々木アナウンサーからの質問。 谷川俊太郎出張質問箱 inザ・冒険王 その1

川野 佐々木恭子アナウンサーからの質問は
「歴史を勉強しても
 人はなぜ利口になっていかないのか」
でした。
谷川 人間って、つねに
リセットしてゼロに戻っちゃう
生きものなんです。
ぼくも小学校から高校まで、
学校で歴史の勉強をしてきたんだけど、
思春期にリセットしちゃいました。
歴史よか、もっと大事な
例えば恋愛のような、いろんなことが
ぼくの身に起こっちゃったからです。
そういうことが、そこまで習ったことに
上書きされていっちゃうわけ。
そうすると、歴史の知識がゼロになるので、
だから人は利口にならない。
そういうことではないでしょうか。

糸井 なるほど(笑)、納得します。
自分のことを考えるとよくわかりますが、
ほんとうにリセットしますね。
川野 糸井さんはどんなときに
リセットしてしまうんですか?
糸井 それは、「日々」かもしれない(笑)。
ROMとRAMってあるでしょ?
一度記憶したら忘れずに
長く取っておく記憶と、
その都度取っておくための
どんどん上書きされる記憶。
俺にはどうも、ROMの機能が
ないみたいなんです。
どんどん上書きが可能です。
川野 長期保存には向いていなくて、
それで「ほぼ日刊」に、ですか?
糸井 そう、そう。
谷川 ぼくも長期記憶はすべて
外づけのハードディスクに置いておいて、
ときどき差し込んでつなぐ、ってかんじかな。
川野 なるほど。
谷川さん、パソコンをお使いになるんですね。
谷川 そうですよ。詩人というと、
えんぴつで原稿用紙に、という
イメージがあるけどね。
川野 佐々木アナウンサーへのお答え、
ありがとうございます。
次の質問は『とくダネ!』芸能デスクの
前田忠明さんからの質問です。



(つづきます)
2007-10-11-THU