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イナカモン外伝、逆襲のサガ。
都会の正体とはなんだろう?

<痔・エンド>

今、私の手元には
奥田先生に焼き増ししていただいた、
自分の肛門のスライドがあります。
手術に際して撮っていただいたわけですが
おしり全部が写ってるんだとばかり思ってたら、
しっかり、穴(*)だけでした。
患部だけ、ばっちりアップ。

(学会用だから当然なんだけどね)
かっ、かわいくねぇぇ〜。
とても公開なんかできねぇ!
私にとっても、見る人にとっても
肛門科関係者以外の生きとし生けるもの
全てにとって、この写真は罰ゲームすぎるって。


そんでこの写真、どこへ保管・封印すれば
素敵な思い出になるんでしょう。
嫁入りには持っていくのか?
棺桶には入れてもらうのか?
とりあえず捨てたくはないんだけど、
写真立てに飾るものでもないだろう?
いつか、大切な人に見せて、二人で笑うことにでもするか?
「ねぇ、見てちょうだい、私の若かりしの肛門よ!」

・・・逆・三行半。

とりあえず手術から2週間で、痛みはほぼゼロ。
その代わり、今、とってもかゆいです。
痛み:かゆみ=1:9。
人前で痛いのは「痛い!」って
素振りをしてればいいんでしょうけど、
かゆいのは、大胆にぼりぼりと掻くわけにもいかず・・・。
はぁ〜、でも痛いのよりはいいかぁ。
治れ治れ、どんどん治れよ〜。

さて、今回は皆様からの質問メールをいくつか
ご紹介しますね。

闘病生活、ご苦労様です。
戦いは終焉を迎えているようですね、お疲れ様です。
楽しく拝見させていただいていますこのコーナー。
何故、興味があるかは聞かないで欲しいのですが。
実は、私も多少怪しいのでは? と感じる事が数回。

それで迷惑なお願いかもしれませんが、
サガコさんが痔を自覚する要因は何だったのでしょうか?
・・・恥ずかしいですか?・・・
スミマセン。
(t)

いいんですよー。
恥ずかしいですけど、そんなもん今更だわよ。
さばっ! とお話ししてしまいますよ〜。

今を遡ること五年ほど前。
私はセーラー服のそこそこ似合う
女子高生でありました。

夏の日の朝、学校へ行く前に、
トイレで普通にお通じタイム。
いつものように「う〜ん」と頑張って、
「ふぅ〜」と腰を上げたなら、
便器が真っ赤に染まってる。
「・・・・・・生理?」
にしては、タイミングがどう考えてもおかしいし、
それにどうも出血している場所が違うっぽい。
これはまさか、これはまさか、これはまさかっ!
「・・・・・・ぢ?」
ぴんぽーん。

 はじめまして〜、痔でーす。
 ご挨拶代わりに、分かりやすい血液で
 存在をアピールしてみました〜。
 長いおつき合いになりまーす。
 よろしくね〜。


お尻の穴から、そんなメッセージが聞こえてきそうでした。
便器は真っ赤、顔は真っ青。
「ひえーっ! お父さん、お母さん、大変ばーいっ!」
と、突然の運命共同体の出現に
慌てふためいてトイレを飛び出す私。
(注:ちゃんと拭いてから)
これがおそらく、初対面だったなあ。
それまでは微塵も、気配なんてありませんでしたよ。

当時、痛みがないからって、
病院には行かなかったんですよね。
やっぱり恥ずかしかったですもん。
だけど、この段階で病院に行ってたら、
手術せずにお薬で治せていたことでしょう。
ま、今となってはだいぶ、後の祭りですけども。
とりあえず、そんな出会いでありました。
参考になる?

さて、次のメールです。

痔は、遺伝するんですか?
オヤジもおふくろも痔で、俺、怖いんす。
(匿名希望)


うーむ、これは先生にお聞きしてみましょう。
奥田先生、お願いしまーす。

「痔になりやすい体質は似るようですね。
 若くして手術になった患者さんに聞くと
 『実はオヤジも手術して・・・』
 なんて事が多いようです。」


だそうです。ふむふむ。
とりあえず痔に関しての専門的なことについては、
繰り返しになりますが
奥田先生のHPを参照なさってみてください。
(http://www2b.biglobe.ne.jp/~dr-ok/)
大概の悩みは吹っ飛ばせると思います。

こんな応援メールもいただいちゃいました。

はじめてお便り申し上げます。
私は広島県で「富久長」という日本酒を造っております。
「日本酒が飲みたい」と連載の文中にあり、
なんのお足も払わずに毎日拝読しておりましたので
恥ずかしながら私の造ったお酒をお送りしたく思いました。
日本酒好きと分かって、ものすごくうれしかったです。
サガ子さんと同様、東京の大学に入り
(私は明治大学でした)
そのまま東京で仕事をしていたのですが、仔細あって
33歳のとき実家の酒蔵を継ぐことになりました。
ついては経営者としてだけではなく自分で造って売ろう、と
酒造りをはじめ7年目の冬が終わりました。
「ほぼ日のれん会」に参加してみたり、
なんとか同世代に日本酒の魅力を伝えたいと
思っているのですが、なかなか思うようにはいきません。
努力不足ばかり感じる毎日です。
だからかもしれませんが、
日本酒が毎日最大限の力で仕事をしていらっしゃる方に
好かれているかと思うと本当にうれしいです。
それはもう、こうあって欲しいと思う理想ですから。

今後ともご活躍を楽しみにしております。

<清酒 富久長 醸造元 今田酒造本店
 製造部長 今田美穂>

このようなメールをいただきまして、
「おお、お気持ちだけでも嬉しいなぁ」と思っていたら、
金魚アキンド西本氏から
「お酒届いてるよー」の一報があって、驚き!
ひゃあ! ありがとうございます〜。
次回の「イナカモン座談会」の時にでも、
ガッと開けて、みんなでいただきます。
分けよう分けよう、一つのお酒を、みんなで飲もう。

私、お酒の「一人じゃ飲みきれない」っていう容量って
すごく好きなんです。
ワインのボトルや、日本酒のボトル、一升瓶は
なかなか一人じゃ一本全部は空けられない。
(大酒のみの人にとっては話が違うかもしれませんが)
あれって、何となく「複数のために」というのが
前提にされてる容量ですよね。
その前提が素敵だと思うわけです。
品があると思うわけです。
その酒があるだけで、人と約束することもできるんだもの。
「おいしいお酒があるんだよー」ってそれだけで、
誰かと会うことが出来るんだもの。
素敵な飲み物だと思ってます。

でも、とりあえず痔が完治してから、ね。
それまではおあずけ。傷口、腫れちゃうから。

さてさて、長々とおつき合いいただきました「入院編」も
このへんで一区切りっぽいです。
今回のネタが衝撃的であった分、
次はまた、ほよよ〜んとしたテーマでお会いできるなら、と
思います。
「痔のサガコ」とか
「痔が一番良かった」って
言われないように頑張ることも、
これからの私には必要でしょう。


まだまだ、佐賀に帰るわけにはいかないの。
全てを超えて、やるしかないの。
頑張りますぜ、いま少し。

最後に。
今回の連載には、私の主治医になってくださった
社会保険中央総合病院 肛門科医長 奥田哲也先生の
多大なるご協力がありました。
深く深く、感謝いたします。
先生、今度ゆっくり飲みましょうー。
「エッチと痔はどのように関係あるのか?」など、
どーしようもなくて、
すごい話を是非! 議論いたしましょうぞ。

では、また。
きっと、すぐに。。。
どうもありがとうございましたー。

2001-05-10-THU
TANUKI
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