冒険王、 横尾忠則。   横尾さんの展覧会で、横尾さんにお会いしました。 「‥‥あなたという人は!」と 何度も叫びそうになりました。すごいです。 さぁ、みなさん。ご本人といっしょに 横尾忠則さんのすばらしい冒険の記録を 見て回りましょう。
004 何十年か前に光ったけども。
 
糸井 絵の細かい部分を見ていると、
横尾さんがどうしてこれを入れたのか、
なぜこの色を使ったのかが、
なんだかとても気になってきます。
小さなお地蔵さんに
印象的な赤いよだれかけがついていたり。
横尾 ああ、これね。
たぶん、パーンとした大きなものより
克明に見てる間に発見したものに対しては
「自慢もしたいけども」というところかな。

糸井 ふふふ。
横尾 でも、一方でさ、こんな絵で
恐怖をいだかせちゃうんじゃないかという
心配もあるわけ。
糸井 わかりますよ、これは悪夢ですもん。
横尾 ‥‥ちょっとさ、これを見た人、
「ほぼ日」のまじめな読者の人は、
気になるだろうから、
「悪夢じゃないです」って入れといてよ。

一同 (笑)
糸井 横尾さん、こっちに進むと
悪夢どころか、もう善夢ですよ!

横尾 それは、霊夢です。
糸井 まるで「ものぐるほしけれ」です。
いやいや、どこを見ても‥‥
いいです、本当に。
くらくらします。
横尾 そう?
糸井 この悪さは、人に薦めやすいですよ。
最高です。
横尾 そんな早いこと
結論出さないで。
まだまだあるんだから。
糸井 どう言ったらいいんでしょうか?
どういう人なんだろう?
横尾さんはやっぱり永遠のアイドルです。
横尾 何を言ってるの、この人は(笑)。
この辺は、糸井さんの青春時代だね。

糸井 あ、こんなマークが入ってる。


横尾 ああ、日本デザインセンターのマークね。
このマークに気がついた人は
はじめてですよ。
糸井 そんな人間で、恥ずかしいです。
横尾さんは、日本デザインセンターに
勤めてたんですよね。
当時、横尾さんのこういう絵は、
若かったぼくにとって
吐き気がするくらい強烈だったんです。
横尾さんの大きな油彩作品のすごみは、
ここにはないように思えるのに。
横尾 そうだね、この頃にはこの頃の何かがあるね。
糸井 でも、この中に
いまの横尾さんの全部が
入っているとも言えます。
横尾 いや、でもね、これをいま見る人は、
星の光を何十光年か後に
見てるということだからね。


糸井 そうですね。
横尾 ぼくは、向こうで
ピカッと光ったんだけど、
ここに来るまでに
30〜40年くらいかかっちゃったからさ。
糸井 そうですね。
どうしてそんなに
詩的な表現をなさるんでしょう。
横尾 はははは(笑いながら逃げる)。

糸井 攻めると逃げますね。
これくらいは言わせてくださいよ。
「二十億光年の孤独」みたいでしたよ。
横尾 そのくらいにしときましょうよ。
あんまりしつこく言うと、
だんだん、だんだん
糸井さんの罠がまた出てくるから。
一同 (笑)
  (続きます!)
 
2008-06-01-SUN
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