BOOMERANG
ブーメランのある暮らし。

第66回 金の卵


どもども、トギーなのだ。
今回は中学生にブーメランを指導したお話。

先日、中学3年生の少年から、
「ブーメランについて話を聞きたい」
というメールが届いたのだ。
「みのりの学習」というものらしく、
何かをやっている人のところへ出向き、
話を聞いたり、体験したりすることが課題だそうです。
なんと、最終的には卒業論文として提出!
中学生で卒論とは、すごい学校なのだ。
もちろんトギーは快諾。
そして、
遠路はるばる中学生4人が2時間もかけて、
トギーの地元にやってきたのだ。

まずは、軽くブーメランが本当に戻ってくることを
体験してもらおうと、紙ブーメランからスタート。
ところが、いきなりがんがん戻してました。
すでに予習がてら、紙ブーメランは体験済みとのこと。
予習してくるとは、感心感心。

続いて、せっかく遠くから来たので、
木製のブーメランも作ってもらおうと思い、
工作室へ移動。
ベニヤを切り抜いたブーメランの型と
紙ヤスリを渡して工作スタート。
恐る恐るブーメランを削っていく姿は、
なかなか初々しいのだ。
「トギーも最初はこんな感じだったな!」
とか思い、思わずニタニタ。
次第にポイントがわかってきたようで、
最後には良い感じで削ってました。
仕上げは、紙ヤスリで表面磨き。
これが意外とおもしろかったようで、
4人で競うように磨いてましたよ。
表面がツルツルになっていくのが
気持ちよかったんでしょうね。
意外と、こういう経験って
いまどきの中学生には無いのかな?

そして、いよいよ自作ブーメランを持って、
グラウンドへ。
できたてホヤホヤのブーメランの飛行テスト。
木製のブーメランはみんなの期待に応え、
ちゃんと戻ってきたのだ。
何度か投げているうちに、キャッチにも成功!
4人とも凄く嬉しそうな顔をしてましたよ。
自分が一所懸命作ったブーメランが戻ってきてくれたら、
そりゃ嬉しいですよね。

その後、しばし自由に投げてもらったのだ。
実はこの自由時間で、
ブーメランへの本気度がわかるんですよ。
だいたい、普通の人は30分もすれば、
疲れるか飽きてくる。
そして、「もう十分!」って顔で終了する。
ところが・・・、
どうもこの中学生4人は、普通の人とは違う様子。
なんと2時間以上、投げっぱなし。
よく見ると、ブーメランの飛びがどんどん安定し、
時間の経過と共に良くなってる。
さらに、トリックキャッチと言って、
イチローのように背中に手を回し、
背面でキャッチする技までやっているのだ。
こりゃかなりの本気度ですよ。
しかも、ブーメランを投げるセンスがよい!
結局、4時間近く投げて、帰っていきました。

これだけの逸材なのに、家が遠いとは悲しい・・・。
指導を続ければ、世界でも通用する選手に育ったかも?
などと悔やんでいたら、後日、その中学生から
信じられない内容のメールが数通届いたのだ。

「日本ブーメラン協会に入会しました」
「学校とか関係なしで、高校に進学しても
 まじめにブーメランをしようと思います」
「普段どういう練習をしたらいいですか?」
「筋トレをしたいのですが、
 どういうトレーニングがいいですか?」
「風が強いときは、どうすればよいですか?」

オォー!
本気度、レッドゾーンですよ。
いやはや筋トレの方法まで聞いてくるとは・・・。
彼らの素質が良かったのか、
トギーの教え方が良かったのか、
どっちにしても、金の卵の発見なのだ。

実はトギーのクラブには、もう一人、
金の卵である中学生がいるんだけど、
その子と将来ライバルになりそう。
もしかしたら数年先、この中学生たちが
ブーメラン界を背負っているかも?
楽しみ、楽しみ。

ってことで、金の卵を見つけたお話でした。


トギー(栂井靖弘)
KBN(関西ブーメランネットワーク)
http://www.kbn3.com

2003-11-02-SUN

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