好きな人の言葉は、よく聞こえますか。
補聴器って、あるのは知っていたけれど。

皆さんからの声です。


ほぼにちわ。通天閣あかりです。

耳からのコミュニケーションを見直そう、
というテーマで、はじまった
「Communication AID2002」
6月6日の「補聴器の日」にスタートしたとたん、
たいへんな反響をいただきました。

この新聞広告を見て、このページを
読んでくださったかたもいらっしゃいました。


新聞に掲載された広告
(読売新聞東京版に掲載されたタイプ)


真剣なメールをくださった、たくさんの皆さま、
本当にありがとうございました。
さまざまな立場の方々が
これほどまでに内容の濃いメールをくださるとは、
あらためて身のひきしまる思いでした。

とにもかくにも、まだまだ始めの一歩を踏みだしただけ。
ここからこのキャンペーンは波紋を広げていく。
ということを実感しております!

第1回に掲載されたdarlingの考えに対して、
どのような声が返ってきたのかを
今日は、ご紹介していきたいと思います。

今回いただいたメールの内容について、
どう感じたか、darlingにも聞いてみました。





みなさん、本当にありがとうございました。

補聴器のことをよく知っている人からのメールが
すごく多かったですね。
それから、近くに耳に不自由な人がいて
コミュニケーションがとりづらいことを
経験しているという人からのメールも多かった。

その両方を読んでわかったのは、
全く補聴器のことを知らない人からしてみると、
補聴器をつけさえすれば、
すぐに健聴者と同じように聞こえるんじゃないか
っていう風に思いがちなんだけど、
実は、補聴器は、完全に頼れるような
スーパーな道具じゃないってことなんですよね。


わが夫は、78歳、体力、気力とも
20歳は若いとおもいます。

健診はすべてフリーパス、一人で海外、国内旅行に
でかけます。ささやかな音楽活動もしています。
前から耳鳴りがあって、歳をとると難聴になるよと
耳鼻科の医師に予言されていました。
数年前から補聴器を使い始めました。

外野の声はいろいろで、雑音まで拾うから
頭が痛くなるということこそが、
一番強力な「雑音」でした。

ところがどっこい、
現在のこの業界の技術的進歩はすごいですよ。
勿論、医師と、取り扱い店から、本人に、
納得のいく説明が充分にあってのことですが、
コンピューターの時代、
本人にやる気さえあれば、
非常によい効果があります。

形は多種にわたりますが、
彼のは耳の中におさまる超小型、
片方だけで1年間位使用した後に、両耳につけました。
本来大らかな性格の人ですが、今では違和感もなく、
寝る時に外すのを忘れてしまう位です。

難聴は、年寄りだけの問題ではありませんが、
本人の強い意志があれば、使いこなせるものですから、
補聴器についての情報をもっと発信して欲しいですね。


父が高齢になって、しだいに耳が遠くなりました。
そして補聴器を買い、2度ほど買い直し、
しかし、今それは結局どれも全く使われていません。
使いづらいらしいのです。
常にガサガサと雑音ばかりがうるさくて、
聞きたい声は聞こえ難いらしいのです。

私もはじめ、補聴器はメガネと同じだと思っていました。
メガネも、多少の不便はあるものの、
かければ視力は補える。
同じように補聴器も、聴力だけに関して言えば、
つければパッと普通に良く聞こえるようになるものだと
思っていたのです。
でも、そう簡単なものではないようです。

もちろん、「慣れ」もあると思います。
向き・不向きも、
たまたまそれが合わなかったというような事も。
でも補聴器って結構高いんですよ。
10万軽く超えるような高価な物なのです。
それを、買っても上手く使えずにいるんです。

父は若い頃、やはり耳の遠くなった田舎の母親に
補聴器を買って贈ったそうです。
でも、祖母が、どうやらそれを全く使ってない様子に、
当時の父は、折角買ってやったのにと、怒っていました。
その父が今度は自分の補聴器を買い、
うまくいかず数回買いかえ、
そしてやはり、同じく使わなくなってしまったのです。

補聴器が、聴力障害の方にどれだけ大きな役割を
果たすものか、その重要性はわかります。
でもメガネと同じように、健常者と同じレベルまで、
簡単に矯正できるようなものでは、
きっとないのだと思います。

もちろん「かっこいい補聴器」、大賛成!
でもその前に…。
これだけ技術の進んだ中で、
そんな簡単にポンッと機能が改良できるとは
思いませんが、まずは補聴器を知ることから。

そして、父が欲しいと思うような、
父がちゃんと使ってくれるような補聴器を、
今度は私が贈りたいです。


メガネっていうのは、
「かける」っていう使い方だけでいいんだけど、
補聴器の場合には「使う知識」が必要なんだよね。

補聴器をつけると色んな音が全部平均に聞こえちゃう
っていう問題があるけど、
ほんとは、もともと人間の耳ってそうできてるんですよね。
それを脳が処理してるんですよね。
聴く音、聴かない音を分別してるってことらしい。
たしか、「パーティ効果」ってやつだよね。

例えば、普通に生活してるときに
時計のコチコチいう音って聞こえてないけど
みんなが黙ると聞こえるじゃないですか。

そういう処理をしてるのは、脳でしょう。
だから、補聴器のことも、
脳の知識をもってる人といっしょに
考えてみたいなって思いました。

ひょっとしたら補聴器も、使い慣れてる人は
使い方のコツを知ってるんじゃないかな?
そんなことをもっと深く知ってみたいですね。
最初はきっと雑音を感じて、いやだと思うんです。
不快なんだろうと思う。
でも、使い慣れてる人は
そこを上手に処理できてるんじゃないかな、
という気がするんです。

メガネでもそうじゃないですか。
作ってつけたすぐの時って、疲れるとか。
それと同じことがあると思うんで
そのへんをもうちょっと知りたいですね。


祖父が耳が遠くなり補聴器を付けています。
もう90歳になるので「年齢的から来るものだ・・」と
病院にも行かず勝手に決めています。
とってもお洒落な祖父で、デザインも吟味して
なるべく小さい目立たないものを使っているのですが、
一番気になるのは金額ですね。

30万とか言ってましたよ。
もっと安いのも有ると思うのですが。

それでもちゃんとは聞こえなくて、
話を違って理解してしまったりしています。
2歳の姪(曾孫)とお互い半分くらいしか判らず
話している姿は微笑ましい!?のですが。

どんなに素晴らしいものがあっても、
金額が高ければ使える人は少ないと思います。



やっぱり、数が少なすぎるよね。
少なければビジネスになりにくいわけで。
値段も高くなっちゃうし、改良の速度も遅れる
っていうところがあると思う。

そのあたりのことでも、
やっていくことがたくさんありそうだ
という気がしています。


私は現在37歳の男性ですが、
補聴器を30年近く使っており
仕事も補聴器の販売店をしております。
私自身、補聴器を使わないと
普段の会話も困るぐらいですが
補聴器のおかげでなんとかなっています。

今は高齢化もあり、
聴こえに悩んでいる方はすごく多いです。
でも「補聴器」って、
名前やイメージ的にもスマートでないせいか、
聴こえに困っていても使うのに抵抗があったり、
さらに勇気をだして使ってみても、
これがまた自分の思い通りに聴こえなくて
イライラし、結局やめてしまう方が多いのも現状です。
一般的には、つければ即、
快適に聴こえるというイメージがありますが、
実はメガネと違ってなかなか難しく大変です。

あと「補聴器」というと、
どうもネガティブなイメージをもたれがちですが
ほんとはそれを使う事により
コミュニケーションに加わろうとする
すごくポジィティブなものなんですけどね。

ですから隠すんじゃなくて見せる補聴器、
私もそれが早くできないかと思っています。
ティファニーだとかエルメスあたりで、
おしゃれな補聴器作ってくれないかな(笑)。

きこえが不便な人や補聴器をつけている人と
話をする時は、大きな声で話す事よりも
「ゆっくり話す」という事が大事です。
その方が聴き取りやすくて助かります。
そして必ずその人の目を見て話す。

要はなんとかしてその人に
伝えようという気持ちが一番大事です。
そして聴く人もなんとかして聴いてやろう
という気持ちで聴くと聴き取りやすくなります。

よく難聴の人に話しかけても
上手く伝わらず話をやめてしまうという事を聴きますが、
そんな時、聴く方は見放されたような疎外感というか、
たまらない寂しさを感じます。
でもせめてその時に
何とか通じ合おうという気持ちが伝われば、
例え全部が聞き取れなくても寂しさは感じません。

どうかこのキャンペーンで、
聴こえに悩んでいる人が1人でも多く
補聴器を使いこなしてもらい、
まわりの人もどうすればもっと上手く伝えられるかが
広まってくれればと期待しています。


「見せる補聴器」というものを、自分も考えてました。
渋い赤のヤツが欲しいなぁとか。
人によっては自分でカラーリングを施して
楽しんでる人もいるみたいですよ。

補聴器はずいぶんと小さくなり
目立ちにくくなっていますけど
逆に、聴こえにくい人なのだということを隠してしまって
不便だったり、危険な場合も
ありうるのではないでしょうか。

つけている人が、つけていることを気にならなくて、
周りの人も適切なコミュニケーションを
とれるようなものにすることはできないものかしら?

36歳男の聴覚障害者の者です。
実は私も補聴器をしていまして、
これがないと日常生活に困るという必需品です。

いまでこそ、朝から晩まで補聴器をつけていますが、
中途失聴者ですので、
当初つけ始めた頃は、人目を気にして、
会話をする時だけつける毎日だったのですが、
ようやく自分の心のわだかまりが解けて、
今では、堂々と人目をきにせず終日しています。

この「人目を気にして」というのは
補聴器はお年寄りがはめているイメージがとても強く、
めがねほど若者にとって市民権を得えていなくて、
自分がすっごく惨めな状態になりがちなんです。
(だから、耳かけではなく、
 耳穴にはめる補聴器が主流なんです。
 しかし、私みたいに耳内の湿気が多い人は
 耳穴型の補聴器ではすぐ壊れてしまいます。
 だから結局耳かけ型しか買えないので
 特に人目を気にします。)

じつは私もかっこいい補聴器が欲しいのですが、
いまだにメーカーは作ってくれません。
補聴器を隠す「肌色」ではなく、
補聴器もかっこいいんだぜと言わせるような
鮮やかな色で作ってもらいたいなあと願っています。


やっぱり、補聴器をつけていると、
周囲の人の視線が耳に張り付いているのを感じます。
別に偏見とかではないんでしょうけど、
「それ何?この人なに?」というような・・・・。

私の周りの人は、補聴器をつけていたって、
私が普通の人だということをわかってくれてますが、
まだまだ補聴器そのものの存在を知らなかったり、
老人が使うものというように思っている人が
圧倒的だと思います。


今回みなさんからいただいたメールで、

1.使い方の知識を増やしていかなきゃならない。
2.器械そのものを改良していかなきゃならない。
3.補聴器に対する見られ方、捉えられ方を
  変えていかなきゃいけない。


その3つがあるっていうことが改めてわかった。
ぼくたちが直にできることは、3番目だと思うんです。
でも、実は3番目を変えていこうっていうときに
1番目、2番目っていうのも
大きく変化していく可能性があると思うんですね。

そして、皆が、
「ほぼ日」でできることに限界があるのを知っていながらも、
大きな期待をしてくれてるっていうことを、
メールを読んでいて強く感じたんです。

その期待にすぐに全面的に答えられるはずは
ないんだけれども、少なくとも、
いま、寄せられてる意見っていうのを無駄にしないように、
ぼくらができることを精いっぱいやろうと、
改めて志を固めました。

<daling>




みなさんからのメールを読めば読むほど、
たくさんやるべきことがある、
ということを感じています。

まずは身の丈で、できるところから始めていきたいと
思っています。

このキャンペーンへのご意見を
メールで受け付けています。

aid@1101.comまで、よろしくお願いします!




補聴器のことをよく知りたい


補聴器メーカー協議会の人に聞いてみました。

補聴器、補聴器と言いますが、
一体どんなタイプがあるのですか?



大きく分けて、以下の5つのタイプがあります。
今、世の中で一番普及しているのは、耳あな形です。

耳あな形

耳の中に収まるタイプで、
目立たないのが特徴です。
すっぽりと耳の中に入って
外から見えにくい小型のものや、
耳の入り口までくる
大型のものがあります。
耳の形状ときこえの程度にあわせて作る
オーダーメイドタイプが一般的です。
耳かけ形

耳にかけて使います。
操作は比較的簡単ですが、
汗が入りやすいという難点もあります。
ポケット形

本体をポケットに入れて
イヤホンとコードでつなぐタイプです。
操作は比較的簡単で、
機種によっては高出力も得られ、
大きな音量が出せますが、
コードがじゃまになったり、
衣ずれ音が入ったりする難点もあります。
メガネ形

メガネのツルの部分に
補聴器を内蔵させています。
メガネと併用できる利点はありますが、
レンズと補聴器の両方を
調整する必要があります。
特殊補聴器

以上4種類のほかに、
騒音下での使用が効果的な
FM受信器を内蔵するものや、
高音域の子音をききとりやすいよう
周波数を圧縮するものなど、
特殊な用途に使う補聴器もあります。


やっぱり、耳あな形を使っているかたが
一番多いということでした。
目立たないようにすることが、
果たして本当に利用者にとっていいことなのかどうか、
今後考えていきたいところです。

このコーナーでは、
補聴器に関する質問を受け付けます。
件名に「質問」と書いてaid@1101.comまで
お送りくださいね。

ほな。

2002-06-14-FRI

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