第21回 クリスマススペシャル!


ほぼにちわ、シェフです。
愛されない虫の広場Rへようこそ!
え? 出番まちがってないかって?
まちがってなんか、いません!
今日は恋人達が、
かけがえのない気持ちや、愛するこころや、
いつくしむ時間をともにすごす日です。
愛されない虫にだって、今日くらい、
恋や愛やいつくしみを
持ってくれたっていいじゃない!
だから、今日は愛されない虫の広場Rの
スペシャルをおとどけすることにしました。

‥‥でもやっぱり、ちょっとは
「はなやいだ」気分も味わっていただきたいので
まずはみなさまにプレゼント!
すてきなツリーを飾りました!
じゃーん! でろでろでろでろ。

ぜひ、この画像をダウンロードして、
あなたのデスクトップに一年中貼ってね!
季節外れでもいいじゃない!
添付ファイルをともだちに送るのもいいかもね。
でも冗談が通じない相手だと怒られちゃうぞ!
あ、「ほんもの」でつくってみるのもオススメです。
クモじゃなくても、いもむしとかでもいいと思うよ!
でももっと嫌われちゃうぞ?!
メリー・レウコクロリディウム
あなたのまくらもとのくつしたに、
かわいい虫が入っていますように!

さてさて、スペシャルといいながら、
なにをするかまったく決めていませんでした。
いつものようにたのしいはなやかなメールを紹介しましょう。



大学に入ってすぐ、でした。

貧乏学生だった生物学科の僕は
バス・(ぼっとん)トイレ・台所・土間・玄関共用の
4畳半が10室、5室ずつ2列に
牛舎の様に並んでいる1部屋に下宿しました。

で、ある日差しの暖かい春と初夏の中間の日和、
「いい天気だな〜」などと思いつつ
風呂のミニボイラーの置いてある脇の
台所で歯を磨いていました。

何か後ろで音も無い気配がしました。
下のほうでした。

何気にそちらに目をやると。
蛆。
蛆の行列。お引越し。

何十匹という蛆が一団となって
細いラグビー球形を組んで
「わっせ、わっせ」とばかりに
こちらを目がけて
ゆっくりとしかし意外に速く這って来る。

ビビりましたが好奇心が湧いて
近くに寄って横から見てみる事に。

しゃがむ。
すると、僕が幼い頃に我が家のぼっとんで
たまに見かけた白いヤツと違い
1匹1匹のカラダが透き通っていて
ナカがウニョウニョってのが透けて見える。

更に立ち上がり
目を離して集団の後ろを見ると
濡れている。
「どこから来たのかなー」と
土間についた濡れた後を追うと
風呂場の脇を通り抜け、木戸の向こう、
ぼっとんの中、モリモリさんの壷の中から。

いやあ、その時はまいりました。

え、下宿ですか。
それからじきに大家さんが簡易水洗にしちゃったんで。
4年間ずっと住んでましたが
もう連中とは会えませんでした。
ちょっと残念でした。面白い見世物だったのに。

(すいみん)

わー。
1匹1匹のカラダが透き通っていて
ナカがウニョウニョってのが透けて見える!
まるで、クリスマスのオーナメントみたい!
きっと彼らは、新天地をめざす冒険者たちだったんですね。
どの子もしあわせになってくれるといいですね。
そんな気持ちをこめながら、次のメールです。

こんにちは。
今日は食材の中にいた虫のお話をさせてください。

小さい頃、缶入り粉ココアを盗み舐めしたら
何かを噛んでしまい出してよくみたら
ウジ系幼虫だったり(ひー)、
母がゲソに刺さってナメクジみたいに動く寄生虫
(アニキサス?)を取り除く様を見てから
そのイカを食べた過去がある私です。
家庭菜園を無農薬でやっているので
多少のムシは平気なのですが…。

ハロウィンのとき、一ヶ月前に買っていた
ミニかぼちゃを食べる良い機会と思い、
出刃でざっくりいきました。
すると、その中に、
白いうじ系の幼虫とさなぎが
わんさかわんさかいるではないですか!?
ペット用にミルワームをパン粉で育てている身とはいえ、
これから食べようと思っている物の中にいるとなると
やはり怖さが違います。
しかも、一匹出刃でまっぷたつにしていました。
(つぶれてる奴はかなり苦手)
桃太郎のおばあさんは、よく避けられたものです。
仕方が無いので虫部分だけスプーンで取り除いて
(つぶしそうで怖かった)
『かぼちゃ』を味噌汁と
ゴマ酢和えとニンニク炒めにしていただきました。

取り除いた部分は
ディスポーザーに流そうかとも思いましたが
生きながら粉砕されていく様を思うと
それもまた恐ろしいので
チラシで三重に囲ってごみ箱に。
成虫が何か気になるところですが
野菜の害虫を我が家に放つ訳にはいかないので
申し訳ないけれどごみ回収日待ちです。

もしかして購入してすぐ食べていたら、
卵や一齢幼虫時代の小さいこいつらを
気づかず食べていたかもしれない、
と思うと一ヶ月忘れていてよかったかも。

家人は虫も蛋白質だから加熱すれば
食材と一緒に食べても大丈夫と言いますが、
虫好きの他のみなさんは、虫食いはともかく、
虫のついた食材なんて平気ですよね?
(ゆかさん)

以前永田照喜治先生の畑に行ったときにね、
引っこ抜いた野菜を「土ごと食べなさい」と
とってもやさしくおっしゃられて、
都会育ちのぼくですが、食べたことがあります。
おいしかったんですけどね、
考えてみたら、なんというか、そういう可能性も、
あったわけですよねえ。
結局のところ「払えば、平気かもな」と思いました。
でも真っ赤なカツオの刺し身に白いウジ状の虫がいたときは
そのコントラストにひっくりかえりました。
じゃあイカならいいのかっていうと、
そうでもないけどね。
(ほんと危険だからね、それ系は!)

さあ今日はこのへんにしときましょう。
いよいよトシも押し迫ってまいりました。
来年もぜひ、身の毛もよだつ虫体験を
お待ちしております!
人体に危害のおよばない範囲でね!

‥‥えっ? 今回は画像がなくって寂しい?
しょうがないねえ、じゃあサンタさんからこれをプレゼント!
ぎっしり詰まってるよ!


クスサンの卵 コオイムシ

(検索エンジンgoogleの
 イメージ検索を利用しています。)
 

2005-12-25-SUN



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