らしいところはいろいろありますが、
何より本当に気持ち良さそうにドラムを叩くのです。
見ている人、聴いている人、演奏している人、
皆をハッピーにしてくれます。
沼澤尚=いいなぁ、ドラム=いいなぁと
思わずニッコリです。

そんな魅力を凝縮した、いや凝縮するのではなく、
そのまんまを何かの形で伝えることはできないだろうか、
と考えたわけです。
究極は、ドラム、特に音楽の中でのドラムの魅力を
表現するには、沼澤尚を見せることがベストであると。

そこで、ちょうど電話で雑談をしている時に
持ちかけたのは“教則ビデオ”。
これはあっさりと却下されました。
「僕はそういうテクニックを
 見せられるようなタイプではない」と。
 
じゃあ、ということで今度は“教則本”。
実にしつこい展開ですが、これもやんわりと却下。
しかし、そういうものも盛り込んだ
写真集ということならばOKとのこと。
結果的にその謙虚な姿勢のおかげで、
沼澤尚の魅力、ドラム、ドラマーのカッコ良さを伝える
一番いい形ができたわけです。


●写真家、今井俊彦と、デザイナー、松山智一

そもそも沼澤氏の中には、今井俊彦の写真、
松山智一のデザインで、小冊子的な写真集を
自費で作ろうというのがあったそうです。
そこに私の強引なコンテンツが
入り込んでしまったわけです。
これが吉と出たのか凶と出たのかは、
みなさんが判断してください。

それはさておき、
今井俊彦の写真にはリズムがあります。音楽があります。
目線が鋭くもあり、優しくもあり、不思議です。
写真というのは、科学的には(?)
止まっているものですが、彼の写真は動いているんです。
音も聴こえます。本当です。

そんな今井俊彦の写真をさらに躍動させているのが、
松山智一のデザインです。
アートディレクションって言った方がいいのでしょうか。
松山氏とは雑談の中からも
いろいろなアイディアが生まれました。
ガンダレ表紙(観音開きのようになっている表紙)の
裏面にある7=4+2+1という文字は
タクシー車中で生まれたものです。
頭がキレるだけではなく、
頭の使い方を知っている人なのでしょう。

しかし……私なんぞが、この2人について
書いてしまって、後で怒られそうです
が、まあ、良しとしましょう。


●結局、どんな本なのか?

よく聞かれます。写真集です。エッセイ集です。
ドラム教則本です。機材本です。音楽資料本です。
その都度、臨機応変に答えていますが、
どれも正解なのです。
だいたいこんなふうに言ってしまうと
どれも中途半端だと思われてしまうかもしれませんが、
決して、決してそんなことはありません!
(……と思っています)

1 In rhythm with me
2 In Los Angeles
3 Talking about equipment
4 Talking about techniques
5 Where does everything come from?
6 Works
7 In harmony with me


この本には上記7つのコンテンツがあります。

1は沼澤尚と、彼を囲むミュージシャンたちの
写真集+エッセイ。
マルコス・スザーノ、フェルナンド・モウラ、
小原礼、奥田民生、宮沢和史、シアターブルック、
村上“ポンタ”秀一、林立夫、山崎まさよし、佐藤竹善、
スガシカオらとともに、その音楽を感じることができます。

2は沼澤尚、音楽の発祥の地とも言える
LAでの写真集+エッセイ。
故ジェフ・ポーカロ、ジョー・ポーカロ、
ラルフ・ハンフリー、ジェイムス・ギャドソンといった
彼の師匠たちとのコラボレート、さらに
カール・ペラーゾ(13CATS)、エディ・Mも登場します。

3は沼澤尚サウンドの源、彼の楽器群を紹介します。
当時LAに置いてあったヴィンテージ機材の数々も含め、
楽器に対する愛情溢れるコーナーです。

4はテクニックに対する解説、考え方を語っています。
グリップ、フォーム、フット・ワーク、ハイハット、
ライド、ゴースト・ノート、グルーヴ、サウンド、
何を聴く? ヘッド&チューニングについて、
その内容は取材した私も、目から鱗状態でした。

5はミュージシャン、沼澤尚が影響を受けたアルバム
100枚の紹介です。すべて自身の言葉で書かれています。

6は沼澤尚、参加作の中から、
自身のプレイを自身が分析しています。
直筆譜面も載っていますが、それが音楽の中では
まったく意味のないものとしている点が痛快です。

7はこの本に登場した様々な人々の紹介と、
彼等から沼澤尚に寄せられたメッセージを紹介しています。

そして、このメッセージも……

手をつなぐだけで満足なの、というような恋は、
手をつなぐだけなのに、手をつなぐだけなのに、
宇宙の果てまでぶっ飛ばしてくれるような恋だ。
あのドラミングというのは、そういう恋なのだろう。
糸井重里

この言葉の中に、
沼澤尚のドラミングの魅力が詰まっています。
そして『THE SEVENTH DIRECTION』の中にも、
その魅力が詰まっています(はずです!)。
この本を見て、沼澤尚を感じ、ドラムを感じ、
音楽を感じてほしいと思います。
そしてそれぞれの7番目の方角(自分自身)へ、
それがつながって行くことを願っております。


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 リットーミュージック カスタマーセンター
 TEL:03-5213-9296

●リットーミュージック http://www.rittor-music.co.jp/

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2000-11-22-WED

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