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ある日の日記(2)

エドワード・ゴーリーのイラストが好きで、
彼が挿絵を描いている本を
今日もふと読みたくなって引っ張り出してきた。

ゴーリーのイラストには、フラッパー・ドレス(※)といった
私が大好きなアール・デコの洋服や、
更にそれ以前の時代のファッションが描き込まれているときがあって、
眺めているだけでにやにやしてしまう。

といっても、彼が自分でストーリーも書いた絵のほうは
「残酷さ」や「救いの無さ」のインパクトが強く、
大人向けの作品としてその試みを高く評価する気持ちはあっても、
幼い子どもには見せられないものが多い。
だから、親子で楽しみたかったら
内容に注意して本を選ぶ必要があり、
その結果、家族が集まる我が家のリビングの本棚に
置いているのは主にこのあたりだ。
(いちばん右の本も、子ども向けかというとむずかしいところだが…)

 
左から『GOREY GAMES』『You read to me, I'll read to you 』
『THE SHRINKING OF TREEHORN』『THE DONG WITH A LUMINOUS NOSE』

とくに、エドワード・ゴーリーの作品をもとに、
ラリー・エバンスのパズルや迷路や間違い探しといった
ゲームの要素を加えた『GOREY GAMES』は、
ゴーリーの絵で遊べる嬉しいつくりになっている。
こういうゴーリーの楽しみ方もあっていいと思う。



「GOREY GAMES」の中身。木の幹が迷路に。

エドワード・ゴーリーはアメリカ人で、
マサチューセッツ州にある生前住んでいた家は、
現在「The Edward Gorey House」という名称で
ミュージアムとして一般に公開されている。
私は今そこへ行きたくて仕方がない。
何しろ(数はどれほどか分からないが)ゴーリーが蒐集していた
アンティーク・ジュエリーのコレクションも展示されている、
という噂なのだ。

The Edward Gorey Houseの住所をみると、
8 Strawberry Laneとあった。
日本語に直すと「苺通り 8番地」か。
ぞっとするような、
あるいはナンセンスなものを題材にした作品群とは裏腹に、
そんな可愛い名前の通りに住んでいたなんてところも、
私はいいなと感じるのだった。

※フラッパー・ドレス/
 1920年代に流行した、縦に直線的なシルエットの、
 ローウエストだったり、ビーズなどで装飾されたエレガントなワンピース。

(七月の更新へ、つづきます)

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2013-06-21-FRI

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