この本について

コピーライターとして
たくさんのユニークな広告に関わり、
作詞やゲーム開発、執筆、テレビ出演など、
多岐に渡るジャンルで活躍していた糸井重里は、
1998年6月6日にインターネット上のメディア、
「ほぼ日刊イトイ新聞(「ほぼ日」)」を創刊。
以後、活動の中心を「ほぼ日」に置き、
同サイトを一日も休まず更新しています。


「ほぼ日刊イトイ新聞」のトップページには
毎日、糸井重里の日替わりの原稿が掲載されています。
つまり、一年365日、糸井重里は、
一日も休むことなく原稿を書き続けているのです。
この、糸井重里の日替わりコラム
(「今日のダーリン」と呼ばれています)には、
一日も休まず更新されるということのほかに、
もうひとつ、大きな特徴があります。
それは、過去のアーカイブを残さないということです。
つまり、その日一日しか読むことができないのです。

創刊当初には、毎日購読する動機を促すため、
もしくは、より自由に日々の表現をするため、
といった狙いがあったのかもしれませんが、
創刊から15年を経て、アーカイブを残さない意図は
かなり曖昧になっています。
しかし、糸井重里自身は、
その曖昧さをむしろおもしろがるように、
「休まず、残さず」という状態を継続しています。

以前、外国のインターネットコンテンツの専門家から
「なぜ、コラムのアーカイブを残さないのか?」
と質問されたとき、糸井重里は
「そうしたかったから」と答えています。

そういうわけで、いまも、「ほぼ日」には
糸井重里の原稿が一日も休まず掲載され、
それは基本的にその日一日しか読むことができません。


2007年、その、毎日書かれる膨大な原稿から、
「心に残るフレーズ」を切り取って編集し、
『小さいことばを歌う場所』という
1冊の本がつくられました。
以来、同じコンセプトで1年に1冊ずつ、
糸井重里のことばから、本がつくられています。
最初の本のタイトルを取って、それらの本は
「小さいことば」シリーズと呼ばれています。


前置きが長くなりました。
この『ぽてんしゃる。』は、
「小さいことばシリーズ」の7冊目。
シリーズから派生した文庫本、
『ボールのようなことば。』をいれると
8冊目の本ということになります。

糸井重里が2012年に書いたすべての原稿と
すべてのツイートから、
心に残る小さいことばを厳選してつくりました。
また、糸井重里自身が撮影し更新している
「気まぐれカメら」からも
たくさんの写真を選んで掲載しました。


この本の概要としては、以上になります。
ほかにも、ささやかながら、
たくさんの特徴がある本なので
もう少し説明させてください。

糸井重里の書き下ろし短編を3本収録。

シリーズ7冊目にして、初の試み。
それが、糸井重里による書き下ろしです。

かつては精力的にエッセイやコラムを
さまざまな媒体に執筆していた糸井重里ですが、
現在は「ほぼ日」のほかに、ほぼ連載を持ちません。
(2013年7月現在、スポーツ報知で
 野球にまつわる短いコラムを月1回連載中)

『ぽてんしゃる。』をつくるにあたり、
読む人がいちばんうれしいものはなんだろうと考え、
それは、糸井重里の手による
新しい文章ではないか、とシンプルに考えました。

文字数にもテーマにもとくに制約なく、
自由につづられた、糸井重里の新しい文章。
それが読みたいと思い、リクエストしました。

しかし、なにしろ本人には
そういった動機がありませんから、
なかなかすっきりと取りかかれなかったようです。
「こういうものを書いて世に問いたいとか、
 うまく書いてほめられたいとか、
 そういう気持ちがまったくないからね」
と糸井は率直に言いました。
たしかにそのとおりで、いくら読み手が欲しても、
書くほうに気持ちがなければしかたがありません。


無理を言うべきではないなと
なかばあきらめたような気持ちでいたところ、
「書いたよ」と、原稿が届きました。
つるっと、3本の、新しい文章のかたまりが。

いずれも、糸井重里特有の、
「ほんとなんだかうそなんだか、
 よくわからないけれども
 そんなことどっちでもよくなるくらいの
 魅力がある」という文章です。
大作とか、問題作とかではなく、
読んでるうちににやにやしてしまうような
個性的な、小さい作品です。


それを、32ページの別の本のように装丁して、
『ぽてんしゃる。』の真ん中に綴じ込みました。
(ブックinブックの形になってはいますが、
 取り外すことはできません)

このブックinブックには
『ことばのことを考えることがよくある。』
というタイトルがつきました。
つまり、『ぽてんしゃる。』という本のなかには
『ことばのことを考えることがよくある。』という
書き下ろしの短編集が入っている、というわけです。
いいでしょう? この本の一番の自慢です。


ちなみに、本全体のページ数は、
書き下ろし部分を含めて326ページ。
過去最大のページ数となりました。

本の装画は、ほしよりこさん。

『きょうの猫村さん6』 著者:ほしよりこ 発行:マガジンハウス 価格:1200円 いったい今度は誰が装画を描くのか?
たのしみにしてくださっている方も多いと思います。
シリーズ7冊目の『ぽてんしゃる。』は
ほしよりこさんに装画をお願いしました。
その独特の画風とノリでファンの多い、
(じつは糸井重里も大ファン)
『きょうの猫村さん』の作者です。

ほしよりこさん・プロフィール

「ほぼ日ブックス」取り扱い書店でも販売。

書籍『ぽてんしゃる。』は、ほぼ日ブックスを取り扱っている全国の大手書店さんや、
Amazonや楽天といった、大手のネットサイトにも流通いたします。
取り扱い書店に関しては、こちらからご確認ください。また、ご来店の前には、
お店に在庫があるかどうかをお問い合わせいただけますようお願いいたします。

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本の価格とは別に、配送手数料が発生します。
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なにとぞ、ご了承くださいませ。
なお、配送手数料は
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代引き手数料220円がさらに加算されます。
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2013-07-16