ふじた どうぞよろしくおねがいします。
ゆーないと ばななさん! 鼻の絆創膏、どうしたんですか?



ばななさん これね、鼻のほくろの下に
脂肪のかたまりができて病院に行ったら
「ほくろも大きくなってきてるし、
 できものとあわせて取りますか」と言われて。
今日までには治ると思ったんだけどなぁ。
いい? このままで写真、大丈夫?
ふじた 大丈夫です。
ゆーないと じゃあ。
最初に、手帳を見ていただきましょうか。
ふじた そうですね!
(手帳を取り出す)
こちらが「ほぼ日手帳」の
春の限定カバー「ミコノスの窓」です。
ばななさんはミコノスをよくご存知なので
おわかりだと思いますが、
これはミコノスの白い街並みと
たくさんの窓をイメージしています。


ばななさん すごく、すごーくイメージわかります。
ふじた ‥‥よかった!
しおりの部分は、青いガラスビーズです。
ミコノスのお土産屋さんにあるような。
ばななさん うん、こういうビーズも、
島にはビックリするほどありますね。
こんなにあってどうすんの、っていうほど(笑)。
ふじた (笑)はい。
このカバーの販売に合わせて
ミコノスの紹介をしたんですけど、
それを見た方から「行ってみたい!」
という声をたくさんいただいたんです。
今日はミコノスのお話をいろいろ聞かせてください。
ばななさん 何でも聞いてください。
‥‥って、今日はミコノスの話なのに、
こんなセーター着てきちゃった。
これも、写真、大丈夫ですか?


ゆーないと ミコノスなのに、ハワイ!(笑)
ふじた 大丈夫です(笑)。
ばななさんが最初にミコノスへ行ったのは
何がきっかけだったんですか?
ばななさん 10年くらい前なんですけど、
イタリアに住んでいる友達に
「ミコノスに行こう」と誘われたんです。
イタリアってバカンスが1か月くらいあるから、
友達は毎年スペインのイビサ島や
イタリアのサルデーニャ島など
いろんなところに行っているんです。
でも、「結局はミコノスが一番よかった」って。
ふじた へえー。
ゆーないと それは、イタリア人?
ばななさん 日本人とイタリア人のカップルです。
でも私、ミコノスって、
「世界中からゲイが集まる島で、
 クラブがあって朝までさわがしくて、
 ドイツからの観光客がドドッと着いて、
 1日まわってドドッと帰っていく」
みたいなイメージがあったんです。
あと、車が入れなくて
歩かなきゃいけない街、というイメージもあった。
私、イタリアのベネチアに行くと
いっつも道に迷って、本当に泣きたくなるんです。
車を入口に置いて、あとは歩くしかないようなところは
私には絶対に無理だと思っていたから、
ミコノスも多分ダメなんじゃないかなと。
ふじた じゃあ、最初は誘われても
乗り気がしなかったんですか?
ばななさん うん。でも「すごくいいところだから」って
何度も誘われて、
まあ、そこまで言うなら1回行こうかと思って
夏に、その友達と私の家族と
イタリアのミラノから飛行機で行きました。
ふじた ミコノスには、一度ギリシャに入国して
アテネ経由で行くのが一般的ですけど
夏はいろんな国から直行便が出ていますよね。
ばななさん そうです、そうです。
ミラノから直接ミコノスまで
ちっちゃな飛行機で行きました。
ふじた 最初はどんな印象でしたか?
ばななさん 夜に着いたものだから、
ただ「暗いなあ」っていう印象しかなかったんです。
でも朝起きると、バーッと
青い空と白い建物っていう
ギリシャらしい景色が開けていたので
本当にビックリして、
なんだか冗談みたいな場所だなと思いました。
あと、印象に残っているのは、
水が冷たかったことです。
ゆーないと え、海ですか?
ばななさん うん、もう考えられないぐらい冷たくて。
夏で、肌が異常に焼けるくらい陽射しが強いのに、
どうして水がこんなに冷たいの! って。
しかも、魚がほとんどいないんですよ。
魚なんて泳いでいないのに、
なんで魚食べてるんだ? とか、
さまざまな疑問が今もちょっと残っています。
魚、いないですよね?
ふじた はい。エーゲ海って
プランクトンが少ないこともあって
意外と魚の数が多くないんです。
だから、魚は肉よりも高いし、
泳いでいても小さいのしか見かけないです。
ばななさん そうそう、ビーチにいるね、
ちっちゃくてグレーの魚。
あんなのいてどうするんだ、
っていうくらいの。
ふじた ミコノスでは、どこに泊まったんですか?
ばななさん 最初に行ったときは、
子どもがすごく小さかったから
あまり歩き回れないし、
楽なところに泊まろうと思って、
ロイヤル・ミコニアンに泊まりました。
ふじた すごい、ミコノスの
5つ星ホテルです。
ゆーないと 5つ星!
ばななさん はい。すごく高かったです。
ふじた ミコノスの中心街から
かなり離れたところにありますよね。
ビーチは近いけれど。



▲ビーチに面したロイヤル・ミコニアン


ばななさん うん。最初は、そのほうがいいかなと思ったんです。
ビーチの近くに泊まって、1日中泳いだり
ゴロゴロしてたりすればいいやと思って。
そしたら、泳げないくらい
水が冷たかったし、魚もいなかったから、
結局ビーチ側ではなく、
街のほうに車で遊びに行ってました。
ふじた ミコノスタウンとよばれる、
ホテルや土産物屋や
レストランが密集しているところですね。



▲迷路のような細い路地が特徴的なミコノスタウン。


ばななさん そう。入り口に車をおいて
街の中を歩いたんですけど、
最初は絶対に迷うだろうなと思っていました。
でも、実際はそんなことなかったです。
街自体がせまくて、海と山側がある、
神戸みたいな場所なんですね。
だから、もし迷っても
とりあえず海が見える方向に歩いて
港に出てしまえば
なんとかなるってこともわかりました。
ふじた 街はどんな印象でした?
ばななさん 私、自分でもこれまで
相当いろんなところに行ったと思うんですけど、
ほかのところに比べて、
すごく気が楽なところだなぁと思いました。
ゆーないと へぇ~。
ばななさん たとえばイタリアのカプリ島にも
何回か行っているんですけど、
なんだか、カプリよりも平和で
のんびりしているような感じがしました。
それと、ギリシャの人たちって
基本的に働き者というのか、
体を動かして働くのが苦じゃない雰囲気なんです。
それがまず気持ちいいなと思いました。
レストランでも、きびきびしていて
「ここにいるからには体を動かしたい」みたいな。
何て言うんだろう‥‥いきいきしてる。
ふじた たしかに、夏の観光シーズンは特に、
みんなかなり必死で働いてますね。
ばななさん 珍しいことですよね。
のんびりした観光地って、
ふつうは働いてる人も、
なんとなくダラッとしてる。
あの「働いてる」っていう感じは
かなり大事なんじゃないかなと思います。
(つづきます)

2014-03-13-THU




※3月26日(水)午前11時~4月1日(火)午前11時の間、
 消費税改訂の準備のため「ほぼ日ストア」が休止期間に入り
 商品をご購入いただくことができませんのでご注意ください。
 4月1日(火)午前11時以降は、消費税が8%になります。

写真協力:ミコノス島でのばななさんの写真/よしもとばなな事務所 提供 ミコノス島の風景写真/Kinji Hayakawa 提供