坊さん。
57番札所24歳住職7転8起の日々。

第25回 恐るべし!仕出し屋の息子。

ほぼにちは。

ミッセイです。

高野山での住職任命式の前日の夜。

「一人で食事するのも寂しいから、一緒にどうですか?」

と声を掛けて下さった九州のお坊さんがいました。

というわけで、3人の坊さんで精進料理を囲んだ訳ですが、
このお坊さんは、精進料理を個人的に研究していて
色んな話をしてくれました。

若い頃に高野山の奥の院に勤めていて
御大師様に毎日お供えする

「生身供」(しょうじんぐ)を
順番で作ってたそうですから、

バリバリのプロフェッショナルですね。業界では。

「そもそも、どうして、
 精進料理に興味を持ったんですか?」

って謎に思った僕は聞いてみました。

その方は高野山の真別所(しんべっしょ)
っていうところで
加行(けぎょう、真言僧必修の行)をされたそうです。

他の高野山での集団加行場は僕が受けた
高野山大学内の「大菩提院」や
1年間スケジュールの「専修学院」があります。

今はどうだか知りませんが
真別所では当番制で修行僧が食事を作ってたそうです。

ある日、真別所に
「仕出し屋さんの息子さん」が入門してきました。

そして彼はいつしか、自分の行を早く終わらせて
「食事指導」を始めたということです。

それが、“もう びっくりするぐらい”
うまかったらしく
指導員からのおとがめも、無かったそうです。

それ以来「精進料理」の奥深さに興味を持ったらしいです。

「特になにが、おいしかったですか。」

「いやぁ、栄福寺さん、全部ですよ。すべて。」

「いや、その中でも“これは!”
 っていうモンがきっと!ねぇ?」

「そうだなぁ
 “ブタ”の入ってない“酢豚”と
 “ブタ”の入ってない“豚カツ”かなぁ。」

ええぇ?ド肝を抜かれました

「ブタのかわりに何が入ってるんですか?」

「なんだったのかなぁ・・・」
(うつろな目で遠くを見る。)

というわけで、高野山の夜は更けていきました。

しかし、僕が一番びっくりしたのは、
その人の「食欲」です。
僕が確認しただけでも6杯はご飯おかわりしてました。
(40歳くらい)

しかし、僕が

「明日、すごい早いから朝ご飯、
 出ないかもしれませんよ。
 コンビニに、おにぎりかパン買いに行きませんか?」

って言うと、心底びっくりしたようで

「あなた。相当な食いしん坊ですなぁー。」

と言っておられました。ムムム。

みんなも高野山に観光に行った時は、
精進料理を食べてみてね。

けっこう、おいしい。

長く滞在する人のために
密成・高野山ごはん屋さんレビュー

ダントツの一位は
大学前の赤提灯「みやさん」

あんきも、サザエの刺身、ラーメン、ハンバーグ
なんでも、安くて、ホントにおいしい。

確かホタルイカは250円。
シシトウは150円だった。

いつも混んでるので
「〜人なんですが、席、空いたらこの番号に電話下さい。
 すぐ行きます。」
って言えばOK。(常連特権?)

本山近くの「樹林」は加行直前、
4日連続で先輩とランチを食べに行った思いでの店。
でも、たたんでしまった。

「たんぽぽ」という
お好み焼きやさんもおいしかった。

500円で死ぬほど腹一杯になりたいという人は
愛宕谷(あたごだに)の「子午線」という、
なかなか感じのいい名前から
なぜか「すずめ」に謎の改名をした定食屋で
巨大な「カレーライス」を食べましょう。

「自信ないわ」って人は

「おばちゃん!カレー400円分!!」

って言えば、「普通のカレーライス」です。

“行ってはいけない店”の方が実は多いんですが。

まぁこれはねぇ。

とにかく

フニャフニャうどんに注意!!

ってことで。

ミッセイ

2002-02-05-MON

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