TKR
高阪TK剛、じぶんレポート。

----------ROUND.4----------

◆今、TKこと高阪剛選手が日本に帰ってきてるんです。
約2カ月のあいだに、大阪や東京でのリングスの試合や、
K1の試合に出るモーリス・スミスのセコンドについたり、
テレビの取材受けたり、バス釣りしたりしてます。

4月23日の大阪での試合のあと、
バス釣り行ったときに、高阪選手から話を聞く機会が
あったので、そのへんのネタを紹介していきましょう。
ちなみに、レポーターは編集部のセイヒローです。

で、その大阪の試合では、対戦相手の
ギルバート・アイブル(オランダ)の攻撃を受けて、
まぶたを切って出血。
ドクターストップになって負けてしまったんですよね。
う〜ん、残念……。
でもね、その相手、ロープつかんだまま
キック出してたんですよ。
それって反則っぽいよね? どうなんだろ……。

◆セイヒローくん、ちょっといい?
読者のみなさま、横はいりのdarling です。

高阪選手と、立ち話したときに、
おそるべき事実を聞いたんだよ。本人から。

それは、4月23日の大阪府立体育館での、
ギルバート・アイブルとの試合のことさ。
野生のTKが、野性そのもののようなアイブルと試合して、
ドクターストップで負けちゃったじゃない。
あの試合さ、妙に高阪剛が、優等生的なというか、
単なる秀才みたいな動きをしているように見えたよね。
とれたての黒豹みたいなアイブルの「超自由」な動きに、
とまどっているかのように、
無骨でくそ真面目な動きだったじゃない?
あれ、どうしたんだ、アマチュアみたいな試合だなぁと、
テレビで観ていてじれったかったわけよ、ぼくも。

それで、言いにくかったんだけど、
聞いてみたのよ、そのことを。
「あの試合って、あんまり相手が予想外の
動きをしてきたから、戦法が行き詰まっちゃったの?」
素人が、ま、思いきって図々しいこと聞いたもんだよね。

そしたら、なんと、ですよ。

「記憶がないんですよ。あの試合。
最初にアイブルが、ロープを手でつかんだ状態で、
キックを入れてきたでしょう」

あれ、ロープつかんでいたんだ。反則だね、そりゃ。

「そうなんですけどね。
あのキックもらったとき、入っちゃったんですよ。
もうひとつの足でキックもらってますから、
もう蹴りはもらわないと思っていたところに、
来ちゃったんで。
ぽーんと、入っちゃったんですよ。
それで、とんじゃって。その瞬間から、意識がないんです。
何度か、出血が多くてレフェリーとかドクターとかが、
大丈夫かって確認したらしいんですけど、
じぶんは『大丈夫です。やります』って、
なんどもロボットみたいに繰り返してたらしいんですよ。
終わって、あとで意識がもどってから試合結果知ったら、
19分58秒やっていたんですよ、試合。
ビデオで観てて、新鮮でしたもん、自分のやった試合が。
だから、意識なくってあれだけ、ああいうふうに、
自分は動くんだなぁって、思いましたね。
あれじゃぁ、負けます。あの動きじゃだめですよね。
って他人事みたいだけど、ほんとに、損しちゃいましたね」

ってことだったらしいんですよ。
解説席の金原選手にも、セコンドにも、
高阪は意識がとんでますってことは、わからなかったんだ。
本人だけが、記憶がないってことで、
その事実を認識していたっていうことなんだねぇ。

どう?びっくりした?
オレはしたね。
じゃ、またんき。


◆ぬぁるほど〜! そんな話があったんですねー。
横はいりのdarlingさん、サンキューでございます。
おそるべき事実ってことなら、続きがあるんですよ。

その試合でバックリ割れたまぶたは、
16針縫ってくっつけたらしいんですよ。
で、フツーに考えると、安静にしてなきゃいけないな、
と思うんだけど、TKはちがってた。


右まぶたに絆創膏があります。
16針縫った糸が入ってるんですね。
バス釣って笑ってますぜ

聞けば、ケガした試合の2日後だとか。
ヘーキなの?
「こういうねぇ、ケガとかって、
病院とか、家でじっとしてるのはダメなんですよ。
ネイチャー(自然)とかに詳しい人に聞いたんだけど、
外で日光にあたってるのがいちばんいいんですって。
そしたら、バス釣りは日光あたりっぱなしやし。
釣ったらごきげんやし、ええことだらけ」

さらに、その数日後もバス釣り(光合成つき)。
で、試合から10日も経ってない5月2日も、
TKはボートで利根川に浮かんでいた。


darling とバス釣り

あれ、絆創膏もないし、糸もありませんね。
そんな早く抜糸してくれるんですか?

「もう、くっついとるからねぇ。
あとですね、抜糸は自分でするほうがいいんですよ。
こう鏡みながら、爪切りってあるでしょ、
アレで結びコブとかプチプチって切って抜くんですよ。
あれなんでみんな爪切り便利だって思いつかんのかなぁ。
ほんま便利ですよ」

いやいや、そーゆー問題じゃないのよ。
自分で抜糸したら、抜き残しとかないんですか?

「あー、前縫ったとこがなんか痒くて、
ポリポリ掻いてたら、糸出てきたことありますよ」

おばあさんが裁縫してて、糸なくなっちゃったねぇ、
って言ったら「これつこうて」ってすぐ出せますね……。
いやいや、なんでもないです。

「あとね、自分でやると、抜く力調節できるじゃなですか。
人にやってもらって血だらけになったことあるんですよ。
だからね、こないだ縫ってもらったときも、
抜糸自分でやるから、医者にもう呼ばんといて
って言っとくんですよ。それでオッケー。
やっぱ、ここ1週間で3回バス釣りしてるでしょ。
おまけに、釣れてるし、ごきげんやし、
外でて、太陽にあたって……もうね、完璧ですわ(笑)」

というような事実があったんですね。
人並みはずれた復元力に、私はビックリしました。
外の空気と日光があればなんでも治りそうだよね。
やっぱTKはかっこええ。

それから1週感後の5月9日。
さらに、バス釣り。ほんまに好きねぇ。


練習キッツいんですわ。
釣りしてて初めて昼寝しました


もう、ケガしたことなんてとっくに忘れてるね。
次の試合に向けて、キッツい練習してるらしいです。
前日までの練習がはげしかったらしく、
釣りのとき、けっして昼寝をしないTKが、
「寝ていいかな?」と
同船していた編集部のJAROに言って、
ボートの上で横になっていたそうです。
観ると、まぶたの傷は、ちっちゃな頃ケンカしてできた
傷みたいに、なんでもないものになってたらしい。

がんばれ、TKエボリューション!
また釣り行こう、TKブラッシュホッグ!

1999-05-16-SAT

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