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「パパと一緒にバス釣りに!」
吉田幸二著
担当編集者:筑摩書房 鶴見智佳子さん
この本を企画したきっかけ
これは、darlingプロデュース
「信頼できる釣りの本」第3弾で、
吉田幸二さんが釣り絵日記をつけていると聞いて、
それを見せてもらったのが発端でした。
吉田幸二さんは、日本最初のバスプロで、
今ではトーナメントを 開催する側でもあるバリバリのプロ。
明るくて、駄洒落を連発する
いい意味でのニッポンの「オヤジ」です。
さて、その釣り絵日記というのは、
どこそこで大物を釣ったとか、
このポイントがいいとかだけでなく、
周りの風景とか、季節の花とか、虫とか
いろんな物が描かれていて面白い。
そこには、もうすぐ11歳になる
お嬢さん(杏ちゃん)の絵もありました。
そして、絵日記をパラパラめくりながら、
こんな会話が・・・。
| 吉田 |
「今ね、杏に釣りを教えてるのよ」 |
| 編 |
「プロのお父さんに教わるんじゃ、
あっという間に、上手になっちゃいますね」 |
| 吉田 |
「いや、これが、子供に教えるのは
大人よりずっとずっと難しい。
大人ならスパルタでも何でもいいけど、
子供はそれやったら一辺で 釣りが嫌いになっちゃうよ」 |
| 編 |
「でも、上手に釣らせてあげれば、
面白い!ってなるでしょう?」 |
| 吉田 |
「うーん。そりゃ釣れれば面白がるんだけど、
それだけじゃ釣りが好きにはならないんだなぁ」 |
| 編 |
「じゃ、どうするんですか?」 |
| 吉田 |
「釣りだけを教えない」 |
| 編 |
「え? 釣りを教えない??」 |
| 吉田 |
「いや、釣りだけを、ね。
釣りだけじゃなくて、天気のこととか、
季節のこととか、虫のこととか、
湖の回りの水生生物のこととか、
みーんなひっくるめていろんな話をする」 |
| 編 |
「ほう、ほう。例えば?」 |
| 吉田 |
「ねえ、今日みたいに暑い日は お魚はどこにいると思う?
杏だったらどうする? とか。 そうするとね、
やっぱりお魚も涼しいところに いたいよねーって言う。
そこでね、じゃ、涼しいとこって どこだろう?って聞く。
そうすると、石の下! とか、木の影! とか、
子供なりにいろいろ考えて言うから、
そうだねって聞いて、この橋の下なんかも
涼しそうだねーと、教えてあげる」 |
| 編 |
「なるほど。10歳にして
季節ごとの釣りを覚えるわけですね!」 |
| 吉田 |
「覚えるってほどじゃないけど、
魚だって、人と同じ生き物だよって分かるようにするの。
だから、バスフィッシングだけじゃなくて、
ザリガニ釣りもするし夏はカブトムシを取りに行ったり、
とにかく湖の傍で遊ぶようにしてる。
だから、親も予習が大変!」 |
子供は好奇心が旺盛だから、
すぐに、あれは何? それはなぜ? と聞いてくる。
その時にかっこよく答えて父親の威厳を保つため、
吉田さんは植物図鑑や水生生物の本と
首っ引きであたったそう。
ああ、釣り方の本はたくさんあるけれど、
そういうときに便利な本はないんだなと思った。
そこで、杏ちゃんが質問したことと
吉田さんが父親として子供に伝えたいなと
思っていることを中心にして、
お父さんが子供に釣りを教えるときの
教科書みたいな本にしましょう、
ということになりました。
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どのようにしてこの本はできたか
まず、この本の場合、
イラストがとても大事だと思いました。
技術を伝えるのではないわけだから、
ただ写実的なだけのものじゃつまらない。
でも、おしゃれでかっこいいイラストがいいわけでもない。
あまり漫画チックなのもダメだし。
ほんわかと優しい感じで、
お父さんと娘が湖で釣りをする姿を
いい感じに描ける人でなければ。
そこで思いついたのが平野恵理子さん。
釣りはあまりやらないのですが、山に登ったり、
海へ行ったり、自然が大好きでアウトドア派の方。
植物や生き物をほんわか優しい線で描きます。
装丁は、装丁界の天才・祖父江慎さん。
ともかく、祖父江さんにかかると、
予想以上どころでない程素晴らしい本に仕上がるのです。
もう、始めからこういう本の形だと知っていたみたいに、
しっくりくる装丁です。
そして、細部にちょっとした工夫をして、
読みやすく、手に取りやすい本にしてくれるんです。
この本でも、カバーの表4(後ろ側のこと)に
糸井さんのまえがきを全文入れたり、
そこにイラストを散りばめたり。
大変だったのは、カバーイラスト。
お父さんと娘がほのぼのと釣りをしている
イラストにしようと言っていたのですが、
この「ほのぼの」とした空気感を出していただくのが
とっても難しかった。
何度も何度も平野さんに描き直しもらって・・・。
でも、お二人のおかげで吉田さんの伝えたい、
ほのぼのと楽しい釣りの感じが
にじみ出た本に仕上がったと思います。
普通のお父さんはプロじゃないから、頑張ったって
そうそう格好いいところばかりも見せられない。
でも子供と釣りをしたいなーと思っているお父さん。
せっかくだから、自然の大切さも教えたい・・・
と考えているお父さん。
ゴールデンウィーク前にこの本を読んで、
湖へ出かけて欲しいです!!

「パパと一緒にバス釣りに!」
著者:吉田幸二
出版社:筑摩書房
本体価格:1400円
ISBN:448087724X
2000年3月22日出版
19センチ、205ページ
吉田幸二(W.B.S.)ホームページ:
http://www.wbs1.com
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