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ある日の日記(3)

ウィンブルドン選手権は、名前のとおり南ロンドンの
ウィンブルドンという町で今まさに開催されている。


大小のテニスボールがディスプレイされた、ロンドン市内のホテルのティールーム。

私がウィンブルドン選手権を観に行ったのは過去に1回きりで、
2000年のアンドレ・アガシ対ジェローム・ゴルマードの
センターコートでの試合だった。

頑張って手に入れたチケットだったが、
あまりテニスに詳しくない私は、
アガシの名前こそ知っていたものの
対戦相手のゴルマードについては全くの勉強不足で、
試合開始前は向かいの席に座っていた
俳優のトム・クルーズがむしろ気になっていた。(失礼な話である)

それでも試合が始まってからは、
コートに響くテニスボールの弾ける音と選手の息づかい、
固唾をのんで見守る客席の緊張感にすぐひき込まれた。
そしてアガシは、ゴルマードのボールを鮮やかに次々とはね返し、
彼を右へ左へと容赦なく走らせた。

ウィンブルドン選手権の会場は、
センターコート以外にもテニスコートはいくつもあって、
連日、大勢の選手が試合に臨んでいる。
けれども、実際のところ、
イギリスのTVやラジオでじっくり中継されるのは
どうしても歴史あるセンターコートが中心となっている。

ゴルマードもセンターコートにのしあがってきたほどだから、
相当優れた選手に違いなかった。
けれども、アガシはまるで赤子の手をひねるように
彼に勝利してしまったのだ。アガシの強さは圧倒的だった。

今日ロンドン市内でアフタヌーンティーを注文したら、
こんなケーキが運ばれてきて13年前のあの日を思い出した。
試合は今週日曜が最終日。そのあと、イギリスは本格的な夏を迎える。


ウィンブルドンのテニスコートとボールをイメージしたケーキ。


2013-07-06-SAT

 
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