担当編集者は知っている。

最新のオススメ本


『雨ニモマケズ』
唐仁原教久【絵】宮沢賢治【著】
朝日出版社
本体価格:1000円
ISBN:4255000190
2000年4月出版


朝日出版社刊
担当編集者:桧山珠美



出来上がったとき、嬉しくて添い寝してしまいました。
これはそういう本です。

「雨ニモマケズ 
 風ニモマケズ
 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
 丈夫ナカラダヲモチ
 慾ハナク
 決シテ瞋ラズ
 イツモシヅカニワラツテヰル……」

簡単にいってしまえば、この本は
宮澤賢治の『雨ニモマケズ』の世界を、
イラストレーターの唐仁原教久が絵本にしたものです。

唐仁原教久さんは、
どうしていつも後ろ姿しか描かないんだろう。
唐仁原教久さんの描く親子は、
どうしていつも父と息子なんだろう。
聞いてみたい聞いてみたい聞いてみたい。
そんな疑問を懐に秘め、お会いしたのは
1999年12月のことでした。

けっきょく、疑問は何ひとつ解消されませんでしたが、
かわりにこんな素敵な本をつくることができました。
宮沢賢治の詩と唐仁原さんの絵。
大好きなものどうし。
わたしにとっては、まさに夢の饗宴です。

「『雨ニモマケズ』ノ時代ジャナイダロウ」
「表紙ガ地味ナンジャナイノカ」
「ルビヲフラナイト読メナイヨ」
などという声もありましたが、それ以上に、
「いい本をつくったね」という声が多かったのは、
なによりも嬉しいことでした。

ひとりでも多くの人に手にとってもらいたい。
担当編集者の出来ることはなんだろう、
とかんがえました。
まずは、インターネットで、
宮澤賢治関連のホームページを調べ、
ひとつずつこの本の出版のお知らせを書き込みました。

宮澤賢治のふるさとやゆかりの地、
岩手県盛岡市と花巻市の学校や図書館にも、
お知らせメールをおくりました。

宮沢賢治イーハトーヴ記念館にも
置いていただけるよう頼みました。
東京・銀座に「いわて銀河プラザ」という
岩手県の物産品を扱うお店があるときき、
行って「この本を置いてください」とお願いしました。
いつでもPOPを持ち歩き、
通り掛かりの書店に入っては、
この本がどんなに素晴らしい本であるか、
ということを伝えて、
POPを立ててもらえるようにお願いしたりと、
忙しい日々を過しています。
「原則としてはメイド・イン・岩手の
 商品しか扱えないんですよ」
といいながらも、ちゃんと置かせてくれた
「いわて銀河プラザ」の店長さん、
「1冊だけのこしてあとは返品しちゃったよ」
といいながらも、新たに5冊の注文を出してくれた、
旭屋書店べルビー赤坂店の店長さん、
そのほか多くのこころ優しい人々に感謝です。
 
『雨ニモマケズ』のように
生きることができたらいいなあ。
そんなふうに思いながら、
今日も書店をめぐるのでした。

うちにPOPを置いてもいいよ、
という書店さんがいらっしゃれば、お知らせ下さい。

東ニソンナ書店ガアレバ
行ッテPOPヲ置カセテモライマス。

2000-06-02-FRI

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