アジオ、アジコ、アジノモト博士
天久聖一の味写入門

第113回 味写を集めよう!(その97)



博士
え〜い!
口惜しいわい!

アジオ
なにがそんなに口惜しいの?

博士
掛布雅之氏の髪型を、
上手く言葉に出来ない自分が口惜しいぞい!

アジコ
アホね。

アジオ
いいじゃん。
ただのハ‥‥

博士
シャラップ! その先は言うな!
たしかに氏の薄毛は進行しておる!
しかしあの髪型はそんな安易なふた文字で
表現できるものではない!

アジコ
そう言われてみれば、
不思議な髪型ね。

アジオ
ふつう薄毛って生え際から進行するのに、
氏の場合は生え際のみを残して
全体的な密度を下げていってるよね。

博士
こう頭全体に
砂鉄をまぶしたような‥‥

アジコ
薄手のストッキングを
被せてるような‥‥

アジオ
地肌と毛髪の絶妙なバランスが、
実に神秘的な光沢を生んでいるね。

アジコ
トランシーよね。

博士
なにか人の髪型と言うより、
地球のどこかにある風景を
再現したような頭じゃよ。

アジオ
モンゴルの北西部とか
こんな草原が広がってそうだね。
行ったことないけど。

アジコ
ロマンティックね。

博士
しかし氏の髪型が感動的なのは、
薄毛よりそれを前向きにとらえる
あのオシャレ心だとは思わんかね?

アジオ
残された生え際の髪で、
可能な限りのモードを追求しているね。

アジコ
前髪の立たせ方とか、
あの土俵際の粘りを見ていると、
こちらまで勇気をもらえるわ。

博士
氏は勝負の場をスタジアムから頭部に移して、
まだまだ現役で戦っておるんじゃ!

アジオ
では掛布さんの髪型に
男の生き様を学んだところで、
今週の味写を紹介します!

アジコ
まず一枚目は
H・N チョロさんの作品でーす!

味写No.228「犬と尻」
写真をクリックすると、さらに大きな写真をご覧いただけます。


アジオ
なんともシブい作品だね。

アジコ
写ってるものが
お尻ふたつと犬の顔半分だもんね。

博士
この色合いの地味さ、
まるで年寄りの弁当のようじゃな。

アジオ
一緒に送られたエピソードもまた地味だよ。

 向かって左が父、右が妹です。
 父の股から顔を出しているのが
 我が家の愛犬ロンです。
 ロンの後ろ足の付け根に
 なにやらデキモノがある・・・
 ということで二人が調べている最中らしいです。
 犬より人間の尻がメインの写真が撮れていました。
 以上。
 H・N チョロ

博士
まずこのメールで驚いたのは、
右の人が妹ということじゃな。

アジオ
てっきり仲のいい
年寄りふたりだと思ってたよ。

アジコ
写真全体もあまりにシブかった上に、
服装が茶系統だったもので‥‥ごめんなさい。

博士
しかし犬のデキモノを調べる身内を、
写真に残そうという気持ち‥‥分からんな。

アジオ
でもこういう奇特な人がいるから
味写が成立してるんだよ!

アジコ
そうよ。
これがただ愛犬と撮った家族写真なら
味写にはならないし‥‥

アジオ
逆に犬のデキモノのアップ写真なら、
それもまた味写とは言い難いし‥‥

博士
犬のデキモノに家族の思いやりが加わって、
はじめて味写が生まれるんじゃな。

アジコ
次はどんな動物のデキモノを
調べるのかしら?

アジオ
左のお父さんは愛犬のデキモノの他に、
自分の服のほころびにも
気を配った方がいいかもしれないね。

博士
ああ、なんかワシのお尻のデキモノまで
気になってきた!

アジコ
では博士のイボ痔を誘発したところで、
次です!

アジオ
お次はH・N 奇面フラッシュさんの
作品でーす!

味写No.229「酔拳」
写真をクリックすると、さらに大きな写真をご覧いただけます。


アジオ
久々の宴会写真だね。

アジコ
ホントお酒の席は
味写の宝庫よね。

博士
酔っ払い写真にハズレなし。
この作品も非常にいい味が染み出ておる。

アジオ
このオッサン、
なかなかいい動きをしてるね。

アジコ
日付は90年なのに、手の動きには
既にパラパラが取り入れられているわ。

アジオ
ポッピングや
アニメーションの影響まで感じるね。

博士
ひょっとして、日本のダンスシーンを牽引してきた
影の実力者かもしれんな。

アジオ
じゃあ、この踊りも
ただ酔っぱらってるだけじゃなく?

アジコ
新しいステップを
模索中なのよ。

博士
従来のロボットダンスに
イモ焼酎の野趣と中年の悲哀を加えた新境地!

アジコ
そう言えば写真全体にも、
なにかモダンな雰囲気を感じない?

アジオ
右側に大胆にとられた余白が
クールだよ。

アジコ
撮影者自信も酔っぱらっていたから、
偶然こんな構図になったんでしょうけど‥‥

博士
それが結果的に
画面にアートっぽい感覚を与えておる。

アジオ
この余白になにか文字を載せたら、
更にオシャレになるかもしれないね。

アジコ
じゃあ、
ちょっとやってみましょうか。



アジオ
やっぱりダメじゃない?
いまの世の中。

博士
独立を目指すなら、資格を取るなり
人脈を広げるなりの準備が必要じゃ。

アジコ
それ以前にこのオジサン、
自分の可愛さを過信しすぎてない?



アジコ
ヒットした韓流映画のタイトルね。

博士
たしかにこのオジサンの頭には
いろんな消しゴムがつまってそうじゃ。

アジオ
ボク、
キン消しが欲しい!



博士
また懐かしい書籍のタイトルじゃな。

アジコ
たしかビジネス書だったわね。

アジオ
この写真に使うと、
単に酒のつまみを探している酔っ払いみたいで
面白いね!



アジコ
石川啄木の歌集のタイトルね。

博士
いろんな意味での悲しさが、
写真からにじみ出ておるな。

アジオ
売れ行き次第で続編も出そうだね。
「もっと悲しい玩具」
「またまた悲しい玩具」
「悲しい玩具・フルスロットル」とか‥‥



アジオ
最後は
村上龍氏のエッセイ集からです!

アジコ
この写真に載ると、ことばの説得力が
さらに増した感じがするわ。

博士
男は消耗品なんじゃ。
「子供を生む機械」がうらやましいわい!

アジコ
というワケで、
結局まったくオシャレにならなかったけど、
それなりに楽しめたわね!

アジオ
みんなも酔っ払い現場をスクープしたら、
是非味写まで送って下さい!

博士
ではまた来週!
チャオ!

2007-04-15-SUN

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