坊さん。
57番札所24歳住職7転8起の日々。

第147回 なにがうれしいんだろう?

ほぼにちは。

ミッセイです。

今からなにを書こうとしているかは、
実は自分でもよくわからないので、
最終的に
「ほぼ日」に送信するかどうかは、わかりません。

でも、
「考えてみたほうが、いい。」

と思いましたので、
書き始めることにします。


最近、

「なんで生きるんだろう?」

ということを、
わりとフラットに、
ぼーっと考えることが多いんです。

深刻に
悩んでいるわけではありません。

もちろん、絶望もしていません。

「なんで生きるんだろう?」

ということを、考えることは、
たぶん、人間にとって、
かなり普通のことです。

坊さんでなくても。もちろん。

そして、

「人間が“うれしい”のは、いつだろう?」

と考えました。

結局、僕達は“うれしい”を、
追っかけてるんじゃないか、と思ったからです。

それだけじゃあ、ないんだろうけど。

でも、
「うれしい」を探すっていうのは、
「食えない」時に、「食い物」を探すぐらい、
みんな、探してるんだと思う。

そして、それは、一度、
「天才の歌は、いつもポップソング」
という文章を書いて考えた時に、
価値観が変化したと感じていたんですが、
たぶん、底の部分では、
(もしかしたら“表面”なのかもしれないけれど。)
変わってはいないんです。

それは、

「これは、あなた、しか、できないことです。」

「これは、あなた、だから、できたことです。」

「これは、あなた、だから、特別なんです。」

そういう風に、言われた時、思われた時、
自分で強烈に感じた時、
うれしいんだと思いました。

あなたは、そうではないですか?

僕は、やっぱり、そうなんだと思う。
僕も僕のことを完全に正確に、
見られるわけではないんだけど、
たぶん、そう思うよ。


このままで歩いていいのか?
走ってもいいのか?

いいんだと思う。

僕は、このままで走りたいのか?

ちょっと違うかもしれない、僕は。

それは、部分として保持しながら、
何かを捨て、
何かを加えるんだと、今、思った!

正解かどうかは、知らない。

正解なんてものが、
あるかさえ、知らない。

とにかく考えてみよう。

「何者でもない人が、
 “自分の頭で考え”
 何者でもなく死んでゆくこと。」

「何者でもない自分が、
 “自分の頭で考え”
 何者でもなく死んでゆくこと。」

このことを馬鹿にしないこと。

これをもっと重要な、
優先順位に置くこと。

何者かであるよりも、
自分の頭で考えたことが、

「あなただから。自分だから。」

を現出させるための、
そうあるための、
大切な通り道であること。

自分だけで、発見する必要はない。

自分を捨てることもある。

自分が逃げてゆくこともある。


ただ、ただ、自分で考えること。

同じことを、繰り返し、自分で考えること。

自分、ひとりで、考えること。 

そんな言葉が、僕を通っていきます。


「自分で考えること」

が、「うれしい」の唯一の条件ではないと思います。

「自分で考えずに。」

「うれしく生まれ、うれしく死んでいった。」

人はたくさんいるでしょう。

目的地も道も、
宇宙には無数にあるんだと思います。

ただ、僕は、

「自分だから、自分だけが」

よりも手前の場所に、

「何者である、を求めることなく、
 何者か、を求めるこなく、
 自分で、考えること」

を置こうと思うんです。
そう、チャレンジをしてみようと思うんです。
今は違うと思います。
結果どうなるかはわかりません。

誤解を恐れず言えば、
それは、
結論だけを求めず、
ただ思うこと自体にも、
ただ感じること自体にも、
何かしらの意味を見出すような、
そんな行為のような気がします。

誰も思いつかないことを、
思うのではなく、
ただ、思うのです。
たぶん。

それは、僕にとって、
(そして、誰かにとって)
大工さんがかんなを研ぐような、
絵描きが筆を運ぶような、
そんなものかもしれません。
わかりません。

それは、変化する物だと考えます。

そう!
でも、みんな、食わなければならない。

できれば、うまいものを食わなければならない。

食うことが「財」に直結している
“今”は、

「あなただからできる」

成分の多い人に、
たくさんの物が流れ込みます。

それは健康的で自然のような気もします。
誰にも止められないし、
調整が必要なことがあっても、
たぶん、止めるべきでない。

「拝んだら、食べられる、
 お坊さんだから、ミッセイさんは、
 そう言えるんだよ。」

そうだよ。
その通りだと思うよ。

だから、言ったじゃない。

坊さんとロックンローラーは暇なほうがいいって。

時間はないけど、暇な僕は、
拝んだら食事ができる僕は、
坊さんだから、弱虫でも、
こうやって弱虫のあなたに、
なにかを伝えることができるのだと思う。

坊さんじゃなかったら、言わなかったと思う。
言えなかったと思う。

それでも、いいじゃない。

役に立つかどうかは、わかりもしないし、
ほとんどのことは、あなたが決めるんだけど、
食べられる人は、立ち食いで、
食べて帰ってください。


ミッセイ


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2003-12-30-TUE

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