DAD
昼間のパパは、男だぜい!

第2弾その1
「金平糖工場からのメール」

こういう知らせは突然やってくるもんですな。



ほぼ日刊イトイ新聞様
どうも初めてメールさせていただいております。
東京下町で金平糖を製造しております
エビス堂製菓工場(代表:持田康弘)と申します
(メールを書いているこの私は、その妻です)。
ようやっと念願の金平糖のホームページを
開設したのですが、昔ながらの味“金平糖”に
興味を持ってくれる人がなかなかいません。

以前ほぼ日で“かりんとう”を
はやらせて(?)いましたね。
どうか、どうか、地味でも良いですから、
金平糖ブームを起こしたいのです。

金平糖はごぞんじですか? お好きですか?
今の若い人たちは、金平糖を知っているのでしょうか?
また、東京都に“手造り金平糖”で
頑張っている工場があることをしっていますか?

糸井さん、スタッフの方々、
ダイニング部の方々、マリーな部屋の渡辺さん、
金平糖、見つめ直してみませんか?
どうか、お返事ください。
よろしくおねがいします。
妻、持田美千代

追伸、もし金平糖に興味がわきましたら、
下のホームページ見てみてください。

エビス堂製菓工場
代表:持田康弘
http://www.ebisudo.com/



金平糖、そういえば、もう何年も食べてないなぁ。
ってゆーか、この前食べたのがいつだったかと
訊かれても、忘れちゃってて答えられないですよ。
で、懐かしさ半分、妻からのメールってとこに
演歌チックなというか、グッときちゃったの半分で、
すぐにホームページを見てみました。

「こんぺいとうとは?」……、
なるほどー、ポルトガルから来たのね。
織田信長も食べてたのか。

「金平糖の作り方」……、
巨大なフライパンが回ってるよ、
へぇー、なるほどぉ、ナニ!
10日間ほどかけて少しずつ大きくしていきます、だと!

さらに詳しい作り方の解説に進んでみた。
これは全自動機械じゃ作れないわな、手作りになるわけだ。
こんぺいとうの成長過程というコーナーがあって、
金平糖が大きくなっていくのが連続写真で紹介されてる。
へぇー、こういうもんなの、金平糖って。
しっかし、1日で2、3ミリしか大きくならないのか。
10日もかかるって、尋常じゃないよなぁ。

そんなわけで、
「へぇー」とか「なるほどー」の気持ちでもって、
返事のメールを出したわけです。
翌日だったかな、またメールが届いたのは。



ほぼ日のおかげで、エビス堂のホームページの人数が
着々と増えつつあります。
ありがとうございます。
皆さんが、読んでくださっているのですねー。
ありがとうございます。
(今まで1日3名くらいにしか見てもらえなかった……)
私と主人がメールチェックをするので、
ほとんど身内ばかりが見ていたという感じだった……。
なんだかうれしいです。ありがとうございます。
うれしかったので、わたしもお礼に(のつもり?)
”銀ガツガツ拡張員”のつもりで
弟にほぼ日勧めてみますね。
私たちもほぼ日にお礼がしたい!!
なにかできること、ありますか?
持田美千代



ちょいと解説しましょう。
「ほぼ日のおかげで、エビス堂のホームページの人数が
着々と増えつつあります。」と書いてありますが、
べつに、ほぼ日に掲載したとかじゃないんです。
「皆さんが、読んでくださっているのですねー。」
とあるように、スタッフが見てただけなんです。

初めてエビス堂製菓工場のホームページを見たときは
カウンターがつけてあって、私が61人目でした。
で、同僚のグッドマンが「なになに?」って
見たときが、たしか65人目でした。
その前にdarlingも見てます。ギムラも見ました。
だから“増えた”といっても4、5人ですよ。

で、次の日も行ってみると数字が3増えてるのよ。
グッドマンに「もしかしてまた見た?」って聞くと、
「あー見たよ」っていう。またオレらかよって、
そういうのが感激されてると思うと妙に楽しくてねー。
なおかつ、グッときちゃうのよ。

金平糖の作り方そのものは、
darlingはテレビで観たことあるらしい。
それでも10日もかかるってのには、
あらためて「10日もかよ、すごいよなぁー」って
おどろいてました。
僕なんかは、機械からポロポロ出てくるもんだと
思ってたから、“手作り”ってのが意外だったし、
たかだか直径1センチくらいの金平糖を作るのに
10日かかるって、どういうことよ? って思いました。

で、メールの最後に
「なにかできることありますか?」って書いてある。
あります、あります。
ぜひ、金平糖工場を見せてください!
さっそく取材の申し込みをすると、
「どうぞ、どうぞ」という、ありがたいお返事。
取材の日取りや、場所の確認のやりとりのなかで、
「ものすごく暑いですから、タオルをお持ちください」
というアドバイス。
挑戦意欲をかきたてられましたねー。

そして、その日がやってきた。
東京下町、北千住駅から乗った路線バスは荒川を越えた。
めざすは金平糖工場なのだ。
(つづく)

1999-07-09-FRI

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