みなさまからたくさん寄せられている
「私の小さいことば」を紹介しますね。
これは『小さいことばを歌う場所』のなかから
みなさまのお気に入りのことばを
選んでもらったものです。

本の第2弾となる
『思い出したら、思い出になった。』は
2月22日午前11時発売です。
お届けは、3月下旬を予定しています。
もうしばらく、お待ちくださいね。

それでは、みなさんの
「私の小さいことば」をどうぞ。




「ちょうど、雪なんか降ってきていてさ。
 いかにも『うち遊び日和』なんだよなぁ。
 ま、そういう日があってもいいか
 オレはオレに、許してやったのであった。」
(71ページより)

このことばの「オレはオレに許してやった」が、
とても好きです。
しなければならないこと、を横目で見ながら、
ほかの楽しいことをしている時に浮かんできます。
もうちょっとほかにやりようがあったんじゃないか?
と、思うようなことをしてしまった時にも、
「あれはあれでよかったのだ」と思うと同時に、
最後のフレーズが浮かんできます。
自分を、ダメなやつ、と思う代わりに
気持ちが楽になります。
(慶子)


「誰に聞かせるわけでもなく、
 ただ歌いたくて歌ってしまう歌を、
 あなたは持っていますか。
 その歌は、どんな歌ですか。」
(P210、211より)

わたしは寒いと大きな声で歌いたくなります。
歌の大好きな友達が、わたしは大好きでした。
絶望的に落ち込んだとき、
立ち直るきっかけは研ナオコさんのコンサートでした。
最近は家の中で、娘相手に子守唄や童謡を歌ってます。
いろんな場面で歌いたくて歌ってます。
歌に関するこのことばには共感でき、同感で大好きです。
(じゅん)


「『断る』場合、必ずしも『理由』を伝える必要はない。
(合意で成立するすべての事柄について)」
(25ページより)

「理由なんかないっちゅーねん」って主張してると
勝手に解釈したこの言葉が一番好きです。
普段から誰もが何かにつけて
「なんで?」って理由を聞きすぎやねん。
「髪染めたん?」で終わっときゃええものを
「髪染めたん? なんで?」とか聞くなよ。
「理由」なんかないっちゅーねん。
だからこの言葉が好きです。
(だいすけ)


私の小さいことばは、

「『日の出の時がくるまで、日は出ない」という
 当たり前そうなことをわかるのには、
 ずいぶん時間がかかったと思う。
 このことも、
 『時が来るまで』ということだった。」です。
(32ページより)

仕事も恋愛もなかなか上手くいかなくて
やたら焦っていたときに、このことばと出会って
ハッとして、そうだ、焦ったってしょうがないんだった!
と、もとの楽天的な自分に戻れたので
とても感謝しています。
(ゆっち)


「ああ、ほめあって生きていきたい。
 これは、ぼくの最大の夢だ。」
(232ページより)

毎日、毎日5歳のムスコと過ごす中で、その瞬間は
カーッと来て怒ってしまうのですが、その後、
「ああ、まだ生まれて
 たった5年しか経っていないのに‥‥。
 なんでこんなに怒るんだ、私」
って、涙がジンワリ来てしまうのです。
明日は怒らないように、明日は怒鳴らないように
そう思うのについつい怒っている私‥‥。
そうです、ほめてほめてなでてあげたい!
この言葉は私の夢でもあるのです。
毎日、働くおかーさんはそう思っているんですよ。
朝は忙しいからご飯をシャッシャ食べて、お願い息子。
(せがわ)


「『これでいいのだ』は、赤塚不二夫先生の
 マンガ『天才バカボン』のなかに出てくる、
 バカボンのパパの名セリフです。
 まねをして口に出して言ってごらんなさい、
 とても気持がいいですよ。」
(23ページ)

私はコノことばが大好きです。
「ココロのお洗濯」には最適な魔法のことば。
頑張りすぎてつかれたら‥‥「これでいいのだ」
「がんばり過ぎなくていいのだ」
「休めばいいのだ」
「泣けばいいのだ」
どんどんとココロが軽くなる。
そうそう‥‥これでいいのだ!
(ケオリンゴ)


『小さいことばを歌う場所』は
出版されてすぐ買ったのだけど
読んだのは昨年11月に入院した時でした。
こころに留め置きたい言葉にたくさん出会いました。
僕の入院中は看護学校の実習生が付いてくれていました。
なにをやってもうまくできないと
自信をなくしかけていた彼女に
読ませてあげたのが「おたまじゃくし」です。

「そりゃ、サナギだって、そうだろうなと思う。
 いまは、身動きのとれない生きものなのに、
 空気をたたいてひらひらと、飛ぶんですからね。
 ほんとに飛べるのかよ、という疑いと、
 『飛べるのかよ、オレ』というような
  晴れがましい気持ちがあるわけです。」
(220〜221ページより)

「私、飛べますかね」
「飛べるよ! サナギはかならず蝶になるんだから」
がんばってるかな、志穂ちゃん。
(のぶ)


「異文化が共に生きようとしたら、
 『ちょっと低いところ』で落ちつくものなのだ。
 それがイヤだ、ガマンできないと言っていたら、
 共に生きることは、限りなく難しくなる。」
(21ページより)

この言葉を読むと、ちょっと胸が痛みます。
異国の人と、暮らしたことがありました。
人様に迷惑を掛けないようにと育てられてきた
コチコチの日本人と、
お互い様なんだから気楽に行こうぜなイタリア人。
「ちょっと低いところ」が
ガマンできなかったコチコチ日本人は、
毎日頭から湯気を出す生活で、
お気楽イタリア人は一向に反省する様子は無いんだけど、
なんだか切ない顔になってました。
悪いヤツじゃなかったんだよなぁ‥‥たぶん。
あの時は手におえなかった異文化体験だけど、
この次はもう少し寛容な人になってみようかなあ。
(イカ墨)

『思い出したら、思い出になった。』にも、
きっと読んだ人の心にのこる「小さいことば」が
たくさん詰まってます。
もう少し、お待ちくださいね。
みなさまからのメールも、
引き続き、募集しています。

2008-02-18-MON





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