第39回 〜ゴールデンウイーク! 虫と過ごそう特集3〜
香川県「せとうち夢虫館」に
行ってきました!!

昆虫写真の第一人者、海野和男さんが、
第35回の対談でお話しされていた、
「せとうち夢虫館」が、
いよいよ昨日、4月29日にオープンしました!

その「せとうち夢虫館」をオープン前に
海野さんがご案内してくださるという連絡を受け、
虫博士チームで、香川県丸亀市に行ってきました。
本当にお忙しい海野さんですが、そんな中でも、
とても楽しんで取り組まれていた昆虫館づくり。
「とにかく楽しんでもらって、
 虫に興味を持ってもらいたい」
という海野さんの思いが、
みなさまにも伝わるといいなと思います!

今日は、写真がたくさんあって、
記事も少々長めになっておりますので、
のんびりとご覧になっていただけると嬉しいです。
では、ご案内いたします。どうぞ〜。


●うどんを胸に、いざ昆虫館。

「せとうち夢虫館」は、香川県丸亀市の
ニューレオマワールド内にあります。

香川県と言えば「さぬきうどん」。
ほかにもたくさん見どころがありますが、
とりあえず香川を味わうには、うどんです。
昆虫館に行くときには、
おいしいうどん屋さんを
リサーチしておくのをおすすめします。
香川県には、800店以上もの
うどん店がありますからね。

うどんはさておき、虫博士チームは、
高松空港から車で「せとうち夢虫館」に向かいます。
20分ほどの道のりです。



日差しもやわらかく、気持ちも緩む景色です。
タクシーの運転手さんが、
うどんのおいしいお店について、
見分け方など話してくれています。
‥‥へえぇ、看板の地味なところがおすすめ、
なるほどなるほど‥‥‥はい‥‥。
窓の外には、こいのぼり、菜の花、
青い空‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥‥。

気付いたら、そこはもうレオマワールド。
すみません、寝ている間に到着しました!



レオマワールドは、レジャーランドや動物園、
ホテル、温泉、イベントパークや飲食施設が
広ーい敷地に集まった、レジャーランドです。

入り口正面に見えるのは、「四国お宝村」という、
四国の名産物が大集合しているゾーン。
ここからレオマワールド内に入ります。



パンフレットで夢虫館の位置を確認すると、
左手に見える、
白い建物(ホテル「レオマの森」)の、
さらに奥のようです。
「Newレオマ 
 アニマルパーク オリエンタルトリップ」

のとなりに、「せとうち夢虫館」はあります。
さすがに広いだけあって、そちらを見ても
昆虫館らしきものは見えません。



昆虫館は、動物園の手前にあります。



まだまだずう〜っと先ですね。
遊覧船もあるようです。



あ、少し先に昆虫館の看板が!



楽しみにしていた「せとうち夢虫館」の看板。
海野さんの嬉しそうなお顔が目に浮かびます!

あっ! さっきの案内看板にあった、
「遊覧船に乗ると楽に行けます。」
の、遊覧船の港がすぐそこです。



ナイスタイミングで港に遊覧船が入りましたよ。
どうします? 乗ります?



この先を歩いても行けますけど、
どっちにしますか?

やっぱり、「遊覧船に乗ると楽に行けます。」
のストレートさに負け、遊覧船で向かうことにしました。
300円で、お姉さんのガイド付きです。



気持ちの良い穏やかな気候の四国。
緩やかな時間が流れます。
右側に見えるのは花火のような街灯です。
夜になりライトが点くときれいなんでしょうね。
ホテルやコテージに宿泊してみると、
とてもロマンチックだそうですよ!



はい、レオマアニマルパークの入口に到着〜。
時間にすると約10分。
ガイドのお姉さんに聞いたところ、
歩いても、遊覧船でも
時間的には変わらないそうです。



遊覧船を降りたら、
「マジックストロー」という名前の
日本最大級のエスカレーターに乗って、
山の上へと登って行きます。
(なぜ「マジックストロー」なのか、
 今頃とても気になっています。)



このエスカレーターの上が、
いよいよ「せとうち夢虫館」です。





日本最大級のエスカレーター!
実際に下から見上げると、
「おお!」と言ってしまう高さです。




山深い雰囲気になってきました。
虫がいそうな雰囲気になってきました。
いよいよ近付いてきた感じがします。

「マジックストロー」のおかげで、
楽しく楽に、到着。

●広い敷地にホールや本館、温室が。



「せとうち夢虫館」に、着きました〜!
エスカレーターを降りてすぐ、
左手の白い建物です。
まだオープン前なので、静かですね。
(「せとうち夢虫館」のオープンは
 4月29日です。)

ちなみに、エレベーターを降りて
正面のアラビア風の門を入っていくと、
アジア各国の建造物が見られるエリアがあり、
さらに奥には動物園があります。



海野さんが、走って出迎えに来てくださいました。



海野さんはいつも走っているような気がします。
こんにちは〜!



海外からのお客様といっしょに、建物の中へ。
海野さん、英語で楽しそうに
会話していらっしゃいます。
ここが、夢虫館の正面入口です。



正面入口のすぐ右手に、入場券売り場があります。
(前売りを買うと、200円お得になりますよ。)

と、写真を撮っている間に、
どんどん海野さんが見えなくなっていきます。
いつも虫を追いかけているだけに、足が軽い!
海野さ〜ん。



海野さん、すでにホールの中で、
写真展の説明をされています。
まだオープン前なのでスリッパを履いていますが、
オープンしたら土足でOKです。



「海野和男フォトギャラリー」、
6月いっぱいまで開催とのこと。
100点ほどの写真が展示されています。

この写真展が開催されているホールでは、
翌日の開館式の準備がされているところでした。
多目的な広いホールです。
「夢虫ホール」と言うんですね。
このホールを抜けて、
前庭広場に出て、本館へ進みます。

ただ、そんなに簡単に抜けられないのが、
この「夢虫ホール」。



ワシャワシャワシャ‥‥‥!



ゾロゾロゾロゾロ‥‥!

子どもが大好きなムシキング関連のものが
たくさん並んでいるのです。
カードの全種類も見ることができるとか。



ムシキングに気を取られていると、
また、海野さんを見失ってしまいました。

多分もう「夢虫ホール」を出られて
「本館」へと向かったのだと思います。



前庭広場を通って
坂の上にある本館に向かうと、
海野さんがすでに説明を始めている姿が。



「かぶと・くわがたファーム」の前に広がる、
タイの古い寺院のレプリカ。
手前に広がるのは、壕です。
夏には睡蓮が咲き乱れ、
秋にはトンボが飛び回る予定だそうです。
記念撮影スポットとして、
海野さんいち押しです。



木材置き場ではありません。
「かぶと・くわがたファーム」と呼ばれるここには、
カブトムシやクワガタの幼虫が5000匹も、
今はまだ土の中に眠っているのです。
成虫になったら、「かぶとの森」に放されます。
森に訪れた人は、自由に捕まえて
持ち帰ることができるそうですよ。

その横の「やんばるの森」は、温室です。
これから蝶たちが住みます。




●大型スクリーンの映像と
 個性的な展示をじっくり見よう。


さて、いよいよ本館へ。
本館は3階建ての大きな建物です。



ん? 本館の入口に何か大きな昆虫が‥‥。



ヘルクレスオオカブトと
コーカサスクワガタが闘っているオブジェです。
1体3m以上あるそうです。

では、本館に入ったら右手に進み、
エレベーターに乗って3階へ向かいましょう。
順路に沿って見て行きます。
看板にも注目してくださいね。





こんなところにも虫がいるの、わかります?



まず、ご案内していただいたのは、
この昆虫館の目玉のひとつ、
「昆虫映像コーナー」です。
150インチのスクリーンが3つあり、
海野さんが高速度撮影で捉えた虫の動きなどが、
大きな画面に映し出されます。
カブトムシの背中の傷など、
細部まで見えるのがいいですねー!
何度も繰り返し見てしまいます。

この映像コーナーから、
さらに大きいスクリーンのある映像ホールの間にも、
いろいろな展示がされています。



昆虫顔面博覧会。



ジオラマ展示コーナー。

そのほかに海野さんの昆虫スライドショーや、
隠し絵コーナーなど、見るところがもりだくさんで、
なかなか先に進めません。

館内に何か所かある、
記念フォトポイントもおすすめです!



カブトムシと握手するほぼ日スタッフ。
ハローハロー!

と、やっている間に海野さんはもう、
映像ホールに行かれてしまいました。
海野さんを追っかけて向かおうとしたその時、
3階の窓から中庭広場にある何かが、
目に飛び込んできました。



んん?? なんだ??

それは後回しにして、次の映像ホールへ。
海野さんが撮影された昆虫の擬態などの映像が、
10分くらい流れます。
200インチの大画面で見ると大迫力です。



映像に見入る虫博士チームや海野さん。
腰を降ろしてほっとしたところで、
そろそろ2階へ向かいましょう。

2階へ行くスロープには、
昆虫の標本がたくさん展示されています。
あくまで楽しく、がモットーの昆虫館。
光る虫を集めたり、
見て楽しんでもらえるよう、工夫を凝らしています。





2階から1階へ向かうスロープには、
映像と解説の展示が、ずらっと並んでいます。



ひとつひとつ、違う内容の展示は、
とても見ごたえがあります。
この展示を丁寧に見るだけで、
かなり虫に詳しくなれそうです。





このスロープの展示途中に2階があり、
「観察コーナー」になっています。



「ここに、昆虫おじさんが座っていて、
 みんなの質問に答えるんです。」
と、今日だけ海野さんが昆虫おじさんに。



顕微鏡で小さい虫をじっくり観察できます。

そして1階に来ました。
1階には、「モルフォタワー」を
眺めながらくつろげるカフェ、
「カフェ・ド・モルフォ」があります。



高さ約8.5mもある、「モルフォタワー」。
4000頭のモルフォチョウの標本でできています。
右に立っている海野さんとくらべると、
とても大きいですね。

カフェでは、選りすぐった
沖縄産のジュースが飲めるとのことで、
ごちそうになりました。



味が濃くてとてもおいしいのです!
写真は利き酒大会のような雰囲気ですが、
すべてジュースです。
写真左手にいらっしゃるのは、
この昆虫館の館長さんで、
日プラ株式会社の社長さんである敷山さんです。

日プラといえば、北海道の旭山動物園
沖縄の沖縄美ら海水族館を始め、
世界中の水槽やアクリルパネルを
手がけている会社です。
もちろん「せとうち夢虫館」でも、
そこかしこに使われています。

このカフェを通り過ぎた奥に、
「昆虫図書館」があります。



ここでは、現在買うことのできる昆虫関係の本が、
児童図書を中心に専門書まで
全て揃っているそうです。
ここにいるだけでも半日はたってしまいそうです。
夏休みの自由研究をまとめるのにも最適ですよ。

さて!
お待ちかね(?)、「ミュージアムショップ」。
最後はやっぱりここで思い出を凝縮して、
持ち帰りたい、と自分に言い訳をしつつ、
あれこれと探します。







はあ〜〜(ため息)。
いろいろありすぎて迷います。

おみやげを堪能したあと、
気になっていた物体の正体をつきとめに、
中庭に出てみました。



ビニールをとってみると、
じゃーん! 虫の乗り物でした。
海野さん、一番に試乗。



「お、これはヘラクレスオオカブトムシ。」
角の部分に毛までついていて、よくできています。
パンダとかゾウじゃないところが、
さすが夢虫館です。

さてさて、以上で
「せとうち夢虫館」のご案内は終了です。
とても敷地が広いので、
駆け足で回ったにも関わらず、
長いレポートになっていまいましたが、
雰囲気は伝わりましたでしょうか?

大人も子どもも楽しめる場所として、
季節に合わせた展示やイベントなど、
海野さんは、これからもっと
内容を充実させていきたいとのこと。

「子どもの頃は、みんな虫が平気です。
 でも、子どもが昆虫に興味を持っても、
 その親が昆虫を嫌いだったら、
 昆虫館や虫捕りにも連れて行ってもらえない。
 そのうち、その子どもも虫が苦手になっていく。
 だから、虫が苦手な親でも
 子どもといっしょに楽しんでもらえるような
 昆虫館にすることが、
 未来の虫博士を育てるためには大事なんです。」


そう語る海野さんの思いが溢れた昆虫館。
ぜひ一度たずねてみてくださいね。

では、最後に、
海野さんの最高の笑顔でお別れします。
海野さん、おつかれさまでした!



せとうち夢虫館HP
 所在地:香川県丸亀市綾歌町岡田上2321番地24
 開館時間:通常 10:00〜18:00
  5月3日〜7日 10:00〜21:00
  8月5日〜20日 10:00〜21:00
※季節、イベント、企画展等により閉館時間の変動があります。
※ゴールデンウイークおよび夏休み期間は、
 NEWレオマワールド大駐車場から
 シャトルバスがご利用になれます。
 せとうち夢虫館までお問合せください。
 TEL 0877-57-1164
 入場料:大人1500円(前売1300円/団体1100円)
     中・高校生1000円(前売800円/団体600円)
     3歳以上700円(前売500円/団体300円))


ゴールデンウイーク特集は、
今回で終了です。
行ってみたい昆虫館、ありましたか?
連休中に行った昆虫館、写真に撮った昆虫など、
みなさまからの虫便り、お待ちしております!
 

2006-04-30-SUN



(c)2005 Hobo Nikkan Itoi Shinbun