アムスでダンス。
J-POPはオランダの夜に流れる

第3回 オープニングパーティー


10月5日の日曜日が第1回目の
クラブベガスバージョントーキョーでした。
どこかのDJが
「いい(クラブ)イベントって結局なんなんだろう」
っていう問いに、こう答えていました。
「人。」
DJやパフォーマーに裏方も含めてのオーガナイザーと、
何といっても来てくださるオーディエンス人々が
場所のヴァイブを作るものです。

結果、大成功だったと
ほとんどの人が思ってくださったと思います。



夜8時にドアを開けたのですが、
すぐにロンドン在住でオランダ旅行中の
日本人の方二人が待ってましたとばかりに
入ってきてくださいました。
こういう前売りなしのイベントは何回やっても
「誰も来なかったらどうしよう」
という不安から始まるのですが、
とりあえずホッとします。

今日の前半のDJは、
日本の大手レコード会社を辞めて、
フランクフルトに日本音楽普及のためのレーベル
Automatic Kiss Recordsを設立した
DJ-Habu-chanです。
この日は彼のレーベルが欧州で発売した
金津ヒロシプロデュースの『MoonBossa+8.1』の
リリースパーティーもかねているのですが、
わざわざフランクフルトから駆けつけてくれました。
車で5時間の距離。
彼が、ボッサなラウンジ空間を作ってくれている間、
三々五々と人が入ってきます。
日本人も結構多く、BGVで流れる日本の映像を見ながら、
オランダ人に説明をしてくれたりしています。
開場から2時間を過ぎた頃には、
ほどよい込み具合になってきました。
あちらこちらで今日初めて会った人々の会話が
弾んでいるのがわかります。


DJブースでDJするヤセックことDJPolack。

今日のパフォーマーは
舞踏家の楠田建造(ケンゾー)さんです。
学生時代のサークル活動でダンスにのめり込んで以来、
まわりの友人が次々と、ダンスから遠ざかっていくなかで、
ひたすらダンス一筋十五年の偉い人です。
3年前にオランダのダンスカンパニーに参加して以来、
アムスを拠点に公演や
ワークショップなどの活動をされています。
「続ける」ことの大事さを教えてくれる人のひとりです。
ちなみにもうひとつだけ続けていることは夢日記だとか。

それまで、ざわざわと会話をしていた人々が、
ケンゾーさんの静のダンスが始まったとたん、
シーンと静まりかえりました。
リオ吉はダンスが見えない位置に
いなければならなかったのですが、
このケンゾーさんのダンスが、
すばらしい転換を場に与えました。
これをきっかけにDJも
ヒマラヤヤセックことDJPolackに変わり、
ラウンジーな空間から、ダンス空間へと変わり、
その場が弾け出しました。
外から覗いて入ってくる人も、
一歩踏み入れた瞬間に笑顔を見せます。
12時を過ぎる頃には、
明日は仕事の日曜日の夜中にも関わらず
超満員になっていました。
ピチカートやオレンジペコー、
渋さ知らズといったアーティストたちの音をバックに、
壁には日活ロマンポルノを流したりもしながら、
ダンスとおしゃべりの空間が
午前3時の閉場時間まで続きました。

とってもいい雰囲気がクラブ中に満ちていました。
他の様々なクラブイベントと比べて、
何が違い良かったのか、
その場の雰囲気を最もしっくり表す言葉を選ぶとすると、
「和やか」っていう言葉があたるでしょうか。
今パソコンで打ち込んでみて気がづいたのですが、
「和やか」って日本も意味する
「和」っていう字を書くのですね。
これには夜も早くから駆けつけて、
明日仕事なのに残ってくれた日本人の観客の皆さんが
大きく貢献してくれたように思います。
日本人の皆さんに、ヨーロッパの人が、
「あれはなんなの?」「この音楽はいいね」
って話しかけるっていうふうに
「和やか」な空気が生まれていたように思えます。
自ずとおもてなしをしてくれていました。
「これが日本のいいところ。」

来てくださった全ての人へありがとうです。

リオ吉



SUSHI SOUNDS (No.4)
with Qypthone + Pitchtuner


日時2003年10月24日(金曜日)午後9時開場
場所P60 Studsplein 100A, Amstelveen
   アムステルフェーンセントラムの中央図書館横です。

入場料当日8ユーロ、前売り7ユーロ

詳しくは http://www.p60.nl/

Qypthone http://www.qypthone.com/
 コンセプトをつかさどる中塚武、シンボルの大河原泉を
 中心とした音楽チーム、QYPTHONE(キップソーン)。

2003-10-20-MON


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