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july2014
ある日の日記(18)


王立裁判所の入り口。
ヴィクトリアン・ゴシック様式で、1870年代に建てられたもの。

ロンドンの中心部に、重々しい存在感を放つ
The Royal Courts of Justice(王立裁判所)。
人生において、
私用でここのお世話になるようなことは避けたいものだと
前を通るたび思うが、この界隈は、
建物や店のひとつひとつに歴史があり、ユニークなので
物見遊山でぶらぶらするにはとても楽しい。



同じく裁判所の建物の一部。城のよう。



大通りのモニュメント。



世界的に知られるイギリスの紅茶ブランド、
トワイニングズの本店は、王立裁判所の向かいにある。

当然のことながら、このエリアは司法関係の店が多い。
例えば、法律の専門書籍のみを扱う書店、
英国法廷で伝統の、かつらや法衣を販売する店、そして
弁護士や裁判官や検事御用達のイングリッシュパブなどだ。
中でも私が一番気に入っている強烈な店がここ。


王立裁判所の裏にある、ガストロパブだ。
窓辺には法廷用のwig(かつら)をつけた人形や
動物の剥製などが怪しく飾られている。
パブとは、イギリスではビールなどが飲める酒場のこと。
ガストロパブとは、レストランを兼ねたパブのこと。

夜に見ると怖い。

店内の壁には、裁判官のアンティーク・プリントも。


壁に埋まったような気分になる、ひとり掛けの席。
前回訪れたとき座ってみたが、ものすごい圧迫感だった。

じつは、店員たちはそんなに愛想は良くないし
掃除が足りていないところも多々あって、
厳しい評価を残すひとたちもいるようだが、
ご飯はイギリスの素朴な家庭料理という感じでなかなか美味しい。
そして、私のもうひとつの目当ては
店内のどこかで大抵とぐろを巻いている、店主の猫だ。



この猫は、首にエリザベス1世を彷彿とさせる
白い襟をつけているうえ、初めて見たときは
写真のように窓辺に寝そべり微動だにしなかったので、
私は剥製のひとつだと思っていた。
すると、急にむくりと起き上がったので
飛び上がるほど驚いたものだ。
椅子の上で寝ているときもあり、
今日は居ないのかしらと姿を探していたら、
急にカウンターの後ろからひょいと現れることもある。


こういう、クレイジーと紙一重な個性が炸裂した店が
路地裏という立地でありながら、
しっかりと生き残っているロンドンを
私は心から愛するのだった。


2014-08-27-WED

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