感心力がビジネスを変える!
が、
感心して探求する感心なページ。

2004年の年賀状です。


元旦からぶしつけな質問ですが、
みなさんは自分と
同じ名前の人に会ったことがありますか?

わたくしですか?
はい、わたくし、田中宏和と申しまして、
同姓同名の田中宏和さんを性懲りもなく
10年以上探しつづけ、
毎年その成果を年賀状で
ご報告してきた物好きであります。

ご記憶のよい熱心な
「ほぼ日」読者のみなさんには、
覚えていだいているかもしれません。
ちょうど1年前の留守番番長企画で、
「感心力の男」とご指名いただくがままに、
ぬぼーっと「ほぼ日」に出没し、
その中で「田中宏和・年賀状の軌跡」
というひとこまをご披露しました。
もちろんあわよくば
新たなる田中宏和さんの発見、
そして捕獲、いや保護か?
ん、保存! いえいえ、
お近づきを狙ってはいました。
ところが、「ほぼ日」での呼びかけのおかげで、
なんと二人の田中宏和さんを発見していたのです。
相手がフセインさんじゃあるまいし、
そうそうにお知らせすることはしませんでしたが、
たしかにお二人の確認情報を得たわけです。

まずは、このメール。
「ほぼ日」デリバリー木村くんから
転送されてきた時は、驚きました。
タイトルが、また愉快でした。
「田中宏和さんの奥さんという人からメールが!」
報道的題名にしてリズミカルであります。
そして、こんなメールをいただいたのでありました。

=
年末年始、インターネットに
接続できない状況だったので、
今日始めて「田中宏和」さんの
留守番番長を今日初めて読みました。
びっくりしました。
だって、私の主人と同じ名前なんだもの。
よくある名前だとは思っているけど、
「ほぼ日」で同姓同名の人に出会える(?)とは。
もうひとつびっくりなのが、本好きなところが一緒。
一軒家なのですが、
2階にある書斎の床がいつ抜けるか、
ヒヤヒヤものです。
書斎の奥にある机まで、
たどり着く事は不可能、
貴重品を入れるはずの金庫も埋もれています。
廊下にもあふれてたけど、
昨年の暮れやっと廊下の分は
なんとかしてくれました。
主人は、新車購入の補助金欲しさに、
泣く泣く整理してました。
田中さんも引っ越しする時は大変でしょうね。
あと、結婚する時も。
多くの女性は、結婚当初は理解してても、
段々うるさく文句を言うように
なってきますから。

まさか人生の手引き付きメールを
「田中宏和さんの奥さんという人」からいただくとは、
思いもよりませんでした。
ちなみに自分はいまだに独り身稼業であります。
一年の時差をおきつつも御礼。
アドバイスありがとうございました。

そして、次のメールを
木村くんから受けたとき、衝撃が走りました。

「田中宏和さんご本人がいました! 渋谷!」

つちのこ発見だよ、これじゃ。

=
はじめまして。
そして、あけましておめでとうございます。
「ほぼ日」はほぼ毎日読んでるんですが
正月はちょっと日本を留守にしていて
留守番番長を見逃してました。
ところが今日の「ほぼ日」を見ているとなにやら
見覚えのある文字が目に飛び込んできまして。
「田中宏和」・・・それは私の名前です。
最初は何で「ほぼ日」で
自分の名前を見つけるんだろうと
我が目を疑いましたが、
状況が飲み込めるにつれ
年末の「ほぼ日」では
こんな事になっていたのかと、
リアルタイムで読めなかったことを後悔しました。
それにしても自分の名前で
これだけ遊んでる人も珍しいですよ。
って言うか、「田中宏和」って名前、
そんなに遊び甲斐があったんですね。
近鉄の田中宏和さん、ゲーム音楽の田中宏和さん、
くらいは私も存じ上げていましたが、
他にこんなにおもしろネタがあったとは。
なんだか少し自分の名前が
輝いている感じがしてきましたよ。
見た目が四角くって、
書くときにもバランスをとりづらいし、
なんだか普通っぽいし
なんて思ってましたが結構遊べる、
いや遊んでいる人の出現に
自分の名前の認識が改まった気がします。

そういう私自身は
渋谷でデザイン事務所を経営している
田中宏和(37)です。
最近インターネット上で
自分の名前(本当の)を見つけたのは
「もしもしQさん」のQさん本プレゼントで
当選したときでしょうか。
(その節はありがとうございました)
またなにか面白い情報見つけましたらご連絡いたします。

田中宏和でした。

メールを読む画面に汗を感じましたね。
心臓がバクつきました。
それから、寝かせること約1年。
12月に入りたてほやほやの頃、
満をじしてこのメールを送りました。
「この書き出しがしたかったんだよねえ」
ひとり悦に入りながら、
送信ボタンを強めに押したのです。

=
田中宏和さま

突然のメールで失礼いたします。
同姓同名の田中宏和と申します。

今年の初めにわたくしの留守番企画をご覧いただき、
また「ほぼ日」まで名乗りを挙げる
メールをいただきまして、
どうもありがとうございました。
「ほぼ日」からの知らせが入った時は、
そうとう興奮しました。

そして、また1年近く経って、
不躾ながらメールを差し上げましたのは、
来年のわたくしの年賀状の制作に
ご協力いただけないでしょうか、というお願いであります。
すでにご覧いただいたかもしれませんが、
このシリーズです。↓
https://www.1101.com/2003_NEWYEAR/
021230_tanaka_hirokazu/card.html

来年の企画で、シリーズ初の
ご本人との対面を実現したく思っています。

また、メールアドレスからご推察いただけますように、
わたくしは現在、一介のサラリーマンであります。
田中さまの経営されている会社のホームページを拝見して、
田中さまのお仕事と接点が多そうだとも感じておりまして、
「田中宏和」という人間の共通点を探るという、
姓名占いを検証する試みもできないか、
つまり、お会いした様子を
「ほぼ日」のコンテンツにできるのでは、
と考えています。

ということで、年末のお忙しい時期に恐縮なのですが、
近いうちにお時間をいただけないでしょうか。
もちろん御社まで伺います。

ちなみに、CCをつけましたのは、
わたくしのコーナーを担当してもらっている
糸井事務所の西本さんです。

いくつか候補の日時をお知らせいただけると幸いです。

唐突なご依頼で失礼いたしました。
快いお返事をお待ちしております。
どうぞ宜しくお願いいたします。

田中宏和


ついにサイは投げられたのであります。
(動物ではなくサイコロです)
あとは釣り糸を垂れる漁師の心境で待ちながらも、
もし田中宏和さんが、
オレオレ詐欺をするような、
とんでもない凶悪犯だったら、とか、
よからぬ想像をしたりもしつつの数時間後、
やってきました!

=
田中宏和様

下記メールを頂きました田中宏和です。
「ほぼ日」を拝見しメールを出しましたのが
確か今年の初めだったと思います。
その後、どうしたのかな?と思っておりましたら
突然メールを頂き驚いております。

来年の年賀状の企画ということで、
なんだかとても楽しそうですね。
ただ「シリーズ初のご本人との対面」
という凄い企画に、
私などで良いのかどうか・・・。
とはいえ、私も是非もう一人の
田中宏和さんに会ってお話ししてみたい
という思いがあります。
ご足労ですが是非お越しください。

日時に関しては、
今週はちょっと都合が付かないんですが
来週以降であれば大体大丈夫です。
ご都合の良い日時をお知らせください。

よろしくお願いいたします。

たがいのまわしを探りあうようなメールのやりとり!
この時点でそうとうしびれましたね。

そして、ついに、
田中宏和さんと名刺交換を。
妙ちきりんな気分でしたねえ。
自分の人生を交換した気がしましたね。
話しているあいだじゅう、
ふたりともしげしげと先方の名刺を
みていたことを思い出します。



手みやげがわりに
インターネットの姓名判断の
占い結果を持参したのですが、
田中宏和はいい名前なんだと、
ふたりで喜びをわかちあいましたね。
もう名前馬鹿です。

「元近鉄とポケモンの田中宏和さんについて」
「小さい頃のあだなはなにでした?」
「自分の名前の漢字をひとにどう説明しているか?」


田中宏和同士でしか語り合えない
ディープな情報交換を果たしてのでありました。



わたくしからは、
「社団法人田中宏和」の設立について提案しました。
田中宏和という名前の人だけの団体です。
みんなで同じ日に美容院の予約を入れてみるとか、
人数がまとまることでできる
活動があるのではないか。
もちろん田中姓の方には、
「子供ができたあかつきには
 宏和でお願いします」と、
ひとりでも多く世界に田中宏和を増やしていく。
そんな『マトリックス』における
ミスターアンダーソン的な
繁殖促進も視野に入れました。
そんなことを真剣に話しあい、
快活に笑いあった結果、
こんな年賀状ができました。



取材に応じていただいた田中宏和さん、
毎年デザインをお願いしている植村倫明さん、
どうもありがとうございました。

こつこつ続けているといいことがあるもんですね。
ビジネスの世界もそうだとは思うんですが、
しみじみ、継続は力なり、です。
みなさまのこつこつに
幸多からんことをお祈りしつつ、
そんなこんなで今年もよろしくお願いします。

もちろん世界の田中宏和情報を

2004-01-01-THU

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