自転車思想。
チャリンコは、未来そのものの顔をしている。

自転車=自転車の交通事故 その2

こんにちは、事故の話の続きです。

事故が発生し、相手は救急車で運ばれて、
現場検証の後、最寄の警察署で聴取を受けました。

聴取は30分ほど、自分の記憶している範囲で話をします。
担当の係員が話を整理しながら、報告書を起こしていきます。
それに対して、僕が訂正を入れていきます。

自分の過失も認めます。
人によってはこういう時、
絶対非を認めなかったりするのかな?
そんなことを思わないでもありませんでしたが。
それには、それなりの精神力と、
この取調室ですきま風に耐える忍耐力が必要です。

だから正直になった?
うーん、そうとも言い切れないです。
とにかく聴取の間、僕の心は揺れっぱなしでした。
おそらく、その揺れすらも係員には伝わっていたのでしょう。
こちらの姑息な心の動きなんて読まれているはずです。
だったら、無理することもないんじゃないか?
そう思ったというのが、たぶん正解です。

ひと通り供述書を作成したら聴取は終了です。
あとは事故の相手が戻ってくるまで、
最初に待った警察署の廊下で待ち続けます。
その間に、会社と
自分が加入している保険会社の担当に連絡を入れました。
担当者曰く、保険の適用は、特に問題がないとこのこと。
それで、少し安心しました。

1時間ほどして、事故の相手が警察署に。
首には包帯が巻かれています。
頭は打っているものの、頭へのダメージは無くって、
むち打ちと、手足のケガで全治2週間。
お互いに責任があるシチュエーションだったとはいえ、
相手だけがケガしているというのは、
(自分の責任を認めた上でも)
必要以上の責任を感じてしまいます。
それだけに、保険会社が間に入って
冷静な交渉をしてもらえるのは重要なことです。
月々1000円程度の掛け捨て保険なのに、
保険会社の人も大変だなぁ、と変な共感をしてしまいました。

相手への聴取も終わり、担当した警官が間に入って、
互いの連絡先の確認と、
この事故を示談扱いにすることを、改めて確認しました。
これで警察署での手続きはすべて終了です。
僕は約3時間遅れで会社に向かいました。

実は、そこからがいろいろ大変でした。
僕が仕事でバタバタしていて、
相手への連絡が遅くなったり、
病院に行くのをめんどくさがって、
治療を途中で止めてしまったり、
保険会社の動きが鈍かったり。
こういったことが積み重なって、
一時はかなり険悪な感じになってしまいました。
比較的軽い事故とはいえ、
こういうトラブルは、けっこう精神的にきます。

事故から1ヶ月半ほどして、
一通り処理の流れが見えてきました。
具体的には、治療費と相手の休業補償の概算と、
それらを証明する書類を用意する手筈が整いました。
前後して、それまで部分的に僕が行っていた
事故相手との交渉を、
全て保険会社にお願いすることにしました。
この時点で、ようやく精神的に開放された感じです。
(保険会社から進行状況の説明が、
 あまりないのが不安ですが・・・)
まぁ、今の時点では保険金の支払いが残るだけ、
という状態になりました。

最終的に、保険会社が弾き出した過失割合は、
僕が7割で、相手が3割でした。
左後方確認と、手による方向指示をしなかったこと、
これが僕の主な過失になりました。
相手側は、無理な追い抜きをかけようとしたことと、
しかもそれが巻き込み事故に遭いやすい、
左側からだったことが過失となりました。

不注意かぁ、不注意なんだよなぁ〜。
まぁ、事故が起きてから思い返せば、
どこかしら見えてないところや、
注意すべきところを注意しなかったところがあります。
そういったピンポイントに、危険は潜んでいます。
どれだけ気をつけたところで、
万が一、というのはあるんです。
(お前が言うなって?)

そうなると、やはり保険ですね。
対自転車、対歩行者といった事故のことを考えると、
自転車といえども保険のメリットは充分にあります。
自分のケガに対する傷害保険と、
相手への賠償をする個人賠償保険があれば、
ほとんどのケースで保障が利きます。
もちろん、生命保険に加入してて、
その中に傷害保険が組み込まれているのなら、
個人賠償保険だけでもOK。
どちらにしても、月々1000〜2000円位。
毎日乗っている人だったら、決して惜しくはない金額です。

保険会社によっては、自転車専用保険も売り出しています。
さらにJCA(財団法人日本サイクリング協会)では、
協会に加入すると自動的に保険が付いてきます。
年額4000円で、傷害と個人賠償がついてくるのは、
かなり魅力的。
もちろん、サイクリングに限らず、
日々の通勤・通学、お買い物でも保障の対象です。

そして、後味の悪い事故から3ヶ月経ちました。
僕は毎日同じコースで通勤しています。
あれから、事故相手の姿を見かけることはありません。
ケガもおそらく完治してるはずですし、
自転車の方もほとんど無傷な状態だったので、
彼が自転車に乗って会社に行くのを止めたのでしょう。
危ないから。

自転車のことを書いているのに、
自転車で通勤する人を1人減らしてしまった。
そのことを考えると、ひどく空しい気分になります。
事故なんて、やっぱやるもんじゃないです。

Ride Safe!

2002-04-30-TUE

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