第14回 キノコ体と変態に注目の秋。

11月になり、天気予報の締めの言葉で、
「明日は紅葉狩り日和の一日になりそうです。」
なんて言われるほど、秋も深まってきてたんですねー。
虫博士のイラストを担当してくださっている
はらだゆきこさんからも、秋の気配たっぷりの
「虫博士たち。」壁紙が届きました!
ぜひダウンロードしてみなさまのデスクトップを
飾っていただけると嬉しいです〜。

<ダウンロードはこちらから>


サイズを選んで、クリックしてください。
別のウィンドウが開きますので、
そこから画像をデスクトップにドラッグ&ドロップして
くださいね。

1024×768 800×600


ここしばらく、すっかり寄生虫に夢中になっていたもので、
秋の虫たちに目をやることを忘れていました。
(ちなみに「愛されない虫 R 」担当のシェフは
 引き続き寄生虫に夢中のようですので、
 寄生虫に関するメールもお寄せくださいね。)

秋は秋できっと不思議な行動をしている虫たち。
みなさんの周りの虫たちはいかがお過ごしでしょうか??
本日は、そんな不思議な虫たちへ寄せられる疑問の中から、
とっても気になるメールがあったのでご紹介しますね。

虫には心臓と脳、あるんですか?!

虫って、心臓あるんでしょうか?
あと、脳。
あるんでしょうか?

虫って血液ではないですよね?
ということは、心臓はないですよね?

でも目とかあるし、行動するにもなんにでも、
生きるためには脳、いるか‥‥。
脳あるんなら心臓‥‥。
でも魚とか心室とか少なかったな。
ということはやっぱり虫にはない?
「蚤の心臓とかいうやん」
と友人。いやそれビビリのことやから。
よく考えたら子供のころ
そんなの何にも疑問にもたなかったけど、
どういうことだろ。
当時は知っていたのか?忘れたのか?

教えてください虫博士!!!
虫には心臓と脳、あるんですか?!
(ちび)

う〜ん、虫の心臓と脳?!
あったような気はするけど、
そう言われればどうだったかな〜?!
と、気になってたまらなかったこの質問。
早速調べてみたところ
(‥‥とはいえ、全動物の
 種類数の80%ほどを占めているといわれる
 膨大な数の昆虫たち。
 全部にあてはまるかどうかはわかりませんが)、
虫には心臓も脳も血もあるらしいです、ちびさん!
私もスッキリしました、ありがとうございます。

あらためてハチやバッタなど身近な虫の体について
調べてみると、ほそなが〜い心臓や小さな脳が
確かにありました。

人間でいう「血」のような役割を果たしているのが
虫では「体液」と呼ばれるもので、
その「体液」を送り出すポンプの役割をするのが
「背脈管」と呼ばれている「心臓」。
なんだか生物の授業のようになってきましたが、
ものすご〜く、おおざっぱな説明ですから、
テストのための参考にはなりません。
って誰もしないですよね、すみません。

そんなことは置いといて、やはり!
一番気になるのは「脳」じゃないですか??

「脳神経節」などと呼ばれている虫の「脳」は、
人間のように柔らかくはないみたいです。
虫は飛んだり、餌を食べたり、交尾したりはするけれど、
それ以上のいわゆる人間のような、
記憶とか学習とか伝達っていう機能については
どのくらい発達しているのかすごく気になります。

有名なところでは「ミツバチのダンス」なんていうのも、
伝達のひとつとして知られていると思いますが、
そういう機能を持つ昆虫の脳の「キノコ体」という部分が
その高等な働きをするんだそうです。
なぜか、かわいらしい名前です。

特に発達しているのは「ゴキブリ、ハチ、アリ」って
わりと退治する機会のある昆虫たちだったのですが、
キャーとか言いながら殺虫スプレーを噴射している形相も
ゴキブリは記憶してるのかなあ?

「キノコ体」について驚きの事実を知っている!
という方はぜひ教えてくださいねー。



自らの肉体を一度とかして作り直す?!

このサイトを見るようになってから、
家で「何かが動く気配」に敏感になりました。
エアコンでひらっとするチラシとかも
「む、虫!?」って。

ところで同僚と虫の話をしていたら、
「虫は宇宙人に違いない」ということになりました。
やつら、幼虫から成虫になるとき
サナギの皮(?)一枚残して、中で
「自らの肉体を一度とかして作り直す」っちゅうんです。
(専門的には間違ってるかもしれんですが)
そんなんで生きてけるって…やっぱり怖い!
(大阪/かとちゃ)

え〜っ! そんなことがあるんですか??
‥‥生物の授業を聞いてなかっただけでしょうか、私。
「ほぼ日」乗組員、虫博士チームでもあるリカさんに
聞いてみたところ、
「ミノムシも中身どろどろらしいよ。」
と、私に新たな課題を残して去っていきました。
そうか〜、ミノムシもですか。
今度調べておきますね。

ミノムシは置いておきまして、
サナギについて調べたところ、
かとちゃさん、本当にサナギはとけちゃうんですね!
同僚の方はかなりの虫博士でしょうか?

サナギになって比較的初期のものは、
中がどろどろの状態になっているそうです。
サナギから成虫になるとき、
全く今までと違った体になるため、一度内部組織が崩壊し、
つくり変えられるということです。
今まで何気なく、幼虫からサナギ、そして羽ばたく!
ということで認識していましたが、
よく考えたら、まったく違う形で出て来ますもんね。
ものすごいことだと今気づきました、ありがとうございます。
変態に今後はもっと注目したいと思います。

ミノムシについても情報をお待ちしております。
よろしくお願いします〜!


今回登場した虫たちをご覧になりたい場合は、
こちらをクリックしてどうぞ。
(検索エンジンgoogleの
 イメージ検索を利用しています。)


キノコ体

 



ほぼにちわ、シェフです。
愛されない虫の広場Rへようこそ。
先週の「寄生虫特集」いかがでした?
そういえば、むかしバリ島に行った時のこと。
ちょっとびっくりな寄生虫を見たことがあります。
あの島、やったら野良犬が多いんですけど、
のんびりとした土地柄ゆえでしょうか、
犬たちも、悪さなんかしやしません。
ねそべったりうろうろしたり、
レストランの前でおとなしく残り物をねだったりしながら
ゆるゆると生活しています。
ある日、サヌール(という地区)のレストランから出て
散歩している私の前方に一匹の白い野良犬が歩いていました。
きゅ、っと振り返ってこっちをうるんだ目で見るので、
やあ、かわいいな、と思い近くに寄ると、
その子はくるりと後ろを向き
ぼくに尻を向けてすたすたと歩きはじめました。
白いしっぽがぴょこぴょこと、カワイイ。
白いしっぽがぴょこぴょこと‥‥しっぽ‥‥
あれれ? しっぽにしては細いねえ。
痩せたしっぽだねえ。
あれえ? しっぽがやけに長くなったよ。
れれれ? しっぽが急にみじかくなったよ!
「ひゅるひゅるひゅる」
と音がしたわけではありませんが、
犬の尻から自由自在に出入りする真っ白な物体。
それは寄生虫。
「うわああああああああああん」
涙目になったぼくは一目散。
バリの犬が苦手になった瞬間でした‥‥。
半日くらい食欲がうせましたが、
夕飯はうどんでした‥‥。

さてさてきょうも元気に投稿を紹介しましょう!

動物全般が好きで、鳥類も昆虫も好きな
蜘蛛を殺さない主義のワタクシですが、
苦手なモノがあります。
それは「死体」‥‥
(スミマセンみんなそうですよね。)
生きてると何ともないのですが、
死んでしまうとどうも‥‥

ある日、天ぷらを揚げ終わって、
油を冷ましているところに
ゴキくんが、ぶ〜んと飛んできて、
目測を誤ったか
レンジフードにぶつかって鍋の中へ‥‥
一瞬にして、カラッと揚がってしまいました。
ぷーっと膨らんで、外はカリカリ中は‥‥
一見美味しそうに表現できるその物体は
私の中の、奇妙な感情を揺さぶりました。

ドン引きです。

P.S. カメムシ・シェフ様、
 愛媛県には(他の県にも
 いるかもしれませんが)
 良い匂いのカメムシが居るのですよ。
 ちなみに、ハイチュウ青リンゴ味の
 匂い(?)だそうです。
 慰めにはならないでしょうが‥‥
(きゃっとにっぷ)

「一瞬にして、カラッと揚がってしまいました。
 ぷーっと膨らんで、外はカリカリ中は‥‥」
‥‥わあ、おいしそう!
ほんとにおいしそうな表現!
新鮮な材料で、からあげ!
でも食べたくなーい!
「ハイチュウ青リンゴ味の匂い」
‥‥わあ、いいにおい!
でもカメムシ! だから味はカメムシ!
食べたことないけど!

ところで、「食べる虫」ですけど、
「ユムシ」って知ってますか?
北海道では「るっつ」、
韓国では「ケブル」っていう食材。
正確には虫じゃなくて海洋触手動物なんですけど、
これがかなりすごいルックスですよ。
「知らない」けど「見てみたい」かたは
Googleのイメージ検索をごらんください。

食べるのかあ。おいしいらしいんだけど、勇気いりますね。

ではごきげんよう! また次回お会いしましょう〜!
うけけけけ。

(愛されない虫の広場Rでは、言うもおぞましい虫の話を
 いつでも募集中だよ! 遠慮なくメールしてね!)

2005-11-06-SUN



(c)2005 Hobo Nikkan Itoi Shinbun