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イナカモン外伝、逆襲のサガ。
都会の正体とはなんだろう?

<日曜日の病院>

入院六日目。日曜日。
朝、目が覚めると、
向かいのベッドの妊婦さんがいらっしゃらない。
ハテナ?と思っていたら、なんと今朝、
2490グラムの男のお子さんを出産なさったとのこと!
うひょーっ!おめでとうございます〜。
何だかこっちまでハッピーな気分になっちゃいました。
新生児室に行ってみたら、まだ肌がよれよれの、
生まれたての赤ちゃんが眠ってました。
お腹からこちらの世界まで、長旅、お疲れさん。
これからがまた長旅ですけど、
痔にいたらない、素敵な人生送ってくださいね〜、なんて
祝福の祈りをささげてみたりなんかして。
(いい迷惑?)

今日は残念ながら入浴お休みの日。
単調な入院生活の中で一番の「お楽しみイベント」が
無いのは、いささか淋しいものです。

お風呂場では、心おきなく「座浴」ができるんですよ。
これは、大きめの洗面器にお湯を張って、
そこにお尻をつける、いわば"おしりのミニ風呂"。
体育座りみたいにしてやるんですけど、
お尻の血行が良くなって、
すっごく気持ちがいい。
傷も清潔に出来るし、いいことずくめ。
はー、だけど、今日はそれもちょっと無理そう。
トイレのウォシュレットで、清潔を心がけようっと。
(これだけで清潔度がずいぶん違うんですって。
やっぱりお通じの後は洗った方がいいんですって)

お通じもかなり楽になったけど、まだまだ油断は禁物。
なるべく安静に、安静に。
この原稿も、ベッドに寝そべって書いてます。
おかげで、傷はかなり落ち着いてきたようです。

そんなこんなしてたら、携帯電話にメールが。
うわ!イトイさんからだ!

「ほぼにちわ。イトイです。
 苦心の原稿ありがとう。
 何と励ましていいかよく分からんが、
 健闘を祈ります」

糸井重里さんから痔の手術の励ましメールなんてもらったの、
世界広しといえども私ぐらいじゃなかろうか・・・。
ありがとうございます。
この原稿が、ゴールデンウィークの「ほぼ日」閑散期を
少しでも華やかに彩ることが出来たなら!
わたくし、これ以上の喜びはございましぇん。

ところで、今日はお友達にとんでもないことを依頼しました。
自宅の鍵を渡して、一言。

「あのさ・・・頼みにくいんだけどさ・・・
・・・うちのトイレの型番とサイズ調べてきてくんない?」

・・・あのですね。
退院日にあわせてウォシュレット取り付けることにしたんです。
ちゃんと温風で、お尻を乾かせるヤツ。
痔の傷が癒えない間はもちろん、
今後の生活にも「あった方がいい」のは確実だから、
この際、無理してでも買おうと思って。
座浴もいいけど、ウォシュレットのが便利ですしね。
で、出来れば退院してすぐに使えた方が、
傷の手入れにも便利なわけで。

しかし、だからって友達に
「自分ちのトイレの型番とサイズを調べさせる」ってのは
なかなかに最低ですわ・・・とほほほ。
つき合わされる友達も可哀想すぎ。

しかし、彼女はとても素敵で、嫌な顔一つせずに
「いいですよー、まかせてください。
あ、私メジャー持ってますから」
と、メジャー持参でうちのトイレと病院とを
往復してくれたのでありました。
嗚呼。
いいお友達に恵まれて、
私は何て幸せなんでしょう。
おかげでどうにか、
退院日にウォシュレットがつけられそうです。
ありがとう、友よ!

退院したら、絶対食べ放題行こうね!
おごるからね!
お酒はダメだよ、お尻腫れるから。。。

2001-05-04-FRI
TANUKI
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