ITOI
ダーリンコラム

<まず歌え!ほぼ日よ。>

NHK教育テレビ「未来潮流」がオンエアされて、
予想していた以上の反響が、即刻じゃんじゃん届きました。
興味を持ってなかったおかぁさんが、「ほぼ日」を見に来たとか、
インターネットに飽きかけていたけれど、
「この世界は、もう少しおもしろいんじゃないか」
と思い直したとか、特にビギナーっぽい人たちの
反響はうれしかった。

しかし、同時にいままで来なかったタイプの『投書』も、
急に来はじめた。
テレビ局への抗議の電話に近いものもあったね。
未熟なぼくらに、先輩がたがいろいろご指導してくださるのは
ありがたいのだが、ぼくらは「公器」じゃないので、
これまでどおり勝手にじぶんたちの考えでやっていきます。

みんなの意見にひきづられたら、
またまた、いままでのメディアと同じように、
「お客さんという神さま」の言いなりにならされて、
身動きとれなくさせられちゃうじゃないの?!

読者を大切にするということについて、
ぼくは、超がつくくらい慎重になっている。

ぼくは、「まず歌え」と、自分に言う。
その歌を聞いたお客さんにヘタだと思われたら、
そうかぁ、と思えばいい。
「もっとこうするべきだ、ああするべきだ」と言われたら、
なるほどなぁ、とだけ思えばいい。
拍手が聞こえたら、よろこべばいい。
「おれはお客さまだぞ!」と怒る人がいても仕方がない。
その人は「自分の歌」を歌えばいいと思う。
メールを出せる環境があるということは、
インターネットで「ほぼ日刊そのひと新聞」を
おおぜいに向けて送れるということでもある。
「いやなら来るな」と言うと、
ほんとうに生意気に思われるだろうが、
ぼくは、その
「いままでタブーだったひとこと」
を言える貴重なメディアだからこそ、
みんなが自由に自分の歌を歌えるのだと思うのだ。
これをあえて言うことこそが、ぼくの、読者を信頼する姿勢です。

ぼくは、ぼくの歌を練習し、歌いつづけることで、
わざわざこのページに
毎日のように訪ねてきてくれるお客さまを、大事にしたい。
これからも、悪声ながら、つとめさせていただきます

次回は、もっと毒にも薬にもならないことを書きたいです。
ちょっと、このところ、堅いよ、オレ!

ところで、ちょいといいニュース。
まえまえから、心待ちにしてはおりました「サポート」ですが、
ついに人手以外の「もの」がサポートされました。
いま「竹中くんを探せ!」にも賞品としてつかわれているところの
「ほぼ日Tシャツ」ですが、これは第一企画のキリンチームが、
東京糸井重里事務所の引っ越し祝いとしてですが、
プレゼントしてくれたものです。ありがとう!
ついに、「ほぼ日」くん、稼ぎましたねー。

1998-09-21-MON

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