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私をリングサイドに連れてって。

悪いなりにTKO防衛!徳山V5達成!

現在日本で最も安定している世界王者は
文句なくWBC世界S.フライ級王者の徳山昌守だ。
2000年8月の王座奪取からすでに2年間、
計4回の防衛に成功している。
あまり注目されないがこれは、
近年にはない安定政権である。
何が凄いのか?
それは左ジャブと距離感。
強打でなぎ倒す選手ではないが、
そのパンチの的確さで
ペースを常に握ってしまうボクシングは素晴らしい。

その徳山5度目の防衛戦となる
WBC世界S.フライ級タイトルマッチ
「徳山昌守×エリック・ロペス」
8月26日(月)、さいたまスーパーアリーナで行われた。

挑戦者のエリック・ロペスはメキシコのファイタータイプ。
すでに11敗もしているので、
徳山の楽勝ムードも流れていた。
だたし番狂わせはこのような場合に起こるものだ。

2万人の入るスーパーアリーナで
6000人の観衆はやはり寂しい。
2日前の両国国技館は1万人で熱気に溢れていたから
なおさら強く感じてしまう。
しかし徳山には在日北朝鮮同胞たちの
強い応援がついている。
この日も会場の一角、というより、反対側スタンドは
民族衣装をまとったブラスバンドと応援団が
途切れることのない
「ホン・チャンス」コールを送っていた。

試合が開始された。
徳山の立ち上がりは非常に良い。
相手を良く見て、乱暴なまでのフックを
すべて避けてしまうのだ。
相手もいらついているのか、体を屈めて
頭を突き上げるように突進してくるが、
腕と体を上手く使い、全く隙を見せない。

ただいつもと違うのはジャブが極端に少ないことだ。
相手の動きを見切っているためかもしれないが、
いつもの徳山ペースからすると相当に不満の残る展開だ。
それでも小柄ファイター、ロペス対策と見て取れる、
左フックや左ボディアッパーを、単発ながら的確に当てて
4Rには突進型ファイターのロペスが
ずるずると後退させられる。

突破口が開けないロペスは、鎌を刈るような
流線を描く大きなフックを闇雲に振ってくるが、
徳山には全く当たらない。
6R終了後、ロペスの右目のドクターチェックが行われ、
レフリーが試合続行不可能と判断し、あえなく
徳山のTKO勝利となった。

節目となるV5を2連続KOで飾った徳山だが、
今回の試合レベルは低かった。
手数は少なく、ジャブで相手を霍乱するという
見ていて小気味の良いボクシングはなりを潜め、
相手のレベルの低さに救われた感さえある。
徳山も減量で本調子ではなかったろう。
27歳、169cmの身長で115lbs(52.16kg以下)は
想像以上の相当厳しい減量を意味する。
相手のロペスも本当に世界獲得する意思があったのか
不思議に思ってしまうくらい
あっさり諦めてしまったように見えた。

それでもV5達成と2連続KO防衛は素晴らしい記録だ。
長くやっていれば
必ずしも体調が万全でない時もあるであろう。
それを考えれば今回は悪いながらも結果を出した
勝負強さを称えるべきなのかもしれない。
「悪いながらも勝つ」それが出来る選手として
やはり徳山は貴重な存在なのだ。

そして次回は体調を万全にして、本来の持ち味である
観客を唸らすジャブ、右ストレート、
リングを広く見せてしまう
華麗なるフットワークを見せて欲しい。


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2002-08-29-THU

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