担当編集者は知っている。

『インターネット「印税」生活入門』
 立石洋一・著


担当編集者
メディアファクトリー 斎藤幸夫さん


●この本のすごところ

いまやインターネット人口は
2000万人を超えようというものの、
インターネットを使ったビジネスで大成功した話は
あまり聞きません。
まして個人で成功した人となるともうさっぱり。

この本は、自らのホームページ上で
自作の小説をテキストで販売して、
約3年間で250万円の「印税」を稼いでしまった
立石洋一さんの「印税」生活入門ガイドになってます。
また、単にそのノウハウだけでなく、
マスコミやインターネットの本質を問う
問題提起の書でもあります。

例えば、出版社から500円の文庫を
仮に5000部発行しても、その印税は
500円×5000部×印税率10%で、およそ25万円。
そう、印税で100万円以上を稼ぐことって
並大抵のことではないのです。

しかし、インターネットだったら
可能性があるかもしれない、と考えた著者が
ホームページ上で様々な試行錯誤を繰り返し、
小説の大半部分を無料で公開し、
エンディング部分を読みたい読者から
500円をいただく、という方法で、
「印税」を手にすることができたわけです。

インターネットで小説を売ることの
メリット・デメリットとは……。
読む気にさせるホームページ作りとは……。
どうやってアクセス数を増やせばいいのか……。
確実に読者からお金を払ってもらう方法とは……。
などのノウハウに加えて、付録として、
ホームページ・カンタンレシピを用意しました。
これで、あなたも必ず作家デビューできるはず!!


●この本ができるまでの経緯

さて、なぜこの本を出すことになったかというと、
私は去年までインターネット雑誌の
「あちゃら」を作っていた関係で、
もともとインターネットには関わりがあったんです。
昨年の秋にも、メールマガジンの「まぐまぐ」さんと組んで
まぐまぐ初のガイド本を作ったりもしました。

ただ、あちゃらを作っていて気になったのは、
パソコンとかインターネット系のモノ書きの人たちって、
フツーの読者に、簡単にわかりやすく
表現してあげられる人がなぜこんなに少ないのか!
ということでした。
ちょっと気を抜くと、どうしても誌面が
パソコンの解説書みたいな
テクニカル系になっちゃうんですよね。
なので、誌面をいかに平易にできるかという意味でも、
自分で納得のいく雑誌にするのには結構大変でした。

その後、僕は今いるメディアファクトリーに
移ったのですが、たまたまうちの編集部の女性が
おつきあいのあったプロダクションさんから
今回の『インターネット「印税」生活入門』の
企画書をいただいて
僕に「どうですか」と見せてくれたんです。
それは、あちゃら時代の僕の不満を
ドーンと打ち消してくれるものでした。

まず、インターネットの書籍の企画なのに
ものすごく面白い! しかもものすごくためになる!
しかも、テーマが「印税」という
多くの人の夢をかなえてあげられるような企画である!
ということでした。

企画書を読んで感激で打ち震えた後、
早速、作者の立石洋一さんに
会わせていただくことになりました。


●タイトル決定までの経緯

もともとの企画書段階では
「産直作家への道」というタイトルでした。
しかし、「産直」というワードを聞くと、
どうも通販のようなイメージが先行してしまいそうですし、
この本は作家希望の人以外にもぜひ読んでほしいと考えて、
現在のタイトルにしました。

今ではどこの会社や店舗などでも、
インターネットに関わっている担当者が少なからずいて、
彼らはみんなインターネットを使ったビジネスを
立ち上げることを要求されているわけです。
そんなインターネットに携わるすべての人を
勇気づけるという意味でも、
もっと多くの人たちが興味を持てるタイトルにしたい、
と思ったのです。

先日、朝日新聞の文芸欄でも
大きく取り上げられたおかげもあってか、
売れ行きの方も好調なので、長〜くゆっくりでもいいから
ジワジワと売れていく本になればと思ってます。



『インターネット「印税」生活入門』
著者:立石洋一
出版社:メディアファクトリー
本体価格:950円
ISBN:484010008X
(2000年2月14日出版)

2000-02-27-SUN

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