アジオ、アジコ、アジノモト博士
天久聖一の味写入門

第40回 味写を集めよう!(その31)



博士
今週の味写は、
妖精スペシャルだぞ〜い!

アジオ
え?
妖精ってナニ?

アジコ
ホラ、
背中に羽のあるヤツよ!

博士
そう、そう。

アジオ
それなら知ってる!
羽のあるヤツを見つけると、
近くに巣がある証拠なんだよね!

アジコ
家の柱を食い尽くしてしまうのよ!
まだローンが30年残ってるのに!

博士
‥‥間違った知識が
植え付けられているようじゃな。
妖精は心が汚れている者には見えないのじゃ。

アジオ
見えないから、
恐いんだよ!

アジコ
気づいたときには手遅れなのよ。
妖精は木材の軟らかい部分を好むの!
だから外から見てもわからないのよ!

アジオ
バルサンだ!
バルサン焚かなきゃ!

博士
なにも全ての妖精が、
家屋に甚大な被害を与えるワケじゃないぞい!
中には人間に友好的な種族もいるのじゃ。

アジオ
じゃあ、早速紹介してよ!
その友好的種族とやらを。

博士
ふむ、よかろう。
まずはハンドル・ネーム、
ニフェーレーベル代表84さんからの
作品じゃ!

味写No.0076「ピーターパン」
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アジオ
妖精だ!
空を飛んでいる!

アジコ
ホントだ!
しかも未来の乗り物で。

博士
妖精の中には人類以上の、
優れた科学を持った種族もいるようじゃな。

アジコ
外見は宿酔いの
オッサンなのに‥‥

博士
人間社会の中で妖精が暮らすためには、
これくらいの変装は止むを得んのじゃろう。

アジオ
このオッサン‥‥じゃなかった。
妖精は空からナニを探しているのかな?

アジコ
純粋な心を持った、
子供たちじゃないかしら?

アジオ
見つけてどうするの?

アジコ
決まってるわよ!
子供がいつまでも子供でいられる国、
ネバーランドに招待するのよ!

アジオ
え?! じゃあこのオッサン‥‥じゃなかった。
妖精はピーターパン?

博士
なんて帽子の似合う
ピーターパンなんじゃ。

アジコ
ホラ!
早速お目当ての子供を見つけたみたいよ!



アジオ
‥‥徒歩で向かうんだね。
子供たちの元には。

アジコ
こんな乗り物で駆けつけるなんて、
非常識でしょ!

博士
妖精も世間体には、
気を遣うんじゃな。

アジオ
でも、なんだか気分が
悪そうだね。

博士
やはり宿酔いのオッサンに、
この遊具はキツかったようじゃな。

アジコ
ナニよ!
やっぱりタダのオッサンじゃないの!

博士
そうかも知れんし、違うかも知れん。
妖精は信じる者だけに見えるのじゃ。

アジオ
でもこの人は完全に妖精だよ!

味写No.0077「ボンボンおじさん」
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アジコ
ハンドル・ネーム、
トロケンさんからの作品で〜す!

博士
お便りでは
こう紹介されておるぞい。

 交差点にて信号が青になると
 ボンボンをふって踊ってくれました。
 その妖精おじさんの休憩時間です。
 行儀よく箸でカキピーを食べてるようです。

アジオ
え!
箸でカキピーを!?

博士
袋菓子を箸で食べるとは‥‥
人間には思いつかない発想じゃわい。

アジコ
まあ、それ以前に
ツッコミどころが有りすぎる存在だけどね。

アジオ
信号が青に変わると
踊るって‥‥

アジコ
どんな仕事よ。

博士
普通に「進む」だけじゃモノ足りんのじゃ。
「進む」よろこびを体全体で
表現したかったんじゃろう。

アジコ
そりゃ前向きな精神ね。

アジオ
カキピーをほおばる顔にも、
充実感がにじみ出てるよ。

博士
彼はやっと居場所を見つけたんじゃよ。
彼には今後ともこの交差点の主として
がんばって欲しいぞい。

アジコ
‥‥行政から指導を受けない程度にね。
では次の妖精さんよ!

アジオ
お次はハンドル・ネーム、
あくびさんからの作品です!

味写No.0078「コロボックル」
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博士
コロボックルの仲間じゃな。
ダンスの稽古中じゃ。

アジコ
コロボックルはカルチャースクールで
ダンスを習うのね。

アジオ
どうしてダンスを習ってるの?

博士
子育ても一段落して、
余った時間を有意義に過ごそうと
考えているのじゃ。

アジコ
すごく庶民的なコロボックルね。

アジオ
普段はナニをやってるのかな?

博士
キルトで小物を作ったり、
ピエロの人形を集めたり、
レースのティッシュカバーを作ったりしておる。

アジオ
ひょっとして、タバコの空き箱で傘作ったり、
5円玉でタヌキ作ったりもしない?

博士
そうじゃ。
キューピー人形に毛糸のドレスを
着せたりもするぞい!

アジコ
どんどん妖精が、
身近に感じてきてわ。

アジオ
どうすれば
彼女たちに会えるのかな?

博士
韓流スターの来日に合わせて、
成田空港に行ってごらん。
彼女たちのような妖精が
たくさん見られるハズじゃよ。

アジオ
妖精の間でも、
やっぱりヨン様は大人気なんだね!

アジコ
もう、ウチのお母さんよ。
それ。

博士
妖精は中年女性の心に住んでおるんじゃな。
では最後の作品じゃぞい!

アジオ
ラストはハンドル・ネーム、
イモスケ先生からの作品でーす!

味写No.0079「筆仙人」
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博士
お便りによると、投稿者はこのお店に
「毛筆ソフト」を買いに行ったそうじゃが。

アジオ
そこでちょうど、
筆そっくりの人に会ったんだね。

アジコ
確かに手前には「毛筆ソフト」の
箱らしきモノが。

アジオ
偶然とは思えない、
不思議な写真だね。

アジコ
じゃあ、
やっぱり彼も妖精‥‥?

博士
ふむ。
ソフトウェアから生まれた
現代の妖精じゃな。

アジオ
「毛筆ソフト」の素晴らしさを
ユーザーにアピールするために現れたんだね。

アジコ
そんな商業的な理由で?

博士
いまの社会では
妖精にもスポンサーが必要なんじゃ。

アジコ
妖精やるのも楽じゃないのね。

アジオ
でも世の中には思ったよりたくさんの
妖精がいたね!

アジコ
家の柱を食い荒らす
妖精ばかりじゃないのね!

博士
そうじゃ!
背中に羽が生えた者だけが妖精とは限らんぞい!
町には思わぬ所で人に化けた
異界の住人が住んでおる!
見つけたら是非教えてくれたまえ。
キミたちの報告を待っとるぞい!

2005-10-16-SUN

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